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[米国]
IBM、ODFデータの音声変換技術を開発
(2006年12月15日)
米国IBMは12月13日、視覚障害者の支援を目的に、ODF(OpenDocument Format)データの音声変換技術を開発したと発表した。
同社が開発したのは、視覚障害者がコンピュータの画面上に表示される視覚情報にアクセスするために使っている製品と、ODF対応のアプリケーションとのデータのやり取りに用いるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)。「IAccessible2」と呼ばれる同APIにより、オフィス・ソフトなどのアプリケーションに読み込まれたODFデータを音声情報に変換することができる。
同社広報担当者のアリ・フィシュキンド氏は、「ODFやAjax、DHTMLなどの技術/ファイル・フォーマットが相次いで登場するなか、音声情報への変換を担当するスクリーン・リーダがそれについていけない状況が続いていた。AjaxとDHTMLは複雑な視覚情報をWebブラウザで表示するための技術だが、従来はそうした情報をスクリーン・リーダで解釈するのは難しかった」と語る。
IAccessible2は、ODFやAjax、DHTMLベースの図表/画像情報をスクリーン・リーダで認識できるようにするもので、「汎用デコーダ・リングのような役割」(フィシュキンド氏)を果たす。この技術は、IBMとサン・マイクロシステムズが共同で開発した「Java Accessibility API」をベースにしている。
IBMは、Project Missouri(この名称は、ミズーリ州が「証拠開示にこだわる気風の強い州」であることにちなんでいる)を通じてIAccessible2を開発した。また、同プロジェクトの成果を、オープンソース・ソフトウェアの普及促進を目指す非営利団体フリー・スタンダーズ・グループに寄贈している。同グループは今後、この技術の開発を続けるとともに、標準アクセシビリティ仕様としてだれでも利用できるようにするという。
IAccessible2の開発には、IBMとサンのほか、オラクルやSAPなどがかかわっている。またモジラ・コーポレーションも、オープンソースのWebブラウザ「Firefox」にIAccessible2を組み込む意向を示している。
ODFは、ISO(国際標準化機関)が国際標準として承認した文書フォーマットだ。ODFについては、IBMやサンなどのベンダーに加え、フランス政府や米国マサチューセッツ州などが文書データの標準フォーマットとして利用することを推奨している。
だが、マイクロソフトが独自に開発した「Open XML」が登場したことで、ODFの将来性を疑問視する向きもある。Open XMLは、同社が11月にリリースしたオフィス・スイート「Office 2007」の標準ファイル・フォーマットで、12月にはECMA(欧州電子計算機工業会)から国際標準として承認されたからだ。現時点でOpen XMLはISOの承認を得ていないものの、時間の問題だとみるアナリストもいる。
ODFとOpen XMLの争いは、マサチューセッツ州が昨年、すべての州機関で使用するデフォルト・ファイル・フォーマットをODFに変更するよう提案したことでヒートアップした。この提案が採用されれば、Officeの使用を停止しなければならないという事態にもなりかねないからだ。マイクロソフトがOpen XMLをECMAに提出し、ODFと同様の手続きを進める決断を下したのはこのためだ。ITプラットフォームを業界標準のものに移行させ、独自技術と見られる製品の利用を差し控える動きが米国政府機関で広がっていることも背景にある。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)
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