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[米国]
HP、企業のSOA導入を支援するソフト/サービスを発表

プロトタイプからメインストリームへの移行を強力に支援

(2007年05月23日)

 米国ヒューレット・パーカード(HP)は5月21日、企業のSOA(サービス指向アーキテクチャ)導入を支援するソフトウェアとサービスを発表した。ソフトウェアのほとんどは同社が昨年買収したマーキュリー・インタラクティブから引き継いだものだ。

 HPのエグゼクティブ・バイスプレジデント、アン・リバーモア氏は、同社のオンライン・プレゼンテーションで、「SOAはプロトタイプの段階からメインストリームへと移行する時期に来ている」と力説している。

 とはいえ、SOAの概念はまだ万人に受け入れられていると言い難い。SOAは、種類の異なるソフトウェアをサービス・モジュールとして緩やかに結合するためのアーキテクチャであり、企業にとっては、Webコマースやコールセンターの運営、従業員の福利厚生などのさまざまなサービスで共通の設計要素を再使用できるところに利点がある。

 ザップシンクのシニア・アナリスト、ロナルド・シュメルザー氏は、SOAの概念について混乱が生じた際には、言葉を逆にして“AOS”と読むようにしているという。「サービスに向けてのアーキテクチャ(Architecture Oriented towards Services)と考えればわかりやすい」と同氏はアドバイスする。

 シュメルザー氏は、今回のHPの発表について、45億ドルで買収したマーキュリーの製品とHP製品を再編・統合した事業戦略の第1弾と見ている。マーキュリーはHPに買収されるまで、SOAガバナンスとライフサイクル・マネジメントのソフトウェアを開発するシスティネットを買収するなど、ビジネス最適化ソフトウェアの開発・提供に取り組んでいた。

 今回発表されたソフトウェア/サービスは大きく次の3つに分類することができる。

【ガバナンス】 ライフサイクルを通じてそれぞれのサービスのポリシーを管理できる「SOA Systinet 2.51」を利用することにより、サービスの再使用が容易になり、新しいサービスを作るたびに一から作り直す必要がなくなる
【クオリティ】 新サービスを展開する前に入念なテストを実施できる「HP Change Impact Testing」および「HP Business Process Testing」
【マネジメント】 展開したサービスをモニタリングし、運用管理するための「HP Business Availability Center」(HPのサービス部門からSOAのベスト・プラクティスも提供される)

 トムソン・フィナンシャルでは、金融サービス業界に情報提供するために、HPのSOAソリューションを使っている。同社の製品管理担当バイスプレジデント、ウラディミール・ミテフスキ氏によると、当初はSOAの概念をマネジャーに説明するのに苦労したという。「SOAを説明しようとしても、混乱するばかりだった」と同氏は振り返る。

 そこで同氏は、「SOAを導入することで、1人が1つのサービスの展開に専念できるうえ、数週間ではなく数時間のレンジで新たなサービスを提供できる」というメリットを説明することによって、ようやくROI(投資効果)の大きさを理解してもらったという。

 一方、ミネソタ州アノーカ・ヘネピン学区のテクノロジー/インフォメーション・サービス担当ディレクター、パトリック・プラント氏は、生徒や親、スタッフにWebベースのサービスを提供するためにSOAを利用している。

 同学区のポータルでは、生徒が宿題を確認したり、親が子どもの学費を支払ったり、教師が共同で仕事を進めたりすることができる。また、不動産会社のサービスと連携して、どの物件がどの学校から近いのかすぐにわかるようにしているという。

 HPのライバルであるIBMもSOA構築支援に力を注いでいる。IBMは5月21日、オーランドで開催した自社イベントで、ITプロフェッショナル向けのSOA認定プログラムを発表した。専用のオンライン・ポータルには、SOAに関する一般情報と、IBMのSOAソフトウェア/サービスがまとめられている。

 シュメルザー氏は、HPがミドルウェア部門を持たないことから、SOAの分野ではIBMのほうが有利だと見る。HPはSOAの展開を管理するためのソフトウェアとコンサルティングを提供することはできても、ミドルウェア・ベンダーと提携しないかぎり、実際にSOAベースのサービスの構築・運用を支援することはできないというのである。

 しかし、HPは自らをミドルウェア・ベンダーではなくマネジメント・ベンダーと位置づけることによって強みを発揮しようとしている。バートン・グループのバイスプレジデント兼リサーチ担当ディレクター、アン・トーマス・メインズ氏は、「(HPは)ミドルウェア・ベンダーになる気はまったくない」と断言する。

 これとは対照的に、IBMは自社のSOA製品にミドルウェアを緊密にバンドルしようとしている。これについては、さまざまなベンダーのハードウェアやソフトウェアを利用しつつあるデータセンターのトレンドに対し、逆方向に向かっているとの見方もある。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)






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