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[米国]
SCOとIBMの特許侵害訴訟、連邦地裁がIBM側に有利な裁定

(2006年07月04日)

 米国ユタ州の連邦地方裁判所は、米国SCOグループが知的財産を侵害されたとして米国IBMを提訴していた訴訟で、SCOが特許侵害の事実を十分に特定できなかったとして、SCO側の約200件の訴えを棄却した。

 今回の裁定でブルック・ウェルズ判事は、「IBMが出荷したソフトウェアのどの部分がSCOの知的財産を侵害しているかについて、SCOはそれらを正確に特定することを“意図的に”怠った」とSCOを批判した。

 ウェルズ判事は加えて、「SCOの主張は、『もうわかっていることなので、いまさら説明する必要はない』と言っているようなものだ」と指摘し、SCOの訴訟はIBMにとって有害だと断じている。

 IBMは裁判所に対して、SCOが挙げた訴因294件のうち201件を、公判前に棄却するよう求めていた。ある程度事実関係の解明が進んだあとも、IBMは198件の訴因を棄却するよう主張し続けていた。ウェレス判事は6月28日、原告にとっての利益ではなく、問題のソースコードをSCOが特定できなかったことを理由に、数十件の訴因を除くすべての訴えを棄却した。この裁定は、SCOの訴えを棄却するよう求めていたIBMの申し立てに由来する。

 SCO側は、IBMが不正流用した“手法やコンセプト”を特定する作業を十分に行ってきたと主張したが、これに対してウェレス判事は、具体的なソースコードも特定する必要があるとしてSCO側の主張を認めなかった。

 ウェレス判事は、「SCOがこれまで以上に具体的な証拠を出すことができなければ、判決を左右するきわめて重要な疑問点に答えを出すのは不可能だ。そもそも、IBMが不正に流用したという手法やコンセプトを含むコードが、今もLinuxで使われているのかという疑問もある。もしそうでなければ、SCOの被害は数十億ドルではなく、ほんのわずかということになる」と述べている。

 ソフトウェアと知的財産を専門とする米国オーブムのアナリスト、ガリー・バーネット氏は、「今回の裁定は、これまでの裁判の過程でSCO側に証拠を提示する能力がまったくないことが明らかになっていたため、ほぼ予想どおりの結果となった。これはSCOにとって明らかに好ましくない状況だが、すでに以前から形勢は良くなかった」と語る。

 SCOは、自社が著作権を持つ「Unix System V」のソースコードの一部を不正にLinuxに流用したとしてIBMを訴えた2003年の裁判で敗訴した。その際、IBMは不正行為を否定し、SCOが主張する著作権の有効性に疑問を呈した。

 7月3日の時点でSCOとIBMはコメントを出していないが、SCOは今後も訴訟を進めると見られている。同社にはIBMに対する訴因がまだいくつかあり、それらは今回の裁定による影響を受けないからだ。バーネット氏は、「SCOの訴えが公判に持ち込まれたとしても、IBMはおそらく反訴するだろう。来年初めには新たな動きがあると見られる」と述べている。

 なお、今回の裁定のコピーは、IBMとSCOの訴訟の成り行きを見守っているWebサイト「Groklaw.net」にPDF形式で掲載されている

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)






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