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[欧州/米国]
ノートPCの航空機内持ち込み禁止への対応策
(2006年08月11日)
英国政府当局は8月10日、米国行き旅客機爆破テロ未遂の容疑者逮捕に伴い、航空機乗客が電子機器を機内に持ち込むことを禁止した。ノート型コンピュータ、iPod、携帯電話なども対象に含まれている。
液体と食品を含むその他の物品も、わずかな例外を除いて、航空機客室内への持ち込みが禁止された。このルールは、英国から出発または英国を経由するすべての航空便に適用されており、米国政府も、飲み物から衛生用品・化粧品まで、あらゆる液体の機内持ち込みを禁止した。
2001年9月の米国での同時多発テロ事件以来、米国の空港では航空機乗客への搭乗前セキュリティ・チェックが強化されたが、ノート型コンピュータはバッグから取り出してX線検査を受ければ航空機客室内へ持ち込むことができた。今回の規制強化により、ノート型コンピュータなどの電子機器を手元に置くことができず、機内預けになったことで、それらが壊れたり盗まれたりする危険が増大することになりそうだ。
米国運輸省の統計によると、米国の航空機利用者からの機内預け荷物の破損・行方不明などのトラブル届出件数は、2006年1〜6月の半年間で180万件近くに上っているという。
コンピュータ・セキュリティ専門家で国際団体「Information Systems Security Association」の英国支部長を務めるリチャード・スターンズ氏によると、ノート型コンピュータの破損や紛失に伴うリスクを減らす方法はいくつかあるという。
紛失時のリスクを最小限に減らすには、以下のような対策を講じておくことが望ましいとスターンズ氏はアドバイスする。
●データをバックアップする
企業のエンタープライズ・システムは定期的にデータのバックアップを行っているかもしれないが、個人のPCの場合はしっかりと行っていない場合が多い。
●複数のパスワードで保護する
ノート型コンピュータをパスワードで保護することは必須である。ユーザーは、OS起動以前に実行されるBIOS(Basic Input Output System)プロセス(ハードウェアやコンピュータのチェック処理)の際にも別のパスワードを入力しなければならないようにノート型コンピュータを設定しておくべきである。
●データを暗号化する
泥棒やクラッカーにとって、ハードウェア自体よりもマシン上のデータのほうがはるかに価値が高い。最近ではノート型コンピュータの紛失・盗難が(データ流出事件として)大きく取り沙汰されるようになっており、暗号化への関心は高まっている。データを暗号化しておくことにより、ビジネスへの破壊的影響を引き起こすのを防ぐことができる。
●保険をかける
ハードウェアが紛失した際に補償金を受け取ることができる。
ちなみに、航空会社による補償には限度があり、米国運輸省によると、通常、米国内の航空会社が支払う紛失手荷物に対する賠償金は乗客1人当たり2,800ドルまでとなっている。
国際路線の場合、国際航空運送約款で定められている最高補償限度額はさらに低く、通貨相場の変動の影響も受ける。航空業界のエキスパート、トッド・カーティス氏によって運営されているWebサイト「AireSafe.com」によると、今年2月の時点では、乗客1人当たり約1,400ドル(USドル)までだったという。
また、機内預けの荷物は乱暴に扱われることが多く、ノート型コンピュータは致命的な衝撃や振動を受けるおそれもある。なお、コンピュータの破損は、航空会社による補償責任補償の対象になっていない。
一般に、ノート型コンピュータのハードディスク・ドライブは非稼働時にコンクリート上へ3メートル上から落としても壊れないように設計されているが、液晶ディスプレイなど、もっと壊れやすい部分も多い。少なくともチェックイン・カウンターに預ける際には、衝撃を軽減できるハードシェル・タイプのケースに入れ、目的地に着いたあとで軽量のバッグに移し変えるようにすることが望ましい、とスターンズ氏は述べている。
(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)


