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[米国]
マイクロソフト、次期OfficeでPDFをネイティブ・サポート

(2005年10月01日)

 米国マイクロソフトは、「Office 12」のコード名で開発中である同社オフィス・スイートの次期バージョンで、アドビ システムズの文書ファイル・フォーマット「PDF (Portable Document Fomat)」をネイティブ・サポートする。同社のプログラム・マネジャー、ブライアン・ジョーンズ氏が、10月1日に明らかにした。

 「このプロジェクトの早い段階で、私たちは、すでにそれを行なう第三者製のツールが存在しているが、その機能を製品へネイティブに組み込むべきだと判断した。PDAサポートは、Word、Excel、PowerPoint、Access、Publisher、OneNote、Visio、InfoPathに組み込まれる」とジョーンズ氏は述べている。また、同氏のブログで公表される前に、このことは、マイクロソフト本社で同日開かれたMicrosoft MVP Conferenceで内々に発表されたもようである。

 WordやExcelなどのアプリケーションで、ファイルを直接PDFフォーマットで保存できるようにするというマイクロソフトの決定は、業界専門家から驚きを持って迎えられている。マイクロソフトが現在開発中の「XPS (XML Paper Specification)」技術(旧コード名:Metro)は、従来定着しているアドビの各種ファイル・フォーマットおよびパブリッシング技術に対抗するものと見られてきたからだ。

 XPS (XML Paper Specification)は、閲覧、印刷、レンダリング、アーカイブ処理を含む、ファイル処理のためのルールを記述した仕様であり、マイクロソフトの次世代WindowsOS「Windows Vista」に統合されることになっている。それは、Windowsで文書をディスプレイ上への表示用にレンダリングするためのルールが、印刷用にレンダリングするためのルールと同じになるということを意味している。マイクロソフトでは、そのことがXPSの普及に弾みを付けると期待している。

 PDFの取り扱いに関しては、米アップル・コンピュータがすでに似たような道をたどっている。同社はPDFを、Mac OS Xの「Quartz 2D」レンダリング・システムの基盤として採用した。

 マイクロソフトのジョーンズ氏は、同社のOfficeではすでにHTMLフォーマット、RTFフォーマットと、マイクロソフトの新しいXMLベースのファイル・フォーマット群をサポートしており、PDFサポートの動きもオープン標準を推進する同社の姿勢を反映したものだと強調した。

 マイクロソフト英国法人のOffice 12担当製品マネジャー、ダレン・ストレンジ氏も、同様の見解を示した。「PDFサポートを求める顧客の声は高まっており、今では月に12万件の要望が寄せられるほどだ。今回の動きはオープン標準に対する当社の取り組みの一部であり、それはOffice 12も貫いている一貫したテーマである」(ストレンジ氏)

 なお、先ごろ米国のマサチューセッツ州は、同州の全機関ではPDFフォーマットまたは「OASIS Open Document Format for Office Applications (略称:OpenDocument)」フォーマットのどちらかをサポートするオフィス・アプリケーションしか使用を許可しないという方針を打ち出し、そのオープン・フォーマット計画の仕上げとして、完成した文書基準「Enterprise Technical Reference Model」バージョン3.5を9月21日付けで交付した。

 マイクロソフトはOpenDocumentをサポートする計画はないと繰り返し表明していたため、同社のOfficeはマサチューセッツ州の機関からから締め出されることになる、と同州は9月末に認めていた。しかし、PDFをサポートすることで、Officeに再び門戸が開かれることになりそうだ。

 だが、世間の注目を集めたこのマサチューセッツ州の新方針と、マイクロソフトのPDFサポートの決定は無関係だ、とストレンジ氏は強調している。「それよりもかなり前から取り組みを始めていた。その問題に対処するための決定ではなく、両者間には何の関係もない」

 一方、サン・マイクロシステムズが開発支援を行っているオフィス・パッケージのOpenOfficeとStarOfficeは、すでにOpenDocumentとPDFをサポートしている。OpenDocumentは、標準化団体OASISで策定された新しいXMLベースのオフィス・アプリケーション文書フォーマット仕様であり、マイクロソフト自身のXMLベースのファイル・フォーマットと直接競合する。一方、PDFは静的な文書のみを扱うため、マイクロソフトの文書フォーマットと直接競合するわけではない。

 マイクロソフト自身もPDFはXPSと競合しないとの見方を示しているが、PDFは同社の仕様よりもオープンではなく、より限定された技術であるというのが同社の主張である。

 「XPSはXMLベースの標準規格だ。それは完全に人間が読める形式であり、プログラム上で分離可能な技術群を基盤にした、オープンで公開されているスキーマだ。これに対し、PDFはXMLベースではない。XPSは、PDFと同じ問題のいくつかを解決できるが、PDFが設計されている目的よりもはるかに広範な目的に取り組むものだ」とストレンジ氏は語っている。

(Originally reported by Matthew Broersma, Techworld (UK), and Elizabeth Montalbano, IDG News Service 10/03/2005)






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