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[米国]
マイクロソフト、音声検索サービス企業のテルミー・ネットワークスを買収

統合コミュニケーション製品群を拡充へ

(2007年03月15日)

 米国マイクロソフトは3月14日、かねてからうわさされていたとおり、音声検索サービス企業のテルミー・ネットワークスを買収することを発表した。買収金額は明らかにしていない。

 3月12日付けのウォール・ストリート・ジャーナル紙は、マイクロソフトが株式非公開企業のテルミーを約8億ドルで買収すると報じていた。この報道に対し、マイクロソフトおよびテルミーの幹部は、記者会見で契約金額を尋ねられたものの詳細を明かすことは拒否した。

 マイクロソフトのビジネス部門プレジデント、ジェフ・レイクス氏は、14日に記者会見を開き、「われわれは音声技術を、コンピューティングの可能性を花開かせる普遍的かつ希有な機能だと考えている。テルミーが有する技術は、マイクロソフトの統合コミュニケーション製品群を拡充し、われわれの『Software plus Service』構想に大いに役立つだろう」と述べた。

 「Netscape」ブラウザの製品マネジャーを務めていたアンガス・デイビス氏を含む、旧ネットスケープ・コミュニケーションズの幹部2名が1999年に設立したテルミーは、音声認識技術と、インターネット上の情報を音声で検索できるサービスのベンダーとして知られている。

 テルミーはそのほか、音声駆動式番号案内技術も提供しており、現在はテキスト・メッセージングを介してWebデータを取得するサービスをテスト中だという。同社の顧客には、AT&Tやベライゾン・コミュニケーションズ、メリル・リンチ、フェデックスなどが含まれ、1年間に扱う通話数は数十億件に上っている。

 マイクロソフトのレイクス氏は、同社ビジネス部門以外にも好影響が及ぶという点で、テルミーの買収には大きな意義があると強調する。「検索やモバイル部門をはじめ、多数の事業が恩恵を得るはずだ」(同氏)

 レイクス氏はさらに、テルミーのサービスが、顧客の施設ではなく同社のデータセンターを経由して配信される点に最も魅力を感じたと強調、同社のホステッド・プラットフォームを高く評価していると述べた。

 「テルミーのホステッド・プラットフォームは、世界ナンバー1と言っても過言ではないほど最高だ。同社が開発してきた音声認識技術は、マイクロソフトの同技術を大幅に向上させるだろう。そして、そうした技術をわれわれのパートナーが活用するようになれば、エンタープライズIVR(Interactive Voice Recognition)の利便性も高まるはずだ」(レイクス氏)

 現時点でマイクロソフトは、テルミーの買収がどのような製品の提供につながるのかは明らかにしていない。ただ、契約締結が順調に進めば、90日以内にはそれらの全貌が見えてくると思われる。独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)に対しては、今後数カ月のうちに、テルミー/マイクロソフト製品の開発ロードマップが提供される予定だ。

 レイクス氏によると、テルミーの主要エンジニアとマイクロソフトの開発チームを協力させ、統合コミュニケーション・サーバ「Office Communications Server 2007」などを改良して、まったく新しい製品を作るつもりだという。

 今回のテルミー買収に関して、ディレクションズ・オン・マイクロソフトのアナリスト、ピーター・ポーラック氏は、マイクロソフトのねらいは検索分野のポートフォリオを充実させることだと指摘する。しかし、例えば携帯電話向けの地域検索に音声認識機能を追加したとしても、Web検索市場におけるグーグルの圧倒的優位を覆すのは難しく、増収も容易には見込めないのではないかと、同氏は語る。

 昨年5月、マイクロソフトのCEO(最高経営責任者)であるスティーブ・バルマー氏は、マイクロソフトがグーグルを打ち負かすことのできる分野として地域検索を挙げていた。同氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、「地域検索分野でのグーグルとの戦いは、携帯電話サービスがメインとなるだろう」と語っている。

 ポーラック氏によると、テルミーの買収は、マイクロソフトが企業買収に際して常に念頭に置いている2つの条件を満たしているという。「1つ目の条件は、マイクロソフトがサポートしていないLinuxのようなプラットフォームがかかわっていないこと。テルミーはサービス・ベンダーなので、これは問題にならない。2つ目は、取得対象となる企業の市場価格が極端に高くないことだ」(同氏)

 だが、マイクロソフトにとって何より意味があるのは、テルミーの買収により、1トランザクションごとに料金が支払われるビジネスを自分のものにできる点ではないだろうか。テルミーのCEOであるマイク・マクキュー氏は、「当社は年間数十億件の通話を処理しており、すべての通話に対して料金を徴収している」と、記者会見の席上で述べていた。

(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)






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