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[米国]
マイクロソフト、特許侵害判決を受けOffice製品のアップデートを呼びかけ
(2006年02月06日)
米国マイクロソフトは先週、昨年6月に下された特許侵害訴訟の決定を受け、Office製品のアップデートを各国の企業ユーザーに呼びかけたが、マイクロソフトでは、実際にサービスパックやソフトウェア・パッチをインストールする必要のあるOfficeユーザーは「ごくわずか」だと説明してる。
だが、今回特許侵害問題の焦点となったデータベース・ソフトウェア「Access」をバンドルする「Office XP」や「Office 2003」の導入を計画している、あるいはすでに導入作業を進めている大規模企業にとっては、今回のアップデートの呼びかけによって受ける影響は非常に大きい、と多くのアナリストが口をそろえる。
昨年、カリフォルニア州の米国連邦地方裁判所の陪審は、主に「Access 2002」と「同2003」で使用されているコードが、グアテマラ人発明者の特許を侵害しているとの評決を下した。マイクロソフトは現在、この評決を不服として控訴しているが、一方で、今年1月下旬から、使用中のOfficeによってアップデートが必要になることを電子メールで各国の企業ユーザーに通知し始めている。同社によると、Office 2003とともにAccessを使用しているユーザーは、昨年9月にリリースされた「Service Pack 2」をインストールする必要があるという。また、Office XPとAccessを新規購入したユーザーも、ソフトウェア・パッチをインストールする必要があるとしている。
多数のPCを抱える大規模企業にとって、パッチやサービス・パックのインストールは頭痛の種となることが多い。というのも、その導入プロセス自体に多くの時間が割かれるうえ、ソフトウェアをアップデートしたあとも大規模なテストを実施する必要があるからだ。
カナダの資産管理コンサルティング会社テックトラック・ソリューションズのCEO、ケビン・マグリュー氏は、「(企業ユーザーは)壊れていないものを壊したいとは思わない」と語る。同氏によると、大規模企業が新しいパッチやサービス・パックをインストールする際には、PCユーザー1,000人当たり約1週間のテスト作業時間が伴うという。
このようなアップデートの問題を巡って、マイクロソフトは、“アメと鞭”のアプローチをとろうとしている。同社は、Office製品をアップデートしたユーザーが第三者から訴えられないよう早急に対応すると約束する一方、利用規約に基づいて、特許権侵害のない新しいソフトウェアに“即時”アップグレードする必要があると訴えている。AccessをOffice XPやOffice 2003と組み合わせて使用している企業ユーザーにとっては、こうしたアップデートの問題を完全に無視することはできないだろう。ただし、マイクロソフトは、システムのアップデートを推奨しているのであって、要求しているわけではないと強調している。
申告書作成会社H&RブロックのCIO(最高情報責任者)、マーク・ウェスト氏は、「今すぐPCをアップグレードする気にはなれない」と語る。同氏は、全米各地1万4,000拠点のオフィスに導入された約12万台のWindowsシステムを管理しており、すでにその大半でOffice XPとOffice 2003が稼働しているという。
同氏は、「(特許を侵害していないコードをインストールするように促すことは)マイクロソフトにとって利益になるかもしれないが、われわれにとってはまったく利益につながらない。セキュリティ上の問題がないかぎり、これからも通常どおりのアップグレード・スケジュールを維持していく」と強調する。
マグリュー氏は、「財務上の問題が生じないかぎり、ほとんどの企業は自分たちのペースでアップデートを行うはずだ」と語っている。
マイクロソフトは、小規模企業の場合、パッチやサービス・パックのインストールに伴う苦労は比較的軽いと見ているようだ。また、Officeのアップグレード・サイクルに即座に対応できるユーザーであれば当然トラブルも少ないだろう。しかし、古いバージョンのOffice製品を使用する一部のユーザーが、余計な作業に手を煩わせることを嫌って、アップデートを思いとどまる可能性がある、と多くのアナリストが、。
カナダを拠点にITマネジャー向けPC資産管理サービスを提供しているアセットメトリックスが先週分析作業を行った59万台のPCのうち、22%がOffice XPやOffice 2003にバンドルされたAccessを稼働させており、いずれも今後マイクロソフトのパッチやサービス・パックを使ってアップデートする必要があると説明している。
この分析結果は、アセットメトリックスの調査部門が、Office XPまたはOffice 2003を搭載していると把握しているPC全体の3分の2を超える台数に相当するという。だが、同社が分析したPCの大半は、これらの最新リリースにアップグレードされておらず、68%のシステムでいまだに古いバージョンのOfficeが稼働しているという。そのうち最も多いのはOffice 2000で、全体の40%で使用されているという。
アセットメトリックスのCIO、ジェフ・キャンベル氏によると、多くの企業がWindows 2000といっしょにOffice 2000を導入しており、現在もそれらを使い続けているという。同氏は、「ほとんどのOffice 2000ユーザーが、現状のシステムに満足しており、余計な問題を抱え込むかもしれない製品にわざわざ置き換える必要はないと考えているようだ」と語っている。
(Computerworld オンライン米国版)


