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[米国]
【ITIF調査】
IT業界の刺激策で100万人の雇用を創出可能――米国のシンクタンクが提言
ブロードバンド/ヘルスIT/スマート・グリッドへの投資を議会に進言
(2009年01月08日)
米国のIT系シンクタンクが議会に対して、IT業界に300億ドルの予算を割り当てるよう求めている。そうすることで、100万人近くの雇用(半数以上は小規模企業)を創出、もしくは維持できるのだという。
| ITIFがまとめた3分野への投資額と効果(「The Digital Road to Recovery」より抜粋) |
景気後退が深刻化するなか、新大統領のバラク・オバマ(Barack Obama)氏が向こう2年間で総額7,750億ドルの景気刺激策を打ち出したことで、連邦政府の資金に大きな期待が寄せられている。
これを受け、米国の非営利シンクタンクThe Information Technology & Innovation Foundation(ITIF)は1月7日、「The Digital Road to Recovery: A Stimulus Plan to Create Jobs, Boost Productivity and Revitalize America」(景気回復に向けたデジタル・ロード:雇用創出と生産性向上、米国活性化のための景気刺激策)と題したリポートを発表、同資金の多くをIT業界に振り向けるよう政府に要求している。
「確かに道路や橋、下水処理設備など従来の物理的な社会基盤を改善するプロジェクトも大切だが、IT基盤の特定分野に投資するほうが、雇用や生産性、技術革新に及ぼす効果は大きい」と、ITIFの代表であるロバート・アトキンソン(Robert Atkinson)氏は同リポートの中で述べている。
米国のIT基盤に300億ドルの資金を注入すれば94万9,000人の雇用を創出できる、というのがITIFの見解だ。「従業員数500人未満の企業だけで52万5,000人の雇用が生まれる」とITIFは説明する。ITIFがまとめた支出案は、ブロードバンド・ネットワーク、ヘルス関連のIT、スマート・グリッド(電力会社の送電網を利用したブロードバンド)の3分野に均等(100億ドルずつ)に配分することを求めている。
「ITプロジェクトが米国経済にプラス効果をもたらすまでは、ある程度の時間を要するかもしれない。しかし、時間がかかりすぎることを懸念して、IT基盤への投資を抑制するという考えには賛成できない。景気刺激策は、やり方さえ間違えなければ、より高速なブロードバンド・ネットワークの増設から、電子カルテ(EHR:Electronic Health Records)への切り替え、先進の電力測定技術(スマート・メーター)の導入に至るまで、即効性の高い多数の投資を促すことができる」(アトキンソン氏)
ITIFのリポートは、IT業界への投資で生まれる雇用をかなり広く定義している。政府の資金注入で直接生まれる雇用に加え、ルータ用の回路基板など、IT基盤のアップグレードに必要な部品のサプライヤーで創出される雇用もカウントしているのだ。
さらに、外食産業や小売業界など、ITとは何の関係もない雇用もカウントされている。新たに職を得たITワーカーが給料を使い始めれば、必然的にそうした業界でも雇用が増えるという理屈である。雇用の多くは「波及効果」によっても創出され、例えばヘルス関連のITへの投資は新たな製品やサービスの開発を促すことになるという。
ITIFは2006年に設立され、名誉会長として米国下院議員のアーサー・デービス(Artur Davis)氏とジョン・ポーター(Jon Porter)氏が名を連ねている。代表のアトキンソン氏は「The Past and Future of America's Economy」(米国経済の過去と未来)の著者であり、米国のニュース・サイト「Huffington Post」にも寄稿している。
(Jon Brodkin/Network World米国版)
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