【 ここから本文 】
ソフトウェア&サービス
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[英国]
“戦略”重視の「ITIL Version 3」が正式リリース
サービス中心の「ライフサイクル・アプローチ」を採用
(2007年06月05日)
英国政府は、IT管理・運用業務のベストプラクティスをまとめたフレームワークの新バージョン「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)Version 3」の書籍版をリリースした。電子版もまもなく提供される。
ITIL Version 3は、従来バージョンに比べて戦略的なガイダンスが多く盛り込まれている。策定に携わった筆者らによると、サービスを中核に据えた「ライフサイクル・アプローチ」の概念を採用しているという。新バージョンの策定作業は2004年から開始され、10人の専門家が携わった。
ITILは、英国出版局(TSO:The Stationary Office)が発行し、英国商務局(OGC:Office of Government Commerce)が提供する。Version 3の書籍版は全5冊で構成される。ちなみに、Version 2は9冊で構成されていた。
カナダのITサービス管理コンサルティング会社、アスペクト・グループの社長でITILのチーフ・アーキテクトを務めるシャロン・テイラー氏は、「ITIL V3は、IT組織がITサービスを企業内に配備する方法や、ITサービスを効率的に配備するためのプロセスに重点を置いている」と説明する。
米国ガートナーのITサービス・マネジメント担当リサーチ・バイスプレジデント、エド・ホルブ氏も、テイラー氏と同様の見解を持つ。
「今回のバージョンは、個々の運用プロセスを改善する戦術ではなく、むしろ戦略にフォーカスしている。インフラの運用を担当する現場レベルのITスタッフではなくCIO層を引きつけるはずだ。(ITIL Version3は)ITサービスのベストプラクティス・ガイダンスのデファクト・スタンダードとして認知されるだろう」(ホルブ氏)
ガートナーはITILの普及について、2010年までに従業員数1,000人未満の企業の30%に浸透し、従業員数1,000人以上の規模の企業の60%で実践されると予想している。
ちなみに、ITIL Version2の「ファウンデーション・レベル」認定試験にパスした人は、Version 3でもその資格はそのまま維持されるという。
ガートナーでは今年後半にVersion 3コースに移行する見込みで、ベンダーやトレーナーらも同バージョンに迅速に対応すると見られる。
なお、ITIL Version 2の導入に成功した企業としては、米国のJPモルガン・チェイス、ブリガム・ヤング大学、日本のトヨタフィナンシャル証券などの名前が挙げられている 。
発行元のTSOによると、Version 3の電子版もまもなく提供される予定で、今夏中には追加資料も提供されるという。
ITIL Version 3の主な内容は以下のとおりだ。
●サービス戦略(Service Strategy):事業目標に準じたITの役割と要件
●サービス設計(Service Design):効率的でコスト効果の高い戦略に即したプロセス
●サービス移管(Service Transition):アジリティ(俊敏性)のテスト、リスク緩和、IT部門によるビジネス・ニーズへの迅速な対応についてのガイダンスを含む「チェンジ・マネジメント」の詳細
●サービス運営(Service Operation):効果的なプロセスの開発および管理
●サービスの継続的向上(Continual Service Improvement):各種ITサービスのコストおよび品質の測定について
(Techworld.com)
- 英国出版局(TSO:The Stationary Office)
- http://www.tso.co.uk/
- 英国商務局(OGC:Office of Government Commerce)
- http://www.ogc.gov.uk/
- 「ITIL」の公式サイト
- http://www.itil.co.uk/
[英国]英国商務局、「ITIL Version 3」を今週リリースへ

2001年以来のメジャー・アップグレード
TCO削減に加えコンプライアンス/セキュリティ対策にも有効
【インタビュー】ITIL執筆者のブライアン・ジョンソン氏、「ITIL導入の成否は、ITとビジネスの双方に対してメリットをもたらす仕組みを作れるかどうかで決まる」




