【 ここから本文 】
- TOP
- > News : トレンド
- >
トレンド
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[ポルトガル]
NATO幹部が世界情勢の安定化に向けたIT活用状況を披露
サイバー・ディフェンスの要諦は「NATO、国家、産業界の円滑な情報共有」
(2008年12月15日)
先週、NATO(North Atlantic Treaty Organization:北大西洋条約機構)に加盟している国の作戦責任者やITリーダーがリスボンに集まり、ITによってセキュリティおよび軍事活動の質を上げる方法を議論した。
| NCSA(NATO Communication Information Systems Services Agency)のディレクターを務めるウルリッチ・H・M・ウルフ中将(写真右)。同氏は、リスボンで開催された「Defense Leaders Forum」の基調講演で、NATOにおけるIT活用の状況を披露した |
NCSA(NATO Communication Information Systems Services Agency)、Microsoft、ポルトガル防衛省が共催した「Defense Leaders Forum」には、世界各国から250名以上の国防責任者が参加した。同イベントに集まったのは、NATO加盟国やNATOの活動を支援している国家の軍事およびITのリーダーたちである。ITがセキュリティと軍事活動を効率化する可能性や、組織間のコラボレーションならびに相互連携の方法などについて話し合われた。
NCSAのディレクターを務めるウルリッチ・H・M・ウルフ(General Ulrich H.M. Wolf)中将が基調講演を行い、「26か国におよぶ加盟国の複数の作戦において、コンピュータ・インフラやセキュリティの品質を一定に保つのはきわめて難しい」と語った。
同氏は、NATOが世界中で進めている現在の作戦では、NNEC(NATO Network Enabled Capability)を中心としたテクノロジーが重要な役割を担っていると強調した。NNECについては、「はるか遠い未来に実現するもの」ではなく、今日の軍事行動でも利用できる実際的なコンセプトだと、ウルフ氏は説明している。
事実、NNECの運用は始まっているという。「各国の首脳陣は、情報の優位性を得るための必須条件として、NNECプロジェクトを推進していく決意を固めている。すなわち、NATOはNNECを用いることで、情報および状況認識を仮想敵国よりすばやく行えるようになると考えられているのだ」(ウルフ氏)
NNECは、作戦の効率や作戦立案の適時性を向上するのにすでに一役買っている。兵士の命を救ったり、民間人を守ったりする任務をサポートするのがNNECの使命だ。完全にネットワークを中心としたプロジェクトであり、組織間のコラボレーション、システムおよび機関どうしの相互連携、シームレスな情報交換などを目的に掲げている。これらの目的を果たすためには、堅牢なセキュリティはもちろん、使いやすいインタフェースがきわめて重要になると、ウルフ氏は述べた。
「セキュリティは、同プロジェクトの最重要事項の1つである。NATOや各国家、産業界はここ数年で、頻発するサイバー犯罪の脅威にさらされるようになった。NCSAはNATO初のサイバー・ディフェンス部隊であり、今この瞬間もそうした脅威と激しい戦いを繰り広げている」(ウルフ氏)
同氏はさらに、「われわれの間にNNECが浸透すればするほど、敵はこれに侵入し、情報を盗み、あるいはアクセスを遮断しようという考えに駆られるはずだ」と語る。だからこそ、セキュリティが最優先課題となるのである。NCSAがSOA(サービス指向アーキテクチャ)の枠組みでプラグ・アンド・プレイ機能を追求するのであれば、なおさら重要だ。「各国がNATOの能力に信頼を置いてはじめて、自国のネットワークをNATOとリンクさせる気になる」とウルフ氏。
セキュリティおよび情報保証を確実にするには、最新のテクノロジーの採用に加えて、ユーザーの意識向上も必要になる。そうした点から見ると、NNECの活動はユーザーの訓練・教育と見ることもできる。「NNECが重視しているのは、何よりもまず人である。ユーザーを啓発し、特に機密情報の共有に積極的になってもらいたいと考えている」とウルフ氏は語る。
NNECプロジェクトを支えているのは、NATO、NATO加盟国(加盟はしていないが協力している国家を含む)、産業界の三本柱だ。また、NNECプロジェクトには、トップ・ダウン型のものとボトム・アップ型のものがある。
トップ・ダウン型プロジェクトでは、ポリシーやガバナンス、原則などが中心になる。それぞれの国のプロジェクトがNATOによるガバナンスの取り組みと合致しているかどうかは、各国が独自に責任を持つ。ボトム・アップ型とは、実際のITプロジェクトを指している。
情報を共有する場合は、国家および組織レベルで克服せねばならない課題がたくさん出てくる。そのため、NNECを制度として安定したものにするには、両方のアプローチが重要になる。とりわけサイバー・ディフェンスの分野では、一部のお役所的な手続きは省略し、NATO、国家、産業の三者が情報を円滑に共有できるようにしなければならない。
(Joao Campos/Computerworld ポルトガル版)
- ■ 新サービス ■ うっかり誤送信を防ぐ、メール専用ホスティングとは!?
- グローバル・ビジネスを成功に導くストレージ活用術とは?
- ★レガシーマイグレーションの真実★注目され、効果的である理由はこちら
- ■水戸発「旧Office製品やWindows資産をどう移行するか?」無料セミナー
- 30歳ITエンジニア、同じ経歴でも転職格差が生じるわけ
「情報セキュリティ分野での幅広い経験」に期待
[インド]ムンバイ南部テロ、実行犯は「Google Earth」を利用して逃走経路を確保か

「救援活動などにも役立つ」とグーグル弁解
[ロシア]反ロシア派の著名なWebジャーナリスト、当局に拘束され死亡

グルジアと接するイングーシ共和国で反体制サイトを運営
[中国]中国政府が米国へのハッキング疑惑を否定――「そんなに進んだ技術力はない」

「サイバー戦争を仕掛ける有効な技術力を確立済み」と米国国防省は反論
【インタビュー】“元ホワイトハウスCSO”ハワード・シュミット氏が語る「今、ここにあるセキュリティ危機」


プライバシーとセキュリティのバランス/RFIDパスポートの問題点/企業によるITワーカーの素行調査……

