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[米国]
マイクロソフト、「オープンソースを高く評価している」と幹部が発言

(2006年07月20日)

 オープンソース支持ベンダーとしてあまり認識されていない米国マイクロソフトの幹部が7月19日、同社はオープンソースの有益性に気づいており、みずからの体質もオープンになりつつあると発言した。

 マイクロソフトのシリコンバレー支社で開催されたイベント「Valley Speakers Series」の講演に登壇した、同社のビジネス開発/知的財産/ライセンシング部門ディレクター、デビッド・キーファー氏は、オープンソースは多方面で技術革新の進展に貢献したと述べ、オープンソース・ソフトウェア運動を「業界に影響を及ぼす一大勢力」と評した。

 同氏は、オープンソース・ソフトウェア運動の興味深い点は、ばらばらに活動していた開発者グループが共に手を携えていることだと指摘し、「IBMほどオープンソースに入れ込んでいると言うわけではないが、マイクロソフトもオープンソースに関心を寄せている」と語った。

 マイクロソフトは現在、ジェイボスやシュガーCRM、ゼンソースなどの企業と連携し、オープンソース開発コミュニティとの協力関係の構築に向けた活動を展開している。また、みずから立ち上げた「Open XML Translator」プロジェクトを通じて、Office製品でオープンソースの「OpenDocument Format(ODF)」文書ファイル・フォーマットを扱えるようにするツールを開発するなど、オープンソースの活用を推進している最中だ。

 キーファー氏は講演で、マイクロソフトがオープン化を志していることを強調し、各種のプロトコルや、Officeフォーマットをはじめとするライセンス体系を積極的に公開していると述べた。その一例として挙げられたのが、マイクロソフトのコードへのアクセスをサポートする「Shared Source」プログラムだ。

 「皮肉なことに、マイクロソフトの起源をさかのぼってみると、DOSやWindowsなどのAPIを広く提供していくという画期的な哲学の下に会社が興されたことがわかる。しかし、時を経るにつれて、APIセット以外のものをさまざまな方法でオープン化するという能力は、他社がマイクロソフトを上回るようになった」とキーファー氏は語る。

 一方、マイクロソフトは現在、自社が所有する知的財産(IP)のライセンス提供にも力を注いでいる。キーファー氏によれば、同社はテクノロジーを生み出す過程に主眼を置き、そのテクノロジーを生かす基盤を社外に求めようとしているのだという。さらに、他のIPを社内に取り入れることも積極的に行っているとしている。

 そうしたなか、同社は今週、「TouchLight(開発コード名)」と呼ばれる3D技術を米国イオン・リアリティにライセンス提供することを発表した。

 キーファー氏は、「マイクロソフトは、実に多様なビジネス・モデルの検証を慎重かつ積極的に行っている」と強調した。

 カリフォルニア大学バークレー校のハース・ビジネス・スクールで、オープン・イノベーション・センターの専務理事を務めるヘンリー・チェスボロー氏は、すでに独自のビジネス・モデルを成功させているにもかかわらず、新たなモデルを創出し続けようとするマイクロソフトの姿勢は称賛に値すると、同イベントの講演で語った。

 今回のイベントでは、企業がIPを活用する際に採るべき方針や、様相を変えつつある技術開発の現状に関してさまざまな議論が交わされた。

 チェスボロー氏は、「米国が握っていたテクノロジー分野における覇権はすでに失われた」と指摘し、安価な労働力だけでなく新たな才能を発掘するためには、企業は国外に人材を求めていかなければならないと主張した。

 「そのような取り組みを進めていない組織や企業に対しては、それは間違いだと諭す必要があるだろう」(チェスボロー氏)

 チェスボロー氏は、自社の技術を他社にライセンス提供したり、外部の技術を社内に取り入れたりすることで市場を新規開拓していく“オープン・イノベーション”の概念を高く評価し、これによって、社内外における技術の流れがスムーズになると強調した。

 同氏は、IPを活用したビジネス・モデルの例として、「孤立技術救済プログラム」などを挙げた。これは、大企業のビジネス・モデルの中で最適なポジションを確保できなかった技術を、社外に流用させるというものだ。また、経営に行き詰まった新興企業からIPを取得することも、IPのセール&リースバック取引と同様に、既存の技術を活用する有効な手段となりうるとした。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)






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