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[米国]
ユーザー企業の反応は?──ECMAのOpen XML承認

(2006年12月12日)

 先週、米国マイクロソフトが開発した文書フォーマット「Open XML」がECMA(欧州電子計算機工業会)の承認を勝ち取り、ODF(OpenDocument Format)のライバルになるうえで必要とされた“標準機関によるお墨付き”を獲得した。これで、ユーザー企業にとっても、Open XMLを採用することの正当性が得られたことになる。以下、ユーザーの反応を追ってみた。

 フロリダ州ロックレッジに本拠を置くヘルス・ファーストのネットワーク・エンジニア、ダニー・J・ウォール氏は、Open XMLがECMAに承認されたことを素直に喜んでいる1人だ。「マイクロソフトのOfficeに戻りたいわけではないが、一度Open XMLを試してみたい」と同氏は言う。

 この2年間、ヘルス・ファーストは5,000人のエンドユーザーを、徐々に「Office 97」からオープンソースの「OpenOffice.org」に移行させてきた。ウォール氏によると、後者を導入することでソフトウェアに要するコストがかなり減ったという。

 OpenOffice.orgの場合、デフォルトでは文書ファイルはODFで保存される。ただし、Office 97で保存されたファイルのインポートやエクスポートは可能だ。ヘルス・ファーストではODFでのファイル保存を従業員に強制しておらず、取引先などでもマイクロソフトのOfficeが支配的なことから、文書ファイルの大部分はOffice 97形式で保存されている。

 「当社が従業員に強いているのはOpenOffice.orgを使うということだけだ。ファイル・フォーマットに関しては、ODFよりもOffice 97形式のほうが現実的という理由から、そちらを選ぶ社員が多い」(ウォール氏)

 ユタ州ウェストバレーシティのオンライン小売業者、バックカントリー・ドットコムで最高技術責任者を務めるデイブ・ジェンキンズ氏は、Open XMLがECMAに承認されたからといって、すぐに移行するつもりはないと語る。

 「長い目で見れば、だれもがXMLを使うようになると思うが、それがマイクロソフトのOpen XMLだとはかぎらない。何かがオープンになるなら、それは全面的にオープンでなければならない」(ジェンキンズ氏)

 バックカントリー・ドットコムは、社内にある300台のPCのうち、およそ3分の2でUbutu LinuxとOpenOffice.orgを使用し、残りのPCではWindows XPとOffice 2000を使っている。両者の運用コストを比較すると、前者は後者よりもインストール数が多いにもかかわらず、年間で250ドルほど低い。

 同社は現在、OpenOffice.orgに全面的に移行することを検討中だ。ただし、文書フォーマットをODFに統一するつもりはないようだ。実際、同社では文書ファイルを自動的にOffice 2000形式で保存するようにOpenOffice.orgを設定している。「ODFを使いたいところだが、互換性のないファイル・フォーマットに対して拒絶反応を示す社員もいる。そのため、現実的なアプローチを採用した」とジェンキンズ氏は語る。

 マサチューセッツ州は昨年、州の情報技術部門がODFを標準ファイル・フォーマットに採用したことで話題になった。同州のベスアン・ペポリCIO代理は、Open XMLがECMAで承認されたことについて、電子メールでこう述べている。

 「新ソフトウェア・フォーマットを国際標準化機関に提出するというマイクロソフトの決定と、それをECMAが民主的な方法で承認したことは、オープン標準の採用に向けたわれわれの努力の妥当性を証明した」

 ペポリ氏はさらに、ECMAのOpen XML委員会が行った標準承認作業を詳細に検討するとともに、同州のETRM(企業技術基準モデル)計画の次フェーズに同フォーマットを盛り込むかどうかをこれから考えると付け加えた。ETRMの現バージョンでは、ODFとアドビ システムズのPDFの2つが、州機関で使用可能なオープン・フォーマットとして規定されている。

 先週、ECMAはOpen XMLを賛成20、反対1で承認した。反対票を投じたのはIBMの代表だけだった。スイスのジュネーブに本拠を置く同機関は今後、Open XMLを国際標準化機構(ISO)に提出する予定だ。

 また、ECMAによる承認に先立ち、米国ノベルはOpen XMLのサポート機能を同社版のOpenOffice.orgに追加すると発表した。カナダのコーレルも先週、同様の発表を行い、ワープロ・ソフト「WordPerfect」でODFとOpen XMLの両方をフルサポートすることを明らかにしている。

 今回のECMAによる承認について、IBMとサン・マイクロシステムズからはコメントを得られなかった。ちなみに、IBMの「Workplace」とサンの「StarOffice」ではODFがデフォルトの文書フォーマットだが、マイクロソフトのOffice形式も一応サポートしている。

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)






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