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[フランス]
レッドハットのジェイボス買収でJOnASプロジェクトに暗雲
(2006年04月11日)
レッドハットのジェイボス買収計画の発表によって、「JOnAS」アプリケーション・サーバの将来に、突如、暗雲が立ち込めた。JOnASは、フランスに本拠を置くオープンソース・ソフトウェア・コンソーシアム「オブジェクトウェブ(ObjectWeb)」の最もよく知られたプロジェクトである。
レッドハットは、3年前にオブジェクトウェブに参加し、JOnASがJava 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)1.4準拠の認定を取得するのを支援、現在は、JOnASのバージョンの1つを「Red Hat Application Server」として提供している。
ジェイボス買収発表の電話会見で、レッドハットの会長兼CEOマシュー・ズーリック氏は、「当社はJOnASに多大な投資を行ってきた。今後もそうするつもりだ」と強調した。
しかし、アナリストはあまり楽観視していない。
例えば、英国オーバムのオープンソース分野担当シニア・アナリスト、ローレント・ラチャル氏は、今回の買収によってレッドハットが最も広く使用されているオープンソース・アプリケーション・サーバ「JBoss」を首尾よく手にできれば、JOnASに大きなリソースを投入したり、2つのアプリケーション・サーバをサポートし続けたりすることは考えにくいと指摘する。
ラチャル氏によると、JOnASの普及があまり進んでいないのは、レッドハットにとっては期待はずれだった。JBossと並んで、JOnASと競合する有力なオープンソースのアプリケーション・サーバとしては、アパッチ・ソフトウェア・ファウンデーション(ASF)で開発され、IBMに支持されている「Geronimo」がある。
ラチャル氏は、「レッドハットは、同社のJOnASディストリビューションを採用した顧客をしばらくはサポートし続けるかもしれないが、早い時期に、JBossへ移行するだろう」と予測している。
米国フォレスター・リサーチのマイケル・グールド氏も同意見で、「長期的に見て、レッドハットがJBossと競合するものをサポートするのは理にかなっていない」と、電子メールでの取材に答えている。
ただし、今回の買収がオブジェクトウェブに不利益だけをもたらすとはかぎらない。
2002年にブル、フランス・テレコム、INRIA(フランス国立情報処理・自動化研究所)によって設立されて以来、オブジェクトウェブは50を超えるソフトウェア開発プロジェクトを推進する規模へと成長を遂げた。
そのため、「レッドハットとジェイボスのソフトウェア・スタックのうち、アプリケーション・サーバ以外のミドルウェア・コンポーネントとして、オブジェクトウェブの技術が採用される可能性がある」と、グールド氏は指摘している。
オブジェクトウェブ自身も、レッドハットのジェイボス買収に関して、楽観的に受け止めている。実際に、同コンソーシアムの執行委員会のメンバーであるフランソワ・ルテリエ氏は、「これはすばらしいニュースだと思う」と述べている。
レッドハットはオブジェクトウェブの会員であり、同社のCTO(最高技術責任者)ポール・コーミエ氏が現理事会メンバーを務めていることから、オブジェクトウェブとジェイボスの間に特別なコミュニケーション・チャネルが開かれ、コード・ベースの融合や、異なるプラットフォーム間の互換性の確保などに向けた取り組みが強化される可能性がある。
ただし、レッドハットがオブジェクトウェブの会員だからといって、JBossアプリケーション・サーバのコードを寄贈する義務はない。
一方、オブジェクトウェブのルテリエ氏は、「JOnASにとって、レッドハットは重要な流通チャネルの1つだが、唯一のものではない。JOnASは、レッドハットがオブジェクトウェブに参加するかなり前から存在し、同社だけに依存しているわけではない。何が起きたとしてもJOnASプロジェクトの取り組みは継続する」と強調する。
オバムのラチャル氏も、JOnASが存在しなくなるとは見ていない。ただし、レッドハットのフルサポートがなければ、広範に採用される可能性は低いと指摘している。
「それは、テクノロジーの問題ではない。ユーザーに製品を売り込んで人々に使わせる能力があるのはどこか、という問題だ」(ラチャル氏)
(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)
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