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[米国] 【今週のウォール街】
IT業界の明るい兆しが投資家の不安を緩和

半導体業界で好転の兆候、大型買収の進展に投資家が沸く

(2008年04月11日)

 今週は半導体業界の明るいニュースが報じられたほか、Microsoft、Yahoo!、AOL、EMCといった米国大手IT企業が絡む新たなM&Aの動きが進展し、四半期決算発表シーズンを目前に控えたIT投資家の不安心理を和らげた。

 第1四半期の企業収益は、全般的に米国経済の鈍化を反映したものになると見られている。米国の金融サービス/ソリューション・ベンダー、Thomson Financialの集計によると、アナリストは、株価指数(S&P 500)に組み入れられている企業の損益が12%の減益になると予測している。

 しかし、この予測は半導体業界には当てはまらないかもしれない。多くのアナリストは、世界の半導体業界における3月の売上高が予想を上回ったことで、半導体在庫の縮小が進むと考えており、それが半導体業界にプラスに働くと見ている。

 今週、半導体業界で悪いニュースを発表したのは米国AMDだけに限られるようだ。同社は4月7日、コスト削減のために今後6カ月で10%の人員削減を行うと発表した。また、第1四半期の売上高見通しを、アナリスト予測(16億1,000万ドル)を下回る15億ドルに引き下げている(関連記事)。

 米国Banc of America Securitiesは、半導体在庫の減少を理由に米国の半導体業界に対する投資判断を引き上げた。この動きは4月10日、米国の主要株価指数の上昇に一役買った。米国Intel株は同日、66セント高の22ドル8セントで取り引きを終えている。

 今週は、IT分野におけるM&Aのニュースも投資家を沸かせた。大抵のIT投資家は、M&Aを明るい話題ととらえている。

 調査会社の米国The 451 Groupによると、第1四半期におけるIT企業のM&A活動は前年同期よりも振るわず、買収総額は前年同期比3%減の920億ドルだった。しかし、減少の大部分は、レバレッジド・バイアウト(借入金をてこにした買収)による買収案件の減少に起因していた。IT企業はここ数年の販売好調で、手元資金を潤沢に持っていると見られる。

 今週は、EMCが2億1,300万ドルで米国Iomegaを買収するというビッグ・ニュース(関連記事)や、Yahoo!への買収提案を巡るMicrosoftの新たな動きが報じられた(関連記事)。報道によると、Yahoo!はAOLとのインターネット事業の統合を米国Time Warnerに持ちかけており、MicrosoftはYahoo!の共同買収に向けて米国News Corpと協議中とされている。

 業界関係者の多くは、どんな形で決着がつくかにかかわらず、また、買収につきものの実務上の課題を考慮に入れても、Yahoo!の買収は同社の株主、そして最終的には買い手企業が潤ることになると見ている。実際、米国証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Yahoo!の最大株主である機関投資家Capital World Investorsは最近、出資額を実質的に倍増している。

 一方、インターネット企業の株価は今年に入って軒並み低調に推移しており、米国Citigroup Global Markets Equity Researchによると、米国Amazon.comは20%、オンライン・トラベル予約サイトの米国Expediaは24%、米国Googleは33%、それぞれ下落した。だが、各社の株価は十分割安な水準に入っており、きっかけがあれば反発すると見る投資家もいる。

 そんななか、今週はネット業界に追い風となるニュースがあった。米国Forrester Researchによる調査で、2007年に1,750億ドルだったオンライン小売販売の売上高が、2008年には2,040億ドルに伸びるとの見通しが示されたのだ。

 ナスダック総合指数は、第1四半期には2002年以来の低迷を示したが、4月に入って上向いている。上昇が定着するかどうかは、近々発表される各社の四半期決算にかかっていると言える。

(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)



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