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【インタビュー】
米国ボーランドSDOP主席アーキテクトのフランク氏、「モデリング言語は、ビジネスに役立つテクノロジーでなければならない」
(2005年11月17日)
米国ボーランド・ソフトウェアでSDOP(Software Development Optimization Platform)主席アーキテクトの肩書きを持つカール D.フランク氏は、標準化団体OMGにおいて、同社代表として「MDA(Model Driven Architecture:モデル駆動アーキテクチャ) Guide」の改訂、OCL(Object Constraint Language:オブジェクト制約言語)およびUML(Unified Modeling Language)2.0の策定作業部会の共同議長としても活躍する、モデリング言語界の第一人者である。編集部は11月17日、同社日本法人のプライベート・セミナーの講演で来日したフランク氏にインタビューを行った。
河原 潤
本誌編集長
──MDAというスタイルは、アプリケーション開発にどのような変革をもたらしたのか。
フランク氏:MDA自体が変革をもたらしたというよりは、MDAに基づき、すぐれたアプリケーションを開発している世界中の開発者たちこそが変革者である、と言ったほうが正確かもしれない。
現在、MDAの世界では、UML、OCL、そしてQVA(Queries, Views & Transformations)が用いられているが、これらの言語/手法によって開発者は、記述した1つのモデルを別の種類のモデルに容易に変換することができるようになった。こうして作られたモデルは、あらゆる言語/CPUプラットフォームのアプリケーションやシステムの構築でスムーズに利用することが可能だ。例えば、Javaで書かれたアプリケーションやC#によるアプリケーション、それからCORBAだって大丈夫だ。このような、効率的なアプリケーション開発スタイルを具現化したという点では、MDAは確かに革新的と言える。
| 大学でプログラミング言語を講義したこともあるフランク氏は、ホワイトボードにモデルを描いてポイントを説明してくれた |
──マルチプラットフォームは、MDAの大きな特徴ということか。
フランク氏:そう。マイクロソフトもわれわれと似たような取り組みも行っている。DSL(Domain Specific Language)、それから「Software Factories」と呼ばれている、マイクロソフト流のMDAだ。これらは、われわれが取り組んでいるような高度なモデル変換の仕組みも備えているが、結局、彼らのMDAで記述されるモデリング言語はプロプライエタリで、ターゲットはただ1つ。.NETプラットフォームにしか向けられていない。最終的に、アプリケーション実行環境でマルチ・プラットフォームを実現しているとしても、モデリング言語自体がマイクロソフト流なのだ。これは、特に優遇すべきプラットフォームがないわれわれとは明らかに異なるアプローチである。
──MDAの関連規格の中では今、QVTが注目されている。これは、どのような役割を果たすものなのか教えてほしい。
フランク氏:OCLは純粋・シンプルなアサーション言語で、そのステートメントはアサインをかけるような類のものではない。QVTは、これにアサインをかけるステートメントを追加できるようにする記述法で、UML、BPMN(Business Process Modeling Notation)などによるさまざまなモデルを別のモデルに容易に変換することを可能にする。
QVTは、来月にもOMGから標準規格として最初の仕様が公開される予定だ。ボーランドではOMGでの標準化作業と並行する形で、独自にこの記述法に取り組んできた。その最初の成果が、11月15日に日本語版がリリースされた「Borland Together 2006 for Eclipse」で、この製品は、QVTを利用した細心のMDA開発を可能にする世界初のモデリング・ソフトウェアである。
──UMLの初のメジャー・アップデートであるバージョン2.0の策定でも活躍されているが、バージョン1.0からどのような機能拡張が施されたのか。
フランク氏:最大の変更点は動的ビヘイビアをサポートしたことだ。これはUML 1.0のアクティビティ・ダイアグラムをより強力にしたものと言ってよく、制御フローとデータ・フローを明確に分離し、状況に応じて使い分けができるようになっている。
われわれは、モデリング言語をユーザー企業のビジネスに役立つテクノロジーでなくてはならないと考えている。そうした意味では、UML 2.0は、言ってみればモデルを描くだけだったUML 1.0から飛躍的な進化を遂げており、当社の目標に大きく近づいたことになる。
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