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[英国]
閲覧履歴が残らない無料Webブラウザ「Browzar」が登場

(2006年08月31日)

 シェア争奪戦が続くWebブラウザ市場に、また新しい製品が登場した。「Browzar」と呼ばれるこのブラウザは、サイト閲覧履歴や入力データなどをPCに残さず、ユーザーのプライバシーや個人情報の漏洩を防ぐよう設計されている。

閲覧履歴が残らないWebブラウザ「Browzar」

 同ブラウザは、インターネット・キャッシュ、履歴、Cookie、自動フォーム記入項目などを自動的に削除する機能を備える。

 マイクロソフトのInternet Explorerを(IE)はじめとするほとんどのブラウザは、ユーザーが検索した内容をインターネット・キャッシュと履歴の中に自動的に保存するようになっている。ユーザーには、履歴フォルダを削除し、インターネット・キャッシュを空にするという選択肢もあるが、その方法がわからなかったり、何もせずに放置したりしているため、ネットワーク上をたどった足跡がブラウザに残されたままになっていることが多い。

 Browzarはhttp://www.browzar.com/から無償でダウンロードできる。

 Browzarを考案したのは、1990年代末に英国で初めて無料インターネット・アクセス・サービスを提供したISPであるフリーサーブ創設者、アジャズ・アーメド氏だ。同氏は2001年に、当時英国最大のISPに成長していたフリーサーブをフランス・テレコムのワナドゥー部門に16万ポンド(30億ドル)で売却した。

 アーメド氏は、米国AOLが2,000万件を超えるユーザーの検索クエリを漏洩した事件を引き合いに出し、「近年、プライバシーが大きな問題になっている。AOLの事件は、人々が検索しているものの中にきわめて個人的な内容が含まれているという問題を浮き彫りにした」と語っている。

 Browzarのサイトには、Webブラウザの履歴機能や自動入力機能を通じて友人や恋人のそれまで知らなかった一面を発見した、あるいはどちらかといえば秘密にしておきたい情報が暴露されてしまったといったユーザーの体験談が掲載されているページがある。アーメド氏は、こうした問題の一例として、出会い系Webサイトを利用している人の35%が既婚者であるという統計データを引き合いに出した。

 同氏は、「フリーサーブは英国市場のニーズに重点を置いていたが、Browzarは全世界を対象としている。とりわけ、インターネット・カフェなどの共有PCからネットワークに接続するユーザーの多い地域で注目を集めるのではないか」と期待を寄せている。

 Browzarは、サイズが264KBと軽いため、数秒でダウンロードできる。今のところWindows版のみだが、MacおよびLinux版の提供も計画している。現在はベータ・テストの段階にあり、9月中に正式にリリースされる予定だという。

 アーメド氏は現在、英国にブラウザ・リミテッドという個人所有の会社を設立しており、同氏が全額出資してBrowzarのサポートとマーケティングを行っている。同氏は、口コミやインターネットを通じてBrowzarへの関心が高まり、SkypeやMySpace、YouTubeなどのように広く普及することを願っているという。

 今のところ、ブラウザ・リミテッドには数人の従業員がいるだけだ。しかしアーメド氏は今後、より洗練されたバージョンのBrowzarやサーバサイド・アプリケーションなどをリリースする計画であり、製品のポートフォリオが増えれば社員も増やしていく方針としている。

 Browzarは、法執行機関がネット上で個人の行動を追跡する能力を制約することはない。アーメド氏は、「インターネット上でBrowzarユーザーの姿が見えなくなることはない。Browzarは、個人のデスクトップや使用中のPCにおいてプライバシーを守るためのツールであり、法執行機関は必要に応じてISPから情報提供を受けることができる」と説明している。

 Browzarには検索エンジンが搭載されており、ブラウザ・リミテッドは検索エンジン・プロバイダーとの収益分配契約を通じて収入を得ている。今のところ、この契約を結んでいるのは、ヤフーの広告販売子会社であるオーバーチャーだけだが、今後他の検索プロバイダーとも契約を結び、検索エンジンの選択肢を増やしていく予定としている。

 アーメド氏によると「Browzar」という製品名は、発音しやすく、覚えやすいという理由で思いついたという。しかし、browzar.com、browzar.net、browzar.co.ukというドメインがまだ使用されずに残っていたことを知って驚いたという。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)





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