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[国内]
サンのマクニーリ会長、オープンソース戦略の重要性をあらためて強調
(2006年12月08日)
米国サン・マイクロシステムズの会長、スコット・マクニーリ氏は12月8日、同社日本法人主催の教育・研究機関向けイベント「第12回 Japan ERC(Education and Research Conference)」で講演を行い、現在の活動状況や、サンが推進するオープンソース戦略などについて語った。
CEO交代後の新たなミッション
| 米国サン・マイクロシステムズ会長 スコット・マクニーリ氏 |
マクニーリ氏は今年4月24日付で、過去22年間務めてきた同社CEOの座を元社長兼COOのジョナサン・シュワルツ氏に譲り、会長に就任した。現在、マクニーリ氏は、官公庁関連の業務拡大に向けた活動、トップ50企業の顧客増大、日本の顧客およびパートナーとの関係強化、の3つを主な任務としている。
近況についてマクニーリ氏は、「面倒な業務はジョナサンに任せて、今は顧客やパートナー、政府関係者と会うために世界中を飛び回っている。引き続きサンに“楽しみながら”貢献できることをうれしく思っている」と語った。
収益のカギは“シェア(共有化)”にあり
マクニーリ氏によると、インターネット利用者は、毎週300万人ずつ増えているものの、来年12月の時点でインターネットにアクセスできる人は世界人口の4分の1に満たないという。
「もちろん、より多くの人々にネットワークにアクセスしてもらいたいと思っている。しかし、もし世界人口の60億人にPCを1台ずつ配ったらどうなるだろうか。それらが一斉に稼働することで消費電力量は急激に増大し、ネットワーク管理も立ち行かなくなるだろう。われわれは、そうした課題を解決するための“カギ”となる施策をいくつか持っている」とマクニーリ氏は強調する。
その施策の1つが、シェア(共有化)──サンの基本戦略であるオープンソースへの取り組みである。サンは今年3月、「UltraSPARC T1」プロセッサ(開発コード名:Niagara)に関する仕様をオープンソース化し、「OpenSPARC T1」としてGNU GPLのライセンス規約に基づき無償で公開したほか、マクニーリ氏52歳の誕生日である11月13日には、同じくGPLの下でJavaのオープンソース化を果たすなど、ここにきて相次いで自社のハードウェアおよびソフトウェア技術のオープンソース化を進めている。
マクニーリ氏は、「Javaのオープンソース化については驚かれた方もいただろうが、オープンソースの概念は昔からサンが提唱してきたこと。われわれは設立当初からBSD(Berkeley Software Distribution)のライセンス提供に取り組むなど、リーナスがおむつをしていたころから、オープンソースに取り組んでいた」と冗談を交えながら、その重要性を訴えた。
サンでは、自社の技術をオープンソース化することで、より大きなコミュニティを形成していくことを目指している。マクニーリ氏は、サンがオープンソース化を推進する理由として、(1)開発者の参入障壁が少なくなる、(2)エンジニアリング・コストを継続的に低減できる、(3)出口障害(Barriers to Exit)が低くなる、という3つの利点を挙げた。
(3)の出口障害のリスクについて同氏は、「ベンダー固有の技術が陳腐化した際、その技術を排除しようとすると、大きなコストがかかるが、オープンソースでは、そうした出口障害とは無縁だ」と指摘したうえで、「われわれは“シェアすること”こそが収益につながる妥当なやり方だと信じている」と強調した。
教育の“シェア”にも尽力
| 「Curriki」の概要 |
マクニーリ氏は講演の最後に、個人的に参加しているオープンソース・プロジェクトとして「Curriki」を紹介した。同プロジェクトは、小学校から高校までの教育カリキュラムをWikiベースでインターネット上に公開することを目的とた公共事業。利用は米国居住者に限られるが、学校に行くことのできない子供たちをはじめ、だれでも無償で学習できる機会が得られるとして注目を集めている。
マクニーリ氏は、「高校までの教育カリキュラムは何年経とうと変わらないのに、米国では小学〜高校の教科書の改訂にカリフォルニア州だけで年間4億ドルも費している。こうしたものこそ無償で行われるべき。Currikiでは、サンで培ったオープンソース化に関するノウハウを生かし、貢献したい。日本の皆さんにもぜひご協力いただきたい」とCurrikiプロジェクトの重要性を訴えた。
地球環境を考慮したグリッド提案が評価
マクニーリ氏の講演後、グリッド協議会によるサンへの「Grid World 2006/Good Exhibit Award」の表彰が行われた。グリッド協議会のメンバーであるサンは、今年5月に開催された「Grid World 2006」に出展。消費電力量を抑え、地球環境を考慮したITコンセプト「エコ・グリッド」を披露した展示内容が評価され、ユニークな出展者を表彰するGood Exhibit Awardを受賞した。
グリッド協議会の会長で、産業技術総合研究所でグリッド研究センター長を務める関口智嗣氏は、表彰盾の授与に際し、「サンのエコ・グリッドは、まさにグリッド協議会が目指している“地球に優しいIT”というコンセプトを実現したもの。すばらしい展示だった」と述べた。
| グリッド協議会の会長、関口智嗣氏(左)とマクニーリ氏。 |
(大川 亮/Computerworld)

