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[米国]
【インタビュー】
グーグルのトップ・エンジニアが語る「Google Groups」の将来構想
共有機能の強化は大規模サービス改革の始まりにすぎない
(2007年01月30日)
6年前にサービスが開始されたグーグルのオンライン・ディスカッション・フォーラム「Google Groups」は、スタート当初には一定の注目を集めた。しかし、今日では、Wikiやブログ、さらにはSNSなど、いわゆる「Web 2.0的なサービス」の発展と隆盛の影に隠れ、その存在感が希薄になっている。またそれに伴い、「Google Groupsは、もはや時代遅れのサービス」と揶揄されるケースも増えているようだ。そうしたGoogle Groupsは今後どのような方向に進もうとしているのか、グーグルのGroups担当エンジニアリング・マネジャー、アンドリュー・ザエスケ氏に聞いた。
――グーグルがデジャ・ドットコム(Deja.com)を買収し、 Google Groups(以下、「Groups」と略す)を立ち上げたのは、6年も前のことだ。また、Deja.comが、ディスカッション・フォーラムのサービスを始動させたのは、インターネットの黎明期に近い1995年にさかのぼる。それから今日に至るまで、Groupsのサービスには、これといった大きな変化はなく、多くのユーザーがブログやWiki、SNSといった他の新しいサービスに流れている。Groupsはもはや時代遅れのサービスではないのか。
われわれは、そうは思っていないし、Groupsをいわゆる“窓際のサービス”として隅に追いやろうとも考えていない。
実際、最近も、Groupsのユーザー・インタフェースを再設計し、Webページを作成・編集したり、ファイルをアップロードしたり、共有したりするための新機能を追加した。しかも、これらの機能強化は、大規模なサービス改革の始まりにすぎないのだ。
――では、そうした機能強化は、どのような構想に基づくものなのか。
われわれが目指しているのは、ディスカッション・フォーラムの従来イメージを超越した新しいコミュニケーション/コラボレーション(協業)の世界を、Groups上に創出することだ。それに向けて、われわれは現在、今日のWeb上で起きている革新的な変化・進化をさまざまに取り込み、Groupsを通じたユーザー同士のディスカッションをより完全なものにしようと考えている。
――そうは言っても、ディスカッション・フォーラムという形態自体が、近い将来、時代遅れになる可能性もあると思うが。
ディスカッション・フォーラム自体が、時代遅れになることは決してないと思う。
確かに、WikiやSNS、ブログといったサービスが人気を博してはいる。ただし、ディスカッション・フォーラムは、これらと競合するサービスではなく、ある意味で、これらのサービスの一部、ないしそれらを補完するサービスとして機能するものだ。
しかも、Groupsなどで展開されるディスカッションは、公的に検索可能な情報ソースであり、それらの情報ソースは、特定分野の専門知識を欲するユーザーにとって、きわめて有用であり、今後もそうあり続けるだろう。
加えて、われわれは、GroupsにWebページの作成機能や、フォーラムの外見を(ユーザーが)自在に変えられる機能を追加した。
これにより、Groupsは、単なるディスカッション・フォーラムの枠組みを超えたサービスとして、ユーザーに広く受け入れられるに違いない。
ともあれ、われわれの1つのゴールは、さまざまな人が、Groups上で各自の知識・アイデアを出し合い、共有しながら、クリエイティブな作業を行えるようにすることだ。
いわば、Groupsは今後、“進化するグループウェア・サービス”へと変容していくことになる。もちろん、優れたディスカッション・サービスは今後も提供していくが、それに加えて、Groupsでは、ユーザー間の「共同作業」や、意見・アイデアの「表現方法」、および「コンテンツ作成」といった面で、いっそう洗練された機能/サービスが提供されていくことになる。
――そうした機能強化の過程で、Groupsにブログ的な機能が統合されることはないのか。
Groupsに必要だと思われる機能は、ありとあらゆるものを取り込んでいくつもりだ。これは当社の将来計画にかかわることなので、今の段階で、ブログ機能をGroupsに追加するとは明言できない。ただし、私個人は、ブログ機能はGroupsにとって非常に有用であり、この機能をGroupsに加えるのは、きわめて自然な流れだと考えている。
――Wikiの機能についてはどうか。
実のところ、Wikiの機能はGroupsにすでに取り込まれている。例えば、今回の機能強化でGroupsでは、Webページを作成したり、共同でWebページを変更・編集したり、それを基にディスカッションを行ったり、さらには、グループ単位でWebページに対するアクセス権を設定したりすることが可能になった。これらは、Wikiの機能にほかならない。
メディアの方は、すぐに“バズワード”に反応するが、世の中には、「Wiki」という用語を知らない人も少なくない。そのため、われわれは今回、あえて「Wikiの機能を統合した」とは言わなかったのだ。
――ところで、Groupsの現在の人気はどうなのか。その指標となる数値があれば教えてほしい。
残念ながら、(Groupsの活用状況を示す)具体的な数値は公表できない。ただし、われわれがGroupsの改良に積極的であることが、Groupsの人気が高まっている1つの証明であるとご理解いただきたい。つまり、Groupsのディスカッションは、きわめて多くのユーザーにとって、有益な情報ソースとして活用されているのだ。
――グーグルは最近、Wikiサービス・プロバイダーのジョットスポット(JotSpot)を買収した。JotSpotとGroupsとの相乗効果はあるのか。
その点については、非常に期待している。JotSpotは、Groupsに似た実にすばらしいサービスを提供している。この両者がグーグルの下でいっしょになることで、きわめて大きな相乗効果が発揮されると考えている。
――グーグルでは、「Google Docs & Spreadsheets」を通じて、ワープロや表計算(スプレッドシート)の機能をオンラインで提供しているが、それらの機能を、Groupsに組み込む計画はないのか。
私個人としては、それらの機能がGroupsに融合されれば、実にすばらしいサービスが出来上がると考えている。ただし、その点についての具体的な言及は、現時点では避けたい。
ともあれ、Groupsは、ユーザー同士のコラボレーション(協業)を活性化させる数多くの機能を有しているが、Google Docs & Spreadsheetsが実現するコラボレーション機能は、それらとは若干異質なものだ。われわれは、そうした機能をどう融合させるのが適切なのかについて、常に検討を重ねている。
――グーグルでは、共同創設者の1人であるサージィー・ブリン氏の意向により、製品/サービス・メニューの簡略化と統合・強化が、全社的な方針として設定されている。その方針の下、Groupsは、他のサービスを束ねる包括的なサービスとして位置づけられるのか。
それは難しい質問だね。これは私見だが、グーグルにとって、コラボレーションというサービスの領域は、きわめて重要なカテゴリーだと思う。また同様に、ユーザーによるコンテンツ作成を活性化することも、われわれにとって大切なことだ。ただし、そのためのサービスを、今後どうやってまとめていくかについては、社外秘の情報であって、公言は避けたい。不親切なようだが、“ノー・コメント”ということで、許してほしい。
(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

