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[欧州]
「Web 2.0」の商標を主張するオライリーとCMPがブログ炎上で譲歩

(2006年05月30日)

 「Web 2.0」という用語の所有権を主張しているメディア企業が方針転換を余儀なくされた。同社は、アイルランドの団体がこの用語を使ってコンファレンスの宣伝活動を行うのをやめさせようとしたが、多数のブロガーが拒絶反応を示したことで、その方針を短時間で転換せざるをえなくなった。

 この問題は、オライリー・メディアと共同で一連のコンファレンスを開催しているCMPメディアが、アイルランドでIT専門家向けの情報提供イベントを行っているIT@コークに対し、6月初めに予定されているコンファレンスのタイトルから「Web 2.0」という用語を削除するように求める文書を先週発送したことに端を発している。

 IT@コーク運営委員会のメンバーが自身のブログにこの文書についての書き込みを行うと、すぐに話題となり、他のブログにまで一挙に広がった。自らが育て上げたブランドを保護するためのあらゆる権利がオライリー・メディア側にあるという意見も一部にあったものの、コメントのほとんどは、Web 2.0という用語は一般的なもので、だれでも利用できるという見解を支持している。

 ブログに投稿されたコメント全般の傾向が自社に批判的だということを認識したオライリー・メディアは、すぐにこの問題への対応について謝罪し、論争は解決済みだとするメモを自社のブログにポストした。

 ITコンサルタントで、ブロガーでもあるIT@コーク運営委員会メンバーのトム・ラフテリー氏によると、オライリーの代表者からIT@コークに連絡があり、今後開催されるコンファレンスについてWeb 2.0を使うことが認められたという。

 Web 2.0という用語は、オライリー・メディアの幹部が作り出したとされており、CMPはコンファレンスのタイトルに使用するため、米国と欧州連合(EU)で商標登録の申請を行っている。

 IT@コークとメディア企業2社の対立は全面的に解決したわけではないが、大手メディア企業が強硬姿勢の転換を余儀なくされるに至った経過には、ブロガーやそのブログを閲覧している人々によるWebの力が反映されている。

 ラフテリー氏は、「3〜4年前だったら、われわれのほうが負けていただろう。しかし、ブログに力があるからこそ、この件を自分のブログにポストし、わずか24時間で国際的な大手メディア企業を譲歩させることができた」と語っている。

 そもそもラフテリー氏は、企業が特定の言葉を管理するという考え方に否定的だ。「企業には、われわれが使える言葉や使えない言葉を決定する権限などない。ただ、メディア企業側の対応には感謝している」

 ラフテリー氏によると、CMPが態度を改めたのは、Web 2.0の商標登録が完了しておらず、少なくともEUでは登録が認められない可能性があるためだという。

 CMPは、2003年に米国でWeb 2.0の商標登録を申請しており、欧州でも今年3月末に申請を行った。しかしラフテリー氏は、「Web 2.0」という用語は、広く使われているため、EUが商標登録を認めるかどうかは不透明だと見ている。

 Web 2.0の商標登録について、EUが規定している3カ月のコメント募集期間がまだ終わっておらず、IT@コークでは、複数の組織が商標登録に反対する意見を出すのではないかと期待している。

 ラフテリー氏は、「われわれは、非営利団体であり、この問題で戦いを展開するだけのリソースもないが、関心を持っている組織は他にも必ずあるはずだ」と強調する。

 一方、米国特許商標局によると、同国での申請手続きは、登録に向けた最終審査をすでに通過しており、いずれ商標登録される見通しという。

(ナンシー・ゴーリング/IDG News Service ダブリン支局)






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