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[米国]
米国政府の初代CIO、Web2.0とクラウドの活用を推進
最初のプロジェクトは政府の持つ貴重で膨大な情報の「民主化」
(2009年03月06日)
| 米国政府 初代CIO ビベク・クンドラ(Vivek Kundra)氏 |
米国政府の初代CIOに任命されたビベク・クンドラ(Vivek Kundra)氏は3月5日、政府のデータをオープンでアクセスしやすいものにするために、消費者向けの技術を導入し、連邦政府のIT利用のあり方を変革すべく積極的に取り組んでいく考えを示した。またクンドラ氏は、大規模な契約で無駄なプロジェクトを行ったり、いったん採用した契約業者を漫然と使い続けたりする政府の体質を打破するために、クラウド・コンピューティングなどの技術を利用していく方針だ。
クンドラ氏は5日、バラク・オバマ(Barack Obama)米国大統領からCIOに指名された直後に行われた電話会見で、同氏が最初に手がけるプロジェクトの1つは、「data.gov」を創設し、連邦政府の保持する膨大で貴重な情報をオープン・フォーマットやアプリケーション開発に利用できるフィードで公開することで、これらの情報を「民主化」することだと語った。
クンドラ氏は、「IT技術をどのように利用すれば、この国を正しい方向に進ませることができるか」という問題を提起し、「公的セクターにおける技術活用の改革」を目指す考えを示した。
同氏は、このような幅広い技術目標を掲げたほか、これまで政府が外部業者と契約して実施してきたITプロジェクトについて、「率直に言って、あまりパフォーマンスがよくなかった」とし、成果が乏しいと批判した。
クンドラ氏は、契約業者との取引に厳しいアプローチを導入する方針を示すとともに、政府を大規模IT契約への依存から脱却させたいと考えていることも明らかにした。同氏は、クラウド・ベースのサービスが民間セクターにおいて、開発プラットフォームの迅速な構築、プロビジョニング、写真やビデオといった情報の共有などに使われていることを指摘した。「しかし連邦政府には、こうしたサービスを活用するためのプラットフォームがまったくない」
情報の共有や市民との新たなコミュニケーション手段の発見という観点から、クンドラ氏はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「Facebook」を称賛した。同氏は、このサービスが新しいプロジェクトのモデルになる可能性があると考えている。「Facebookを利用する1億4,000万人のユーザーは、論争や政策、課題をめぐって、自ら組織化して運動を起こし、声を広く伝えることができる。こうした技術を活用すれば、オープンかつ透明で、国民参加型の協調的な政府を運営していくことができる」
またクンドラ氏によれば、連邦政府のデータへアクセスしやすくすることで、開発者が「コンテキスト・リッチ」なアプリケーションを作成するのを支援できるという。このアプリケーションは、政府や民間セクターが新しいサービスや商品を開発したり、スマートフォンで使われるような新しいアプリケーションを作成するのにも役立つ。
同氏は、この取り組みの可能性の大きさを説明するにあたり、人間の全遺伝子の解読に成功した米国国立衛生研究所(NIH)のヒトゲノム計画を例として取り上げた。この研究結果はオンラインで公開されており、これが新薬の開発を促進しているというのだ。ただしクンドラ氏は、この構想の実現には、相応の労力が必要になると補足した。
これまでクンドラ氏は、米国コロンビア特別区の最高技術責任者(CTO)を務めていた。それ以前は、バージニア州の技術職に就いていた。同氏は、年間IT投資が約710億ドルにもなる連邦政府機関のITの舵取りという、困難な課題に立ち向かうことになる。同氏は特別区のCTOとして、新しい試みを意欲的に進めることで評価されていた。同特別区はデータの一般公開に積極的で、現在は約240のフィードで犯罪報告や建築許可など、さまざまなデータを提供している。こうしたデータは、地元ブロガーによる近隣情報の提供や、企業開発者の業務に利用されている。
(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)
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