THE NETWORK ROADMAP 2008 FALL 2008年9月10日 開催




【 ここから本文 】

ITIL/運用管理

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示



ITマネジャーがITILの導入を躊躇する10の理由

運用効率の向上とサービス管理の強化を約束するITILに、彼らが飛びつかないのはなぜ?

(2007年11月06日)

米国においては、欧州や日本に比べると、「ITIL」(Information Technology Infrastructure Library)への取り組みが少々遅れていた感がある。だが、ここにきてブームに火がつき、トップダウンでのITIL導入が急速に進もうとしている。その一方で、こうした状況の変化に直面したITマネジャーならびにIT部門の中には、ITILの導入を巡ってさまざまな不安にさいなまれる人も出てきた。本稿では、そうした不安の正体を明らかにするとともに、それを払拭する方法を提示することにしたい。

デニス・ドゥビー
Network World 米国版

 企業のITマネジャーにとって、「ITIL」(Information Technology Infrastructure Library)に収められた(IT運用管理業務の)ベスト・プラクティスの導入は、数年がかりの大プロジェクトとなる。そして、プロジェクトが始まれば、進捗状況などに関して経営陣の厳しい監視を受けるばかりか、プロジェクトがもたらす変化に抵抗感を抱く人々とも、否応なしに接しなければならなくなるのだ。

 ITILの専門家と業界観測筋によれば、そもそもITILに対するスタッフの抵抗感は“不安”から来ているという。そのため、企業が、ITILのメリットと課題をきちんと説明し、彼らの不安を払拭する努力を怠らなければ、ベスト・プラクティスをスムーズかつ迅速に実装することは十分に可能だというのである。

 ちなみに、不安の源をたどると、標準プロセスを軸にIT運営を再整備するということ自体に納得がいかないITIL不賛成派の憤懣や、ようやく「ITIL Version 2」でITILの導入を開始したところに、最新版の「ITIL Version 3」が(今年5月)公開されたことによって噴き出したITマネジャーたちの混乱などが入り交じっているようだ。

 米国フォレスター・リサーチのシニア・アナリスト、イヴリン・ハバート氏は、こうした不安や混乱がわき上がることになった背景を、同社の10月のリポートの中で次のように分析している。

 「ITILフレームワークはここ数年過渡期に入っているため、さまざまな問題を巡って憶測が飛び交っている。また、米国では欧州に追随しようと必死になってITILの導入を進めているが、インフラ/運用管理プロフェッショナルたちの多くが、まだすべてを把握するには至っていないようだ」

 こうした不安や混乱を緩和するために、本稿では、米国コンピュウェアの製品マーケティング・マネジャーでITILの専門家でもあるリン・ホー氏の力を借りて、10の不安をピックアップするとともに、そうした不安を払拭するための方法を提示してみたい。

 ホー氏は、ITIL Version 3にレビュアーとして参加、またITILの推進団体である英国itSMFで書籍『Six Sigma for IT Management』の共同執筆にも携わった。同氏は、現在、業界全体がITILにまつわる混乱を鎮める方向に動き出しつつあると見ている。

 以下、ホー氏をはじめとするITIL支持者が顧客企業のIT部門等で見いだしたITILに関する不安を10項目に整理し、その解消法を紹介することにしよう。

【1】変化

 変化に対する不安は、IT部門に限らず、あらゆる部門、いやそれどころか生活や仕事のあらゆる場面で生じるものだ。では、IT部門(でITILを導入するとき)の変化に対する不安には、どういった特性があるのだろうか。

 ホー氏によれば、多くのITスタッフが恐れているのは、ITILを導入することによってIT部門の存在価値があいまいになり、自分たちの仕事の重要性が損なわれることだという。

 しかしながら、ITILは確かにIT部門に大きな変革をもたらしはするが、一方で、「プロセス・オーナー」や「チェンジ・マネジャー」といった新たなポストを生むものでもあるのだ。よって、上のようなITスタッフの不安は的外れであると言える。とはいえ、カルチャーの一大変革を前にしてITスタッフがしり込みすることは十分に考慮に入れておくべきだと、ホー氏はITマネジャーにアドバイスする。

 「ITILを導入するにあたっては、目標についてスタッフと管理職とが常に話し合うようにしておくことが大切だ。それ自体が、綿密に監視すべき重要な変更管理(チェンジ・マネジメント)プロセスにほかならないと考えなければならない」(同氏)

【2】測定

 ITILはトップダウンによって導入されることが多い。そのため、IT部門は、経営陣から常に監視されることになるのではないかとの不安を抱く。では、経営陣はなぜITILの導入に積極的なのだろうか。それは、ITILがプロセスに“効率性”をもたらすからだ。

 となると、IT部門には、効率性が向上したことを証明するために、ITIL導入前と導入後のプロセスの効率性を測定する必要があることになる。

 「ITILでは、サービス品質を測定し報告する必要性が唱えられている。IT部門は常に監視されているという状況に不安を覚えるだろうが、測定が可能になるメリットも認識すべきだ」(ホー氏)

 例えば、サービスの品質を測定/報告することが可能になれば、期待されるITサービスを提供していることを顧客に証明するための手段が得られる。そして、サービスが実際に向上すれば、IT部門は自分たちの努力と改善を経営陣にアピールして報奨金を勝ち取ることもできるわけだ。

 「(IT部門と経営陣が)互いに数量化に合意すれば、会社全体がIT部門がもたらす価値への理解を深めるようになるとともに、IT部門が必要とするリソースを快く提供してくれるようにもなるだろう」(同氏)

【3】プロセスの限界

 ITILによって硬直的なプロセスが設けられるようなことがあれば、ITがその元凶だと目されるようになるのではないか、ということに対して不安を募らせる人もいる。だが、ホー氏は「ITILは各プロセスにおいて柔軟性を有し、さまざまな要素を組み合わせるミックス・アンド・マッチ形式のモデルを基盤としているため、企業はそれぞれの環境に合わせたプロセスを構築できる」と主張している。


 |12 > 次のページへ



▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

インフォリスクマネージのマネージドホスティング導入事例

「2カ月以内に3社のシステム統合を完遂せよ」――難題に応えたのはマネージドホスティング

“ビジネス変化への俊敏な対応”を地で行ったユーザー事例に学ぶ

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

運用管理ソリューション

現場のニーズにこたえ続ける、定番の統合システム運用管理ソフト

内部統制を支援し、企業をさらに強く進化させる日立の「JP1 Version 8」

ITILを知り尽くしたプロフェッショナルが提供する“運用管理の最適解”

ユーザー企業の“運用改革”を強力に支援するDENSAのITILコンサルテーション&運用サービス

ビジネスPCの“新標準”「vPro」に対応し、PCの安定運用とセキュリティ強化を実現

クライアント管理の諸課題を解決するデルの企業向けデスクトップPC「OptiPlex 755」

キャッチアップ

データセンター管理のキーワードは「ITIL」と「自動化」――2つの調査に見るユーザー意識の高まり

「いずれも効率的なIT環境の実現に貢献」とアナリストが指摘

高まるプロジェクト管理への関心、IT予算額の減少が一因

実践にはビジネス部門とIT部門の連携が不可欠

ITIL採用の陰に潜む“習熟度”の問題――CIOへの調査結果で明らかに

多くのCIOがスキル不足を懸念。「ITILを本格的に実践」との回答は米国で10%未満

ITIL導入ユーザーの3分の1は3年以内に新版v3に移行

コンフィギュレーションやサービスデスクから着手すべき――専門家が指南

ITIL導入企業の7割が効果に「満足」

「きわめて重要」と考える企業は減少(2007年10月04日)

データセンターの管理に問題あり――5割近くが構成情報を把握せず

ITIL適用の遅れが一因

専門家がアドバイスするオフショアを成功に導く10の方法

自社に最適なオフショア・ベンダーを見つけだし、海外プロジェクトを円滑に進めるにはどうするべきか?

「ITILv3の最大の特徴はサービス・セントリックである」――ITIL“伝道師”のブライアン・ジョンソン氏

新版のポイントとCAが展開するITIL導入支援について語る

“戦略”重視の「ITIL Version 3」が正式リリース

サービス中心の「ライフサイクル・アプローチ」を採用

ITプロジェクトは「スピード最優先」の時代に

競争優位に立つために、2007年は投資の早期回収を目指せ

チェンジ・マネジメントの自動化を促進せよ──IT環境の変化に効率的に対応するために

現行プロセスを見直し、効率性・管理性・監査性を再検証する

セキュリティ強化にはどの標準/フレームワークが“適役”か

COBIT、ISO 27001、ITIL、SAS 70など

トレンド・フォーカス

BMC、ITIL v3準拠のサービス・リクエスト管理ソフト「SRM Ver. 2.2」を発表

「サービス・カタログ」の提供で、サービス・リクエストの進行プロセスを自動化(2008年03月25日)

日本HP、ITILv3準拠のITサービス管理ソフト「HP Service Manager 7.0 software」を発表

ITサービス管理分野の旧2製品を統合、ITILに沿ったワークフロー管理をサポート(2008年03月13日)

日立、システム運用管理ソフト「JP1」のグリーンIT対応を強化

PCの省電力一元管理機能などをサポート(2008年03月12日)

すぐれたITサービス・マネジメントを実現する5つの方法――CAが調査結果を基に提唱

世界のトップ企業に共通するベスト・プラクティス(2008年02月22日)

HP、BTO戦略を強化――IT運用管理の自動化で顧客の“コスト”を“投資”に変える

積極的に事業を展開する、HPソフトウェア部門の“次なる一手”とは(2007年12月18日)

HP、BTOポートフォリオに旧Opswareの運用自動化ソフトを追加

Opswareの元CEO、「BTO戦略の“要”の製品」とアピール(2007年11月27日)

SOX法のコンプライアンス──5年目の真実

ボーイングの教訓から適切な監査レベルを学び取れ(2007年08月16日)

EMCジャパン、統合運用管理ソフト「Smarts」の販売を開始

モデリング・ベースが特徴で、国外ではすでに3,000サイトの導入実績(2007年06月01日)

英国商務局、「ITIL Version 3」を今週リリースへ

2001年以来のメジャー・アップグレード(2007年05月30日)

ITガバナンス評価標準フレームワークの新版「COBIT 4.1」が公開

パフォーマンス測定基準の拡充やコントロール手法の改善など(2007年05月11日)

ユーザー企業で進む“ビジネス直結”のIT活用

課題は技術革新への対応(2007年05月10日)

IT部門が最も欲しいのはプロジェクト管理者

セキュリティ技術者、システム・アーキテクトにも高いニーズ(2007年03月12日)

データセンターを“サービス指向”で管理するSOMA

SOAにならい、管理オペレーションをサービスとして実装(2007年03月05日)

ITIL Version 3が5月にリリース

サービス・ライフサイクル・アプローチが機軸に(2007年02月26日)

Weekly Ranking

集計期間:08/31〜09/06



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国