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[米国]
脚光を浴びる「アプリケーション仮想化技術」
(2006年08月21日)
近年、「サーバ仮想化技術」が注目を集めている。この技術を使えば、乱立した複数のサーバを統合し、柔軟性が高く、コスト効率に優れたサーバ・インフラストラクチャを構築することができるからだ。米国フォレスター・リサーチが国際的な企業1,200社を対象に実施した最近の調査によると、サーバ仮想化技術について「知っている」と答えた企業は全体の75%で、「実際にインプリメントした」という企業は26%、「来年パイロット・プロジェクトの実施を予定している」という企業は8%であった。また、すでにインプリメントした企業の60%が利用拡大を計画しているという。
そんななか、かつて米国ヴイエムウェアのESX Server製品担当役員を務め、現在は米国ファウンデーション・キャピタルのベンチャー・パートナーであるアシュミート・シダナ氏は、「今日仮想化されているエンタープライズ・サーバは、およそ5%にとどまっており、仮想化が汎用アーキテクチャとなり、事実上の導入メカニズムとなるまでには、あと数年かかるだろう」と語っている。
しかし、サーバ仮想化だけが仮想化技術の唯一の選択肢というわけではない。今後数年以内にデータセンターを飛躍的に効率化する優れた仮想化技術が開発されると見込まれており、企業のITマネジャーは当面この技術から目をそらすべきではないと言えよう。
仮想化が「より身近」なものに
ここでは、デスクトップ仮想化分野で登場しつつある技術を見てみよう。シダナ氏は、「ここにきて多くの新興企業が誕生しており、各ベンダーは、管理、導入、可用性、バックアップ、パッチなどにまつわるさまざまな要望を、仮想化技術を使って解決しようと考えを巡らしている」と語る。
同氏によると、現在多くのベンダーが進めている仮想化技術の開発は、ヴイエムウェアの主導により今年4月に発足した業界団体「バーチャル・デスクトップ・インフラストラクチャ・アライアンス」がリードしているという。同アライアンスには、アルティリス、アップストリーム、アーデンス、チェック・ポイント、シトリックス、富士通、富士通・シーメンス、日立、HP、IBM、レオストリーム、NEC、プラットフォーム・コンピューティング、ソフトリシティ、サン・マイクロシステムズ、ワイズ・テクノロジーなどが参加している。
同アライアンスでは、さまざまな場所のユーザーに完全なデスクトップ・エクスペリエンスを提供しながら、データセンターでデスクトップ仮想マシンのホスティングと集中管理を可能にするシステムを実現することを目標としている。
データセンター以外の分野での仮想化技術も、あらゆる点でサーバ仮想化と同様に有望と言える。例えば、アプリケーション仮想化技術の場合、同技術を使えば、ホストOSから独立したかたちでアプリケーションを稼働させることが可能になるため、エンタープライズ・デスクトップ環境にさまざまな利益をもたらすことができる。
調査会社米国サミット・ストラテジーズのクライアント・ソリューションズ業務ディレクター、ワーレン・ウィルソン氏は、「サーバ仮想化と同様、アプリケーション仮想化も、TCO(Total Cost of Ownership:所有総コスト)を削減できるのが最大の利点だ」と述べている。同氏によると、アプリケーション仮想化にはほかにも、システムの安定性、クラッシュ回数の減少、稼働時間の改善といった利点があり、これらすべての要素が相まって、従業員の生産性向上や、ヘルプ・デスク業務に従事するスタッフの削減および負担軽減につながるとしている。
さらにウィルソン氏は、アプリケーション仮想化技術を出発点とした新たな展開も考えられると主張する。具体的には、米国ゼオソフト・テクノロジー・グループの技術を用いて、ハンドヘルドPDAをモバイル・サーバとして運用し、他のPDAにコンテナ化されたアプリケーションをピア・ツー・ピア(P2P)方式で提供することで相互に作業するといったことも可能になるとしている。
アプリケーション仮想化技術を提供するベンダーに注目
では、実際に仮想化技術を導入する場合、どこから着手すればよいのだろうか。まず、アプリケーション仮想化ソフトウェアを提供しているベンダーに着目するのも1つの方法と言えるだろう。そうしたベンダーの中には、2005年にメイオシスを買収してこの市場に参入したIBMや、今年ソフトリシティを買収したマイクロソフト、新興企業のトライジェンスなどが含まれる。各社とも独自の工夫を凝らしているが、基本的な考え方は「アプリケーションの分離」であり、柔軟性の高いデスクトップ・インフラストラクチャの実現に向けて、アプリケーション仮想化技術を重要な要素と位置づけている。
アプリケーション仮想化技術を本格的に導入する際には、アルティリスやシトリックスといった、アプリケーション自体よりもユーザー・インタフェースに頼る度合の高いデスクトップ・ソフトウェア・ベンダーによる既存の方式と、OSレイヤで仮想化を実現する他のベンダーによる方式の両方を理解しておく必要があるだろう。ちなみに、「Solaris Containers」を提供するサン・マイクロシステムズや、「Virtuozzo」を提供する新興ベンダーのSWソフトなどは後者のタイプである。
仮想マシンをさらに活用するには
サーバ仮想化技術の普及が本格化するなか、多くのベンダーがヴイエムウェアに対応するアドオン製品を開発・提供している。以下、代表的なベンダーおよび製品を紹介しよう。
●アクロニス:仮想マシンのバックアップと復旧、物理サーバと仮想サーバ間の移行を容易化する「True Image」を提供している。
●アルティリス:仮想マシンの迅速な導入と管理の簡素化をサポートする「Altiris Server Management Suite」を提供している。
●アウレマ:仮想マシンにリソース/パフォーマンス管理機能を提供する作業負荷管理ソフトウェア「ArmTech」を提供している。
●データコア・ソフトウェア:仮想マシン用にストレージを仮想化する「SANmelody」と「SANsymphony」を提供する。
●プレートスピン:仮想マシンが物理リソース上で最高の性能を発揮できるようにする自動管理ツール「PowerRecon」、および、物理サーバから仮想サーバへの移行を容易化する「PowerConvert」を提供する。
●レオストリーム:物理サーバから仮想サーバへの移行作業を支援する「P>V Direct」を提供する。
●スティールアイ・テクノロジー:仮想マシンの監視と保護をサポートするデータ/アプリケーション可用性ソフトウェア「LifeKeeper」を提供する。
●ビジョンコア:仮想マシンのホット・バックアップを可能にする「esxRanger」を提
供する。
(ベス・シュルツ/Network World 米国版)

