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[スイス]
先進ユーザーに学ぶ、SOA導入の心得
(2006年04月13日)
スイスの保険会社ヘルベティア・パトリア・グループの幹部によると、SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)の実装にあたっては、十分に“時間”をかけられるかどうかがプロジェクトの成否を決めるカギになるという。
SOAは、再利用可能なソフトウェアとサービスを“部品”として用いながらシステムを開発、管理する手法として、今、ユーザー企業やITベンダーの間で最も話題に上げられている“旬”のキーワードとなっている。
そんななか、ヘルベティア・パトリアのeBusiness Center担当責任者であるディディエ・ベック氏は4月13日、IDG News Serviceの電話インタビューに応じ、「SOA導入に取り組むにあたって理解しておくべきポイントの1つは、“非常に時間がかかる”ということだ」と語った。
パトリア氏は、SOAを導入して技術面とビジネス面で何を達成したいのかをあらかじめ明確にしておくことが重要だと指摘する。具体的には、プロジェクト開始時点から十分に時間をかけてビジョンを練り上げた後に、主なマイルストーンを定めたロードマップを作成すべきとしている。
ヘルベティア・パトリアでは、今日SOAと呼ばれているシステム構築手法を6年前から導入し始めた。同社は当時、「eBusiness Center」と呼ばれる新しいWebベースのプラットフォーム構築を計画していた。既存の独自ソフトウェアやオープンソース・ソフトウェアなどを、オープンで標準ベースの“疎結合型の統合”によってまとめ上げることが同プラットフォームの役割とされた。同社は、特定のソフトウェアやITベンダーに強く依存することで、優れた代替技術が登場してもそれらをプラットフォーム上で取り替えることができない、といった状態に陥らないようにすることを大きなねらいとしていた。
eBusiness Centerの構築では、アプリケーション開発の迅速化と共通コンポーネントの再利用促進などが目標として掲げられた。ヘルベティア・パトリアは、Webやイントラネットなどの各種流通チャンネルごとに個別にアプリケーションを開発するのではなく、さまざまなチャネルで利用できるアプリケーションを開発することを目標とした。
2000年当時のヘルベティア・パトリアは、ハードウェアとソフトウェアの大部分をIBMに大きく依存していたが、最終的に同社はeBusiness Centerの開発プロジェクトをHPと共同で行うという判断を下した。ベック氏は、「SOA導入は、HPが当社に出入りするきっかけとなったわけだが、当時の判断は正しかったと満足している。というのも、第2の強力な技術パートナーを得ることは、IT戦略上きわめて重要なことだからだ」と語る。
eBusiness Centerの副責任者であるニック・ステファニア氏によると、ヘルベティア・パトリアが推進する“コラボレーティブ・モデル”に従って共に作業を進めていく意志を示したのはHPだけだったという。コラボレーティブ・モデルとは、パートナー・ベンダーとプロジェクトを一緒に進めていく中で、両社スタッフ間の技能交換を促進するためにヘルベティア・パトリアが考え出したスタッフ育成モデルであり、同社の30人以上の開発者がこの方式でトレーニングを受けたとしている。
2002年2月、eBusiness Centerをベースに開発した最初のアプリケーションの運用が始まり、それ以後ヘルベティア・パトリアは、毎年4本から6本の新しいアプリケーションを開発している。同社によると、アプリケーションの開発に要する期間は4〜8カ月程度と、以前に比べて2〜3倍スピードアップしたという。
ヘルベティア・パトリアは、スイスを本拠にオーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの各地域で保険事業を展開している。従業員数は現在4,700人。個人、企業の年金プラン、生命、損害、災害の保険ならびに再保険の販売を主な業務としている。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
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