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[米国]
モジラがマイクロソフトの協力要請を“受け入れ”──その背景を読む

(2006年08月28日)

 モジラ・ファウンデーションがオープンソースのWebブラウザおよび電子メール・ソフトウェアをWindows Vista上でスムーズに稼働させるためにマイクロソフトと協力関係を構築することになった。しかし、この間に行われた一連の公式発表に対しては、オープンソース・コミュニティの間でなお懐疑的な見方が根強くある。

 マイクロソフトのオープンソース・ソフトウェア・ラボ(独立系のオープンソース・ディベロップメント・ラボとは異なる)は8月、モジラ・ファウンデーションとそのオープンソース・ディベロッパーのコミュニティに直接アプローチし、MozillaをVistaに移植する作業に対する個別支援の提供を申し出た。一部のオープンソース・ディベロッパーの間では、依然として懐疑的な見方も根強いが、モジラ側はこれらの提案を歓迎している。

 モジラ・ファウンデーションは、人気の高いWebブラウザのFirefoxと電子メール・クライアントのThunderbirdの開発を主導している。マイクロソフトとモジラが最終的に協力し合うことになれば、これまで“敵対状態”と“冷戦状態”の間で揺れ動いていたマイクロソフトとオープンソース・ソフトウェアとの関係が大きく変化したことを示すものとなる。

 マイクロソフト・ラボのサム・ラムジー所長は8月19日、Mozilla開発ニュースグループ宛てに、直接サポートを提供するという内容の公開書簡を送付した。

 同氏は、Mozillaのディベロッパーを、今年12月まで毎週開催されるワークショップ「Windows Vista Readiness ISV Lab」に招待した。同イベントでは、Mozillaのディベロッパーが、マイクロソフトのディベロッパーやサポート・スタッフと直接意見交換できる場が用意されるという。

 ラムジー氏は、「これまで当社が招待していたのは、市販ソフトウェアのディベロッパーだけだったが、今回はディベロッパーの対象を拡張し、オープンソース・プロジェクトのディベロッパーのために時間枠を確保するために相当な努力を払った」と説明している。

 モジラ・ファウンデーションは、この提案に対して歓迎の意を表明している。モジラ・プロジェクトでユーザビリティの技術開発を統括するマイク・ベルツナー氏は、「確かに、個別サポートには関心がある。(ラムジー氏の)書簡に書かれている施設やプログラムは、Firefox 2とThunderbird 2の統合問題に適切に対処するという点で実質的な支援になる」と書いている。

 ベルツナー氏によると、モジラは、すでにVista上でのテストに入っており、開発チームも、Vistaに初めて搭載される「デフォルト・プログラム」インフラストラクチャへの最適化作業でマイクロソフトと協力している。とはいえ、他の重要な分野では未解決の問題が数多く残されているという。デフォルト・プログラムは、デフォルトで特定のタスクを処理するためのプログラムをユーザーが指定できる集中管理パネル機能を提供する。

 ベルツナー氏は、モジラのデベロッパーが特に関心を持っている分野として、Vistaのアプリケーション・セキュリティ・モードの範囲、InfoCardやRSS機能との連携、Vista内蔵カレンダーとアドレス帳との統合、などを挙げている。

 同氏は、ディベロッパーをマイクロソフトに派遣することが困難なオープンソース・プロジェクトのために、Vistaの文書やサンプル・コード、テスト・ツールなどの追加提供をマイクロソフトに要請している。

 「Windows XPと異なる最も一般的なOS統合ポイントを網羅したチェック・リストなどがあれば、非常に有益だ」(同氏)

 しかし、マイクロソフトに対する警戒心があまりにも不足していると批判するディベロッパーも少なくない。アダム・ウェストン氏は、ニュースグループの中で「Vistaとの統合作業で支援を受けるというのが魅力的なのは理解できるが、マイクロソフトは最も信頼できない会社だ」と強調している。

 マイクロソフトのオープンソース・ラボは、同社の製品を中心とした環境でオープンソース・プロジェクトが円滑に進むように支援すべく昨年設置された。今年3月からは、外の世界との意思疎通を改善するため、「Port 25」と呼ばれるサイトを開設して複数のブログを公開するという取り組みも始まっている。

 Port 25が開設されてから数週間後、マイクロソフトのプラットフォーム戦略担当ゼネラル・マネジャー、ビル・ヒルフ氏は、根拠のない複数の「陰謀説」のうわさを打ち消す必要があると認識したという。

 同氏によると、こうした陰謀説の中には、「(Port 25は)オープンソース・ソフトウェア・コミュニティを隠れみのにして、マーケティングやPR活動を行おうとする試みの1つである」とか、「(マイクロソフト・ラボに加わっている者は)魂のない裏切り者か極悪人だ」といった中傷も含まれているという。

(マシュー・ブールスマ/Techworld オンライン英国版)






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