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[フランス]
フランスの新著作権法「DADVSI」案を巡る審議が大詰めに

(2006年03月14日)

 フランス政府は、消費者の権利擁護団体や音楽家の組合、インターネット・ユーザー、司書、公文書保管人の協会などからの幅広い反対の声にもかかわらず、著作権で保護されたデジタル著作物の使用を「公正使用」と見なす範囲を制限する新しい著作権法案の立法化を目指している。

 フランス国会下院では3月21日、「DADVSI」と呼ばれる「情報化社会における著作権および著作隣接権」に関する最終法案の採決が予定されている。しかし、3月16日までの間は、同法案に関連する何百もの修正案の審議が継続されることになっており、最終法案がどのような内容になるかはいまだ不透明な部分もある。

 例えば、公正使用の制限に関して、身体障害者などの一部グループに例外を認める修正を加えることについては、下院内でほぼコンセンサスが得られている。

 しかし、司書、研究者、教師、学生からなる団体は、例外を認める範囲を教育活動や研究活動にも広げ、著作物のコピーを教室内で使用したり研究論文に使用したりすることが著作権侵害と見なされないようにすることを求めている。

 新しい著作権法案は、政府が通常行われる上下院の一部手続きを省略できる緊急手段を発動し、昨年12月末に初めて下院議会での審議が開始されたが、法案の修正が提案された。

 その内容は、著作権で保護された音楽のコピーをダウンロードするためにピア・ツー・ピア(P2P)ファイル共有ソフトウェアを使用することを許すとともに、それに対応して、インターネット・アクセス代金をアーティストに配分するために、一律ではなく、選択的な課税を行うことができるというものだ。

 これを受けて、政府は法案をいったん引っ込めたが、今年3月に、再び新法案についての審議が下院で開始されると、課税案を支持する修正案がいくつも提出された。

 3月初めに実施されたフランス人の意識調査では、回答者の72%が課税案への支持を表明しており、25歳までの若年層の支持は実に87%に上っている。

 消費者団体の「Union Federale des Consommateurs - Que Choisir(UFC)」やアーティスト団体「Alliance Public-Artistes(APA)」などは、インターネット・アクセスへの選択的な課税を支持しており、この内容を盛り込んだ修正案が最終法案として残ることを期待している。

 一方、DRM(デジタル著作権管理)システムの相互運用を実現し、DRMシステムの開発元に対して競合システムとの互換性を持たせるために必要な情報を開示することを義務づける条項に関しても、多数の修正案が提出されており、その一部は政府も支持している。

 一部の業界関係者は、この情報開示義務条項を、アップルコンピュータのオンライン音楽ストア「iTunes Music Store」に対する攻撃ととらえている。というのも、アップルはこれまで、iTunes Music Storeからダウンロードした楽曲を再生できるコンピュータやiPodの台数を制限するために使用する「Fairplay」技術を他社にライセンス供与することを拒んできたからだ。

 しかし、iTunes Music Storeからダウンロードした楽曲はCDに記録することができ、そこから、MP3フォーマット(iPodでも、他のポータブル・ミュージック・プレーヤーの大多数でも再生できる)への変換も容易に行える。

 この件に関して、アップルの広報担当者はコメントを控えている。

 なお、フランス政府は、DRMシステムを迂回するソフトウェアの開発を違法とし、30万ユーロの罰金を科すという修正案は引っ込めたもようである。

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)






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