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[米国]
マイクロソフト、OfficeのXML文書フォーマットを標準化へ
(2005年11月22日)
米国マイクロソフトは11月21日、Microsoft Word、Excel、PowerPointの文書フォーマットをオープン・スタンダードとして提供する方針を明らかにした。同社は、Office Open XML (eXtensible Markup Language)文書フォーマット技術を国際標準化機構(ISO)に提出し、同社のOfficeソフトウェア・スイートの次期バージョン「Office 12(開発コード名)」の発売に間に合うタイミングで国際規格化することを目指すという。
従来、米国IBMとサン・マイクロシステムズが主導する技術ライバル・グループが、「Open Document Format for Office Applications (OpenDocument)」をオフィス文書の世界標準フォーマットとして推す世界的な取り組みを推進しており、OpenDocumentは標準化団体OASISのXML文書フォーマットとして、両社のほか、ノベル、レッドハット、グーグル、アップルコンピュータ、インテルを含むベンダー多数の支持を得ている。
また、米国マサチューセッツ州が、州政府文書にOpenDocument準拠を義務付けてMicrosoft Officeなどのベンダー独自フォーマット採用製品の使用を段階的に中止していく計画を発表したことも、この取り組みに弾みを付けた。
ソフトウェアの標準準拠を求める、政府や関係機関からマイクロソフトへの圧力はますます強まっていた。マイクロソフト幹部は、オープン標準ベースのソフトウェアを望んでいる地方政府から同社が契約を獲得する上で、今回発表した動きがプラスになると見ていることを認めた。Microsoft Office担当ゼネラル・マネジャーのアラン・イェーツ氏は、地方政府の契約には「現在は多少の障壁がある。これは、より長期的な地方政府の信頼につながる」と語った。
しかし、OpenDocumentの重要な支持者の1人で管理者でもあるルイス・スアレス=ポッツ氏は、マイクロソフトのこの動きはOpenDocumentのサポートを回避するためのものだ、と指摘している。企業はISO規格を参照することはできるが、自分のアプリケーションを構築するために使用することはできないというのだ。「オープン・スタンダードならば、どのアプリケーションもそれを使用できる。だが、ISO規格では少し違い、単に参照できるだけだ」と、OpenOffice.orgのコミュニティ・マネージャー兼運営評議会議長である同氏は述べている。
マイクロソフトのイェーツ氏は、この動きが(OpenDocumentをサポートしている)OpenOfficeオフィス・スイートと戦うのに役立つのは確かだが、当社は従来も十分優位に立っているとの自信を示した。
また、今回の決定は、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会とEU諸国の政府機関からの圧力を反映したものでもあるという。イェーツ氏によると、マイクロソフトはそのフォーマットを標準化するよう求められており、その問題は、同社幹部とEU高官との会議で何度も取り上げられてきた。
マイクロソフトはさらに、このオープン・スタンダードを旧来の文書で活用できるようにするツールを提供する計画だという。「これは、クローズドな文書の終わりだ」(イェーツ氏)
これは、業界に対しては、イノベーションのための新しいレベルの機会を提供するものであり、「あらゆる種類の開発者が大挙してこのフォーマットを利用しようと殺到するだろう」とイェーツ氏は述べた。
それでも、業界観測筋の一部は、OpenDocumentを他のベンダーが支持しているのに、なぜマイクロソフトがそのサポートに躊躇するのかと頭をひねっている。
米国レッドモンクのシニア・アナリスト、スティーブン・オグラディ氏は、「どうやら相変わらずマイクロソフトは、そのOpen XMLをドキュメント標準を巡る戦いのコントロール・ポイントとして維持しようとしているようだ」と語る。
オグラディ氏によると、「それは悪い手ではない」が、マイクロソフトが単純にOpenDocumentのサポートをOfficeに追加するのではなく、独自のファイル・フォーマットを標準化団体に提出することを選んだのは「不合理」に見えるという。例えば、マイクロソフトはすでにOffice 12でアドビ システムズのPDFフォーマットをでサポートすると表明しているからだ。
「私の意見では、同社が競争的見地から見て行うべきなのは、OpenDocumentフォーマットをサポートすることだ。同社はそれを自らの地位を危険にさらすことなく行える。私はマイクロソフトがやろうとすることにいちいち異を唱えてきたわけではないが、なぜWordPerfectやPDFをサポートしているのに、他のフォーマットと並んでOpenDocumentのサポートも追加できないのかは理解に苦しむ」(オグラディ氏)
だが、イェーツ氏は、OpenDocumentとOpen XMLを比べるのは「リンゴとオレンジ」を比べるのと同じで、一見した以上に多大な違いがあると言う。「Open XMLでは、企業がデータを文書に直接統合でき、文書に会社のデータを収めることができ、OpenDocumentとは機能が大きく異なる。顧客は当社に、OfficeとOffice 12のフル・フィーチャー・セットをサポートすることを求めている。そうした機能の一部に対応していなかったり機能の一部を隠してしまうものをサポートしても、彼らは受け入れない」
一連の不整合点があるため、OfficeにOpenDocumentサポートを組み込むのは簡単な作業とはいえず、しかもマイクロソフトは、古いOfficeファイル・フォーマットをOpen XMLにアップデートする作業で忙しい、とイェーツ氏は説明している。「実際、当社が古いフォーマットから新しいOpen XMLベースのフォーマットへの互換性を実現しなければならないのは数百万もの顧客、数十億もの文書に上る。当社はその課題に一生懸命取り組んでいるところだ」
マイクロソフトは、その動きを支持する主要な業界ユーザーやコンピュータ会社のグループを結成した。それには、英国の石油大手BPとノルウェーのスタトイル、アップルコンピュータ、インテルなどが加わっている。
このグループは、3種類のOffice製品に対応したXML文書形式をオープン・スタンダードにするため、ジュネーブに本拠を置く業界団体ECMA(European Computer Manufacturer's Association)に共同提案する。ECMAの審査プロセスは1年いっぱいかかる見通し。完了したら、ECMAはその提案を、同じくジュネーブに本拠を置くISOに転送する。
マイクロソフトのイェーツ氏は、このタイミングを選んだのはXMLフォーマットのオープン・スタンダード化を来年終盤のOffice 12発売に間に合わせるためだと語っている。
(Originally reported by Simon Taylor and Elizabeth Montalbano, IDG News Service 11/21/2005)
(IDG News Service)

