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[米国] 【今週のウォール街】
IT企業の株価回復、「感謝祭」明けも期待薄

相次ぐ下方修正で好材料乏しく

(2008年11月28日)

 11月27日、米国は感謝祭(Thanksgiving Day)の休日を迎えた。疲れたIT投資家も一時休息である。だが今後、半導体や携帯電話などは売上高が落ち込む可能性が高く、株式市場に影を落としている景気低迷の雲が晴れるまでには時間がかかりそうだ。

 多くのIT企業が上場しているナスダック証券市場の11月26日の終値(総合株価指数)は1532で、前日よりも67ポイント(4.6%)上昇した。IT企業の株価が低迷していたことから、割安株を購入しようとする動きが投資家の間に広がった、と市場観測筋はみている。翌27日は米国証券市場はお休みで、28日は短時間だけ取り引きが行われる。

株価回復の材料は乏しい(写真はニューヨーク株式市場)

 26日の株式市場は一部の大手ITベンダー株が好調だった。ナスダック市場で特に株価が上昇したCisco Systemsの場合、26日の株価は5.2%上昇して16ドル23セントとなった。Appleの株価も4%近く上昇し、94ドル35セントをつけた。

 26日時点で、ナスダック総合株価指数は昨年11月の約半分の水準にとどまっている。ちなみに、2000年第1四半期には過去最高の5048に達した。その後、2002年第3四半期には1110まで下がったが、この動きはドットコム・バブル崩壊による景気の谷と一致している。

 2000年代初めごろの相場急落は、企業の成長減速だけでなく、実際のIT支出の縮小を反映したものだった。それに対して現在の状況は、全面的なIT支出の縮小までは至っていないと、ある市場観測筋は指摘する。

 米国の調査会社IDCのアナリスト、ガード・リトル(Gard Little)氏も、今週発表した調査リポートに、こう記している。「経済危機の影響でサービス市場における支出の成長率は予測期間全体を通じて鈍化するが、前回の景気減速期のようにサービス支出が縮小することはないだろう」

 しかし、一部の業界アナリストは、いくつかのセクタで成長見通しを下方修正している。

 例えば、調査会社Gartnerのアナリスト、カロリーナ・ミラネシ(Carolina Milanesi)氏は今週、携帯電話のセールスに関する調査リポートの中で、「2009年の販売量は(2008年の水準と比べ)数パーセントの成長収縮を示すと予想される」と述べている。

 上位機種への買い換え需要が低迷すると、広範な影響をIT市場に及ぼす可能性がある。携帯機器へのニーズがIT市場の成長を牽引してきた実績があるからだ。

 IT市場の一角を占めてきたオンライン商取引も不振にあえいでいる。調査会社comScoreは今週、11〜12月のクリスマス商戦時期における米国のオンライン小売支出について、今年は昨年と同水準にとどまるとの見通しを明らかにした。米国のオンライン小売支出は、10月は9%増となったが、11月は月初以来4%減少している。

 同様に、半導体市場も元気がない。米国Citigroupは今週、半導体セクタに関する見通しを下方修正した。半導体市場の2009年の売上高は前年比9.5%減、1株当たり利益(EPS)は同12.8%減になる、とCitigroupではみている。「見通しの下方修正は、末端需要の低迷、在庫縮小、サプライチェーンにおける資金難といった要因を反映したものだ」と、同社アナリストのグレン・ユン(Glen Yeung)氏は語った。なお、Citigroupの売上げ予測値は、AMD、Nvidia、Qualcommを含むチップ・メーカー9社の合計である。

 失業率上昇と金融逼迫――米国不動産市場の危機と、それに伴う投資銀行の破綻の結果――のため、一般消費者や企業の支出は技術セクタを含むあらゆる経済分野にわたって抑制されている。

 米国商務省が今週発表した、今年第3四半期の米国経済に関する改訂版リポートによると、第3四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で0.5%減少した。この改定値は、1カ月前のリポートのときの年率0.3%減(暫定値)よりも悪い数字となっている。

 もっとも、希望の兆しがまったくないわけではない。暗い話題が続くなか、今週発表されたHewlett-Packard(HP)の業績は明るいニュースとなった。

 HPは11月25日、2008会計年度第4四半期(2008年8-10月期)の売上高が前年同期比19%増の336億ドルとなり、利益も同13%増の26億ドルに拡大したと発表した(EDS買収による利得を含む)。

 しかし、この朗報にはただし書きがついている。為替レートの影響を除外し、EDSも結果から除くと、HPの売上高は前年同期比で2%増にすぎないのだ。

 いずれにせよ、状況がもっと好転しないかぎり、本格的な景気回復は望めそうにない。IT投資家が週末の休日をリラックスして過ごせるのは、早くても来年半ばになりそうである。

(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)






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