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[フランス]
デジタル著作権法案をアップルなどが非難──「国家ぐるみの著作権侵害?」

(2006年03月28日)

 フランス下院議会で可決され、上院議会で審議が進められているデジタル著作権法案には、アップルの「iTunes Music Store」や「iPod」音楽プレーヤーに使われているDRM(デジタル著作権管理)技術を規制する条項が含まれており、オンライン音楽サービスの普及を妨げる可能性などが指摘されている。

 業界アナリストは、同法案が上院でそのまま可決されることになれば、商用オンライン音楽サービスを提供する企業がフランスから撤退する可能性が出るなど、フランスの音楽リスナーに深刻な影響を与えるおそれがある、と警告している。

 同法案には、DRMシステムの開発者に対し、相互運用可能なシステムを構築したいライバルにDRM技術の詳細を開示するよう義務づける条項が盛り込まれている。そのため、アップルがiTunes Music StoreやiPodに使用しているFairPlayや、マイクロソフトの「Windows Media DRM」の有効性が損なわれる可能性がある。フランス下院議会は先週、同法案を可決し、現在、上院議会での審議が行われている。

 同法案について、アップルは、「国家ぐるみの著作権侵害」として非難している。また、同法案を提出したフランス政府の真意を計りかねている業界アナリストもいる。

 ジュピターリサーチの副社長、マイケル・ガーテンバーグ氏は、「フランス政府が何を達成しようとしているのかが不透明だ」と指摘する。

 「もしそれが相互運用性の問題であるとしたら、iPodとiTunesではすでに解決されている。アップルが自社のDRMシステムのカギを競争相手に提供するというのは、DRMコンテンツの販売方法にかかわる問題であり、まったく別の話になる」

 ガーテンバーグ氏は、他のソフトウェアや音楽プレーヤーとの相互運用性の問題について、「購入した楽曲をCDに焼き付け、MP3形式で再びインポートすることで解決できるはずだ」としている。

 アップルでは、iTunes Music Storeを開設して以来、同社のDRMソフトウェアをシェアウェアの開発者やリアルネットワークスのような競合ベンダーにクラックされないようにあらゆる手段を尽くしており、DRMの開示をアップルが受け入れる可能性はきわめて低いという。

 このことは、オンライン音楽サービスにコンテンツを提供するレコード業界にも同様に当てはまる。

 「フランス政府がDRMを歓迎しないのであれば、フランス国内でデジタル音楽が販売されることもなくなるだろう。各レコード会社は、そうした慣行を認めようとはしていない。われわれは、アップルがどうなるという問題よりもはるかに大きな問題について議論しているのだ」(グーテンバーグ氏)

 アップルは、「Macworld 2006」(今年1月8日〜13日)で発表した声明でも、著作権侵害の正当化が、音楽文化を没落させると警告している。

 こうした考え方には、必ずしもすべてのアナリストが賛同しているわけではない。例えば、NPD Techwordの業界分析ディレクター、ロス・ルービン氏は、「(フランスのデジタル著作権法案が)著作権侵害の新たなパンドラの箱を開ける」というアップルの主張に疑問を呈している。

 「現実には、すでに多くの著作権侵害が行われており、海賊版の音楽が欲しい人々は、どこで手に入れることができるかを知っている。フランス政府の法案がどのようなものであっても、著作権侵害を促進することも防止することもできないだろう」と、ルービン氏は指摘する。

(ジム・ダルリンプル/Playlist オンライン米国版)



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