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[米国]
ベンチャー投資家が注目する「SaaSの優位性」とは
(2006年12月21日)
IT業界全体で見るとソフトウェア企業への投資は減少傾向にある。しかし、ベンチャー投資家たちは、近い将来にSaaS(Software as a Service)ビジネスが成長すると予測し、積極的な投資に乗り出しつつあるようだ。
SaaSとは、企業が遠隔地からインターネットを経由してアプリケーションにアクセスする仕組みを提供するビジネス・モデルであり、料金の支払いサイクルは月額単位で設定されることが多い。
ニューヨークに本拠を置くインサイト・ベンチャー・パートナーズの創立者であり、代表取締役も務めるジェフ・ホーリング氏は、SaaSを導入する利点を次のように解説する。
| NVCA(ベンチャー投資家協会)の「MoneyTree Report」は、Web上に公開されている
http://www.pwcmoneytree.com/moneytree/index.jsp |
「SaaSの利点は、パッケージ・ソフトウェア製品よりもコスト・パフォーマンスがすぐれていることだ。導入企業は収入の見通しが立てやすく、研究開発コストも抑えられる。ビジネスを成功させるためには、パッケージ・ソフトウェアを導入するよりも、SaaSのビジネス・モデルを選択すべきだ」
プライスウォーターハウスクーパースとNVCA(ベンチャー投資家協会)がまとめたベンチャー投資動向調査報告書「MoneyTree Report」によると、2006年第3四半期のソフトウェア事業に対する投資額は、2006年第2四半期よりも19%も下落しており、ソフトウェア契約数も過去10年で最も低い水準にとどまったという。
ホーリング氏をはじめとする多くのベンチャー投資家は、SaaSモデルを提供している企業に比べ、エンタープライズ・ソフトウェア・アプリケーションの販売を核としている企業は、今後成功する可能性が低いと予想している。
「経験則から言えば、フォーチュン500に入る企業に複雑なアプリケーション・ソフトウェアを購入させることは困難だ」(ホーリング氏)
カリフォルニア州メンローパークに本拠を置くファンデーション・キャピタルのゼネラル・パートナー、ウォレン・ワイス氏も、パッケージ・ソフトウェア・アプリケーションを主力商品としている企業への投資には二の足を踏むと胸の内を明かす。
そうしたソフトウェア事業の低迷を尻目に注目を集めているのが、SaaSビジネスだ。前出のワイス氏も、「大手システム・インテグレーターとの契約を望まない企業を取り込むことができるSaaSモデルには、投資対象としての魅力を感じる」と評価する。
すでにワイス氏は、SaaSビジネスを展開している10社以上の企業に投資しており、それらの企業はいずれも順調に成長を遂げているという。ワイス氏は今後もSaaSビジネスを展開する企業に対し、積極的に投資を行っていきたいと抱負を語る。
ワイス氏は、SaaSが注目されている理由について、小規模企業でも大規模企業と同等のIT機能を利用できる点を強調する。
「中小の企業が大手の競合企業と対等に戦っていくための下地が、SaaSによって構築できる」(ワイス氏)
同社では今後、インターネット・インフラストラクチャ分野に注目し、同インフラを利用してソフトウェア、セキュリティ機能、ストレージ・ソフトウェア、ミドルウェア・インテグレーション、ネットワーキング・ソフトウェアを提供する企業に対し、積極的に投資する計画だという。
前出のホーリング氏も、特にインフラストラクチャ・ソフトウェアは今後成長すると断言する。
「従来の販売モデルはインターネットの普及により激変しつつある。ベンチャー投資家としてそれを見逃すわけにはいかない」(ホーリング氏)
(ジョン・ブロドキン/Network World 米国版)
- NVCA(ベンチャー投資家協会)
- http://www.nvca.org/
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