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「いずれSaaSモデルを提供する」──BEAのチュアングCEO

(2006年12月12日)

米国BEAシステムズ 会長兼CEO アルフレッド・チュアング氏

 米国BEAシステムズは、ここ10年ほどの間にミドルウェア製品のトップ・プレーヤーへと成長し、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の世界でも有力な1社として名前を知られるようになったソフトウェア・ベンダーだ。現在、同社の売上げは急上昇しており(直近の四半期決算で前年同期比19%増)、株価も昨年はおよそ50%値上がりした。とはいえ、ソフトウェアを取り巻く環境が絶えず変化している今日、先頭集団を走るのは思いのほか大変なことだ。同社の創設者で会長兼CEOのアルフレッド・チュアング氏に、エンタープライズ・ソフトウェアの現状やSaaS(Software as a Service)などについて話を聞いた。

──エンタープライズ・ソフトウェアの現状をどう考えているか。

 エンタープライズ・ソフトウェアのベンダーは、現時点ではわれわれのように基盤ミドルウェアを提供する企業と、アプリケーションもしくはソフトウェア・コンポーネントを提供する企業とに大別される。しかし、エンドユーザーの意向しだいでは、そうした線引きはなくなり、再編される可能性もある。エンドユーザーにとっては、自分たちの環境やビジネス・モデルにマッチするソフトウェアであることが最も重要であり、ベンダーの事情などは関係ないからだ。

 ビジネス・プロセスを必要に応じて変更するエンドユーザーは少なくない。したがって、われわれベンダーとしては、プロセスの変更に堪えられるソフトウェアを提供することも大切だ。その点でいちばん有利なのは、コンポーネントだろう。プロセスが変更され、ソフトウェアの開発ステップを以前のフェーズまで戻す必要が生じたとしても、コンポーネントは変更後のプロセスでも利用できるからだ。

 言いかえれば、コンポーネントの機能は、プロセスに影響を与えることなくアップグレードできるということだ。ただ、標準化などの遅れから、コンポーネントの分野は現在ひどく混乱しているようにも見える。

──BEAはSaaSモデルを手がけるのか。

 例えば自動車を所有していても、レンタカーを借りたい場合があるだろう。また、レンタカーを運転するときと、自分の車を運転しているときとでは、自動車の扱いがまったく異なる人も少なくないはずだ。

 フォード製のレンタカーでサンフランシスコの丘陵地帯をドライブしているおかしな男を見かけたら、それはおそらく私だ。私は、レンタカーを借りてサンフランシスコの市内を走り回り、丘を飛び越えたりして暇をつぶしている。レンタカーなら、多少荒っぽい運転でも気にならない。しかし、自分の車となると話は違う。駐車するときもいちばん端に止めるようにして、だれかにぶつけられないように注意する。

 完璧な柔軟性を求めるのなら、レンタカーのほうが何かと都合が良い。これは、ソフトウェアでも同様だ。SaaSは、とりわけ柔軟性という面で、企業内の小さなワークグループや組織にとって魅力的な選択肢になるだろう。どうしてもソフトウェアを手もとに置いておきたいのなら、購入すればよいだけだ。したがって、ニーズがあるかぎり、ソフトウェア・ベンダーはSaaSのようなオンデマンド・モデルにも対応する必要がある。

──では、BEAはSaaSモデルをビジネス上の選択肢から除外しないということか。

 除外するどころか、やらなければならないと考えている。だからといって、100%SaaSのモデルに移行するというわけではないが。

──オープンソース・ソフトウェアについては、どうとらえているのか。

 オープンソース・ソフトウェアは、とりわけ価格面でわれわれを“奮い立たせる”究極のプロダクトだ。Linuxを例に話そう。

 私は、自分のキャリアの前半を、誕生から間もないサン・マイクロシステムズで過ごし、同社が数十億ドル規模の企業に成長するのを目の当たりにした。Solaris上でアプリケーションを動かしたいがために、企業は同社の高価なマシンを購入してきたからだ。

 しかし、J2EE(Java 2 Enterprise Edition)が登場したとたん、アプリケーションがSolarisに依存していないことに企業は気づいた(特にサンの人間がこのことを痛感した)。J2EEアプリケーションが稼働するのはSolarisだけではなかったからだ。Linuxなら、高価なSolarisをわざわざ導入しなくても、同じJ2EEアプリケーションを動かすことができる。しかも、移植作業や修正作業などは一切必要ない。こうして、Linuxは市場で商用UNIXを完全にコモディディ化してしまった。

 賢明なベンダーなら、自社製のソフトがコモディディ化するかどうかという点にいつも気を配るはずだ。でも、会社の規模が順調に拡大しているかぎり、コモディディ化も悪くない。当社がそうであるように、より高いレベルを目指して技術革新に励めばよいからだ。

 もっとも、オープンソースであるか否かにかかわらず、ソフトウェアの需要は限りなくある。われわれも、ニーズがあるかぎりソフトウェア・ビジネスをやめることはない。常に製品開発に取り組み、製品の種類をどんどん増やし、インターネット上であらゆることができるようにしたいと考えている。

(エリック・ノール/InfoWorld 米国版)






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