【 ここから本文 】
ソフトウェア&サービス
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[世界]
IBM、SOAアプローチを共有・普及するセンターを世界8カ所に設置
(2007年01月15日)
米国IBMは1月15日、情報システム開発を効率化するSOA(サービス指向アーキテクチャ)アプローチに関する専門知識を蓄積するSOAリーダーシップ・センターを世界8カ所に開設する計画を発表した。日本でも今年4月までにはオープンする見通しだ。
IBMのバイスプレジデントで、SOA先端技術担当CTO(最高技術責任者)を務めるジェーソン・ウェイサー氏は、SOAリーダーシップ・センターの開設について、顧客の要望にこたえるものだと説明している。
すでに同社は、再利用可能なWebサービス・ベースの特定業界向けシステムの開発を支援するセンターを中国とインドに開設しているが、SOAに関する教育および訓練についていっそうの支援を求める声がユーザーから寄せられていたという。
SOAは、企業が再利用可能な技術を使って情報システムを開発、管理するための手段だが、ビジネス部門の人々にSOAの考え方を理解してもらうのに苦労しているIT部門も少なくない。SOAリーダーシップ・センターには、ユーザーを訪問し、SOAの導入によって得られるビジネス上の利益について説明したり、個々の組織に対応する具体的な実証ポイントを作成したりするSOA概念実証(POC)チームも設置されることになっている。
ウェイサー氏によると、他のテクノロジーと同様、ビジネス部門のユーザーは、SOAが「一時的に成功するが、あとが続かない」といった不完全な技術ではないという保証を求めており、このアプローチが自分たちの組織内で有効に機能することを実質的に確認する必要性も感じているという。
同氏は、ビジネス部門の視点から見ると、SOAはSF映画『マトリックス』に出てくる想像上のスプーンのようなものであり、実際には「スプーンは実在しない」と指摘する。SOAは、作業を効率化するための洗練された手段であり、決してテクノロジーがビジネス遂行の障害になることはない。
SOAリーダーシップ・センターは、各地の大学と緊密に連携し、SOA開発に関する教育課程の開講についても提言することになっている。SOAに関する専門知識の“受け皿”を用意し、世界各地にSOAの開発に取り組む有能なスタッフを配置するというのが、その基本的なねらいだ。
先陣を切ってオープンするセンターは、アラブ首長国連邦(UAE)が運営する情報技術パークのドバイ・インターネット・シティに設置される。センターの誘致は、ドバイの政府当局がIBMに要請したもので、同社は、ドバイ、UAE、サウジアラビア政府と緊密に協力しながらセンターの開設に向けた作業を進めている。
センターの実質的な運用は、すでに始まっているが、施設が正式にオープンするのは、3月半ばになる予定だ。スタッフは26人で、半数はIBM、残りの半数は同社のパートナー企業から派遣されることになっている。
もう1つのセンターは、フランスのラゴードに3月または4月に開設される予定であり、電気通信をはじめとする同国のさまざまな業界とIBMとの連携の成果とされている。
また、ブラジルでも所在地は未定だが、すでに政府や、銀行/金融業界のIBMパートナーから支持を取り付けている。
IBMは、このほかに、オーストラリア、中国(北京と上海)、中央ヨーロッパ(ルーマニアかチェコ共和国になる可能性が高い)などに設置する見通しで、大半のセンターを6月末までにオープンさせたい意向だ。
技術としてのSOAの現状について問われたウェイサー氏は、「まだ幼児期だが、今後急速に成長するはずだ。1〜2年後には、独り立ちできるようになるだろう」と回答した。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

