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[欧州]
欧州委員会、マイクロソフトに制裁金3億5,700万ドルを追徴

(2006年07月13日)

 欧州委員会は7月12日、2004年3月に裁定を下した競争法違反に関する決定に従わなかったとして、マイクロソフトに2億8,050万ユーロ(3億5,700万ドル)の制裁金を追徴すると発表した。

 マイクロソフトはすでに、同決定に基づいて4億9,700万ユーロの制裁金を支払っている。欧州委員会はその際に、マイクロソフトがPC用OS市場で独占に近い状態にあることを利用して、ワークグループ・サーバOSやメディア・プレイヤなどの市場で特選的な立場を確保したとする事実認定を行った。

 また欧州委員会は、メディア・プレイヤを搭載しないバージョンのWindows XPをリリースするとともに、サーバ製品で使われている通信プロトコルの詳細な技術情報を競合他社にも提供するよう命じた。

 7月12日に発表された決定は、詳細な技術情報を適宜提供しなかったことに対するものであり、マイクロソフトが今後も命令に従わなかった場合、制裁金は日額300万ユーロの割合で加算されるという。

 欧州連合(EU)の競争管理官、ニーリー・クロエス氏は、「マイクロソフトは、この問題に対処するために膨大なリソースを投入していると釈明しているが、2年前に同様の対応ができなかったのはきわめて遺憾だ」と語る。

 マイクロソフトは、2004年3月の決定に従うために「誠実な努力」を行ってきたと主張しており、今回の決定は不適切であると即座に反論した。同社の法律顧問を務めるブラッド・スミス氏は、制裁金の額は不当であり、欧州裁判所に控訴して、法令順守の取り組みや制裁金の正当性について判断を仰ぐ方針だと語っている。

 スミス氏は、12日付けの声明の中で、「今回発表された制裁金は、価格操作カルテルなど最も深刻な独占禁止法違反行為に対して欧州委員会がこれまでに課した制裁金に比べて不当に高い額になっている。この決定に従うために当社が行っている多大な努力や、すでに数十社を超える企業が実際に製品を出荷しているという事実を考慮すれば、到底正当なものとは言い難い」と述べている。

 また同氏は、欧州委員会が2004年3月に出した決定には透明性がないというマイクロソフトの立場を繰り返し主張した。

 しかし、欧州委員会はマイクロソフト側のこうした主張を受け入れようとはしていない。

 クロエス氏は、「欧州委員会が何を求めているのかわからなかったというマイクロソフトの主張は受け入れられない。われわれの要求ははっきりしていた。同社が提供した資料は、われわれの要求をまったく満たしていない」と指摘する。

 欧州委員会の決定がWindows Vistaに及ぼす影響について、クロエス氏は、「2004年の裁定によって決定された問題を回避する必要がある。来年Vistaが出荷される際には、この決定の中で指摘されたすべての問題が考慮されるよう期待する」と述べた。

 欧州委員会は当初、マイクロソフトに120日間の猶予を与えたうえで、サーバ製品がWindowsのデスクトップ・バージョンと通信するために使っているソフトウェア・インタフェースの詳細な情報を開示し、競合ベンダーが互換性のあるシステムを開発できるようにするよう命じた。

 しかし、マイクロソフトの対応は遅く、欧州委員会は昨年3月と6月、決定を完全に順守しなかった場合は追加的な制裁金を科すと警告した。

 マイクロソフトは、交渉が継続中であることを口実に、情報公開の期日を何度も先伸ばすことに成功したが、欧州委員会は、マイクロソフトの対応、とりわけソフトウェア・インタフェースの資料開示に対する不満を募らせていた。

 マイクロソフトは、この問題を監督するため選任された独立監視員と、欧州委員会、同社との間で合意されたスケジュールに従い、7月18日までに欧州委員会が要求した技術資料の残りをすべて提出することになっている。

 クロエス氏は、7月12日、「資料のおよそ50%近くがすでに提出されており、今後これらの仕様が適正なものかどうかチェックする必要がある」と語った。そのうえで同氏は、マイクロソフトは毎日科される制裁金を無視することができず、6月20日以降は「建設的な取り組み」を行っているとの心証を得ているという。

 これまで欧州委員会は、通信プロトコルに関する必要な情報がすべて提供されるまで、日額200万ユーロの制裁金を科すと警告していた。2億8,050万ユーロという金額は、昨年12月16日から今年6月20日まで1日当たり150万ユーロの制裁金を課すという算定根拠に基づいている。

 昨年11月10日、欧州委員会は、マイクロソフトに対して、決定の2つの条件を順守しておらず、12月15日までに守られなければ、日額200万ユーロの制裁金を科すと警告していた。

 その後欧州委員会は、マイクロソフトが6月20日以降も資料提供命令に従っていないという判断を下しており、7月12日には、同社の対応が遅れたことで是正措置が無効になったとして、制裁金の日額を200万ユーロに増額することを決めた。

 マイクロソフトが7月31日までに命令に従わない場合、制裁金は日額300万ユーロに増額される可能性もある。

 一方、マイクロソフトは、今回の決定への対応とは別に、競争法違反の判断自体について控訴している。ルクセンブルクにある欧州第1審裁判所は、4月末にこの控訴を受理しており、2004年3月の決定について検討作業を行っている。

(ポール・メラー、ピーター・セイヤー/IDG News Service ブリュッセル支局)






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