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仮想化

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仮想サーバ環境を高度IT教育に活用する千葉工業大学

「VMware ESX Server」を導入し新演習教育システムを構築

(2006年12月15日)

情報化時代を支える人材の育成を目指す千葉工業大学(以下、千葉工大)情報科学部では、エンジニアやITアーキテクトを志す多くの学生が、日々勉学に励んでいる。最先端の情報教育を行う教育機関だけに、演習には最先端のIT環境が必要不可欠となるが、同大学では、学生がサーバやネットワークの構築技術を学ぶためのインフラとして「VMware ESX Server」による仮想化ソリューションを採用し、管理者権限を必要とする高度な演習も効果的に行える環境を実現している。

国内有数の先進性を誇る千葉工大情報科学部

USER PROFILE
千葉工業大学  http://www.it-chiba.ac.jp/
所在地: 津田沼キャンパス
千葉県習志野市津田沼2-17-1
芝園キャンパス
千葉県習志野市芝園2-1-1
創立: 1942年5月15日
事業概要: 1942年5月、東京・町田市に旧制大学・興亜工業大学として設立。1946年に校舎を千葉県・君津市へ移転すると同時に、大学名を千葉工業大学へと改称した。現在の千葉県・習志野市へ移転したのは、新制千葉工業大学へ移行した1950年のこと。工学部・情報科学部・社会システム科学の3学部と大学院で構成されており、情報化社会を支える最先端の人材育成を担っている。「師弟同業・自学自律」を教育理念として掲げている。

 千葉県・習志野市。JR津田沼駅の駅前に、緑に囲まれた一角がある。千葉工大の津田沼キャンパスだ。同大学には工学部、情報科学部、社会システム科学部の3つの学部があり、各分野において先進的な教育を行っている。

 その中でもひときわユニークなのが、情報科学部・情報ネットワーク学科だ。1997年に設立された同学科では、IT社会に欠かせないネットワーク・スペシャリストやITアーキテクトなどの人材育成を担っている。「時代を見据えた実践的な教育を行っているのが、当学科の大きな特徴と言える」と語るのは、情報ネットワーク学科で教鞭を執る浮貝雅裕教授だ。日々の演習の中には、WebサーバやWebデータベースの連携システム構築など、現実のシステム開発プロジェクトでもそのまま使えそうな内容が盛り込まれている。

 授業を支えるITインフラについても、最新の環境が取り入れられている。学術・情報センター事務部 情報システム課の平田幸夫課長は「例えばネットワークについては、情報センターから各研究室まで直接光ファイバを引き込む『FTTD』の導入により、運用の効率化やネットワークの高速化が実現されている」と説明する。

 千葉工大では、2005年夏ごろより演習教育システムの再構築に着手した。1999年に構築された次世代大規模演習室では、UNIXサーバやワークステーションを利用し、150名の学生が同時に演習を行える環境を実現していた。この演習室のシステムを、全面的に刷新するのが今回のプロジェクトの目的である。

VMware ESX Serverを中核に新演習教育システムを構築

千葉工業大学 情報科学部情報ネットワーク学科教授 工学博士 浮貝雅裕氏

 再構築のねらいについて、浮貝教授は次のように語る。「当学科は情報系の専門学科であるため、管理された1ユーザーという形では十分な教育が行えない。一人ひとりが管理者権限を持ち、OSのインストールからサーバ構築、ネットワーク設定まで行えるような環境を実現したかった」

 またもう1つの要件は、1人で複数台のシステム環境が利用できるということだ。浮貝教授は「3階層Webシステムの開発演習やネットワークドメインの構築実習などでは、システム間の連携が必須です。そのためには、1人の学生が同時に複数台のコンピュータを扱えるようにしなければならない」と続ける。

 そこで目を付けたのが、仮想サーバ環境である。「実システム上で不特定多数のユーザーに対して特権を許可すると、管理やメンテナンスが破綻する。しかし自分専用の演習環境を仮想サーバ上に構築すれば、管理者権限で自由に作業が行える。また新たな試みとして、USBメモリなどのモバイルストレージに仮想計算機を入れて持ち歩くユーザー・モデルも実現したかった」と浮貝教授は説明する。なお、浮貝教授によると、以前からVMware Workstationを利用していたため、仮想環境に対する抵抗感などは特に感じなかったという。

 千葉工大では10社程度にシステム提案を依頼した。その結果選ばれたのが、ネットワールドが提供する「VMware ESX Server」を中核とする提案であった。

仮想サーバ環境を活用し性能とコスト要求を両立

千葉工業大学 学術・情報センター事務部情報システム課 課長 平田幸夫氏

 実際のシステム構築は、ネットワールドと三菱電機インフォメーションテクノロジー(MDiT)が担当した。浮貝教授は「両社の提案で高く評価したのは、VMware ESX Serverの性能を最大限に活用した構成を提案してくれたところだ」と語る。

 教育現場においては、百数十名の学生が一斉に仮想サーバ上で仮想計算機を立ち上げるといった、企業などではまず考えられない状況が発生する。このため性能に対する要求が非常に厳しい。かといって、VMware ESX Serverを学生1人に1台ずつ割り当てたのでは、コストが高く付いてしまう。「その点1台のサーバに対して複数のユーザーを割り当てる構成なら、われわれが要求する性能が出るうえ、コストも抑えられる。これは非常に優れた提案だった」と浮貝教授は語る。現在は61台のVMwareサーバが導入され、180台のクライアントPCからRemote Consoleを介して利用可能となっている。

 旧システム環境からの大きな変化としては、今回からサーバ・プラットフォームをIAサーバに移行した点が挙げられる。「1999年当時は、連続運用時の安定性が高いなどの理由で、UNIXサーバ/ワークステーションを導入した。しかし近年では、オープンソースへの対応が遅いなどの点が逆に弊害になっている。こうした点ではIAサーバのほうが有利だし、信頼性の面でももはや問題はない。IAサーバへの移行は、いわば自然な流れだったと言える」(浮貝教授)

 もっとも、強力な処理能力が求められるシステムだけに、性能面には十分な配慮が払われている。VMwareサーバにはIntel Xeonプロセッサ 3.8GHz ×2と7GBのメモリを積んだ高性能サーバを導入。クライアントにも、Intel Pentium4プロセッサ 3.6GHzと2GBメモリを搭載したPCが採用されている。

資料:ネットワールド

高度な教育環境を実現より柔軟な演習が可能に

 VMware ESX Serverによる新演習教育システムは、2006年4月より本稼働を開始した。今では仮想サーバ環境を利用した演習が連日行われている。「新システムを導入したことで、従来にないさまざまなメリットが生まれている」と浮貝教授。例えばWebアプリケーション作成の演習を行う場合、以前は1台のワークステーション上ですべての環境を構築していたため、学生にとってもあまり実感がわかない面があったという。しかし現在では、クライアントPCから仮想サーバ上のWebサーバにアクセスする形でアプリケーションを構築できる。以前に比べて、流れが非常にわかりやすくなったという。「また大学院生を対象とした授業では、おのおの3台の仮想計算機、仮想スイッチ、仮想NICを使用してネットワーク・ドメインを構成し、DNSサーバの構築実習なども行っている」と浮貝教授は説明する。

 今回のプロジェクトを担当したネットワールドとMDiTに対する評価も高い。浮貝教授は「時間的な余裕がなかったにもかかわらず、4月の授業開始にシステムを間に合わせてくれたうえ、本稼働から2週間はサポートのために常駐してくれた。両社の支援には本当に感謝している」とにこやかに語る。

 「今後はシステムの安定稼働を維持することが大きな課題。障害で授業が止まったりすることのないよう、情報システム課としても全力でサポートしていきたい」と力強く語る平田氏。また浮貝教授も「ストレージの仮想化など、まだまだ取り組みたいテーマは残っている。最近では『Intel Virtualization Technology』のような新しい仮想化技術も登場しているので、より良い環境構築を目指して積極的に新技術への対応も考えていきたい」と意気込みを語る。千葉工大情報科学部の最先端情報教育を、VMware ESX Serverがしっかりと支えていくのである。

(Computerworld.jp)




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