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[世界]
ナスダックのロンドン証券取引所買収計画、世界経済への影響は?

(2006年12月08日)

 米国のナスダック市場を運営するナスダック・ストック・マーケットが提案しているロンドン証券取引所(LSE)の買収は、グローバル化の新たなマイルストーンであり、世界経済に大きな影響を与える可能性がある。証券取引所が合併し、資金のグローバルな流動性が増大すれば、企業は競争のために新たな資金調達手段を手に入れることができるからだ。

 11月初めに発表されたナスダックによる最新の買収提案は、LSEの株式の未保有分を27億ポンド(51億ドル)で買い取るというもので、歴史的、政治的に大きな意味を持っている。

 ナスダックは株式売買を効果的に行うために、さまざまな技術を積極的に活用し、過去20年にわたって取り引きの革新に貢献してきた。また、マイクロソフトやオラクルなど世界的なIT企業が相次いでナスダックに上場し、同市場はコンピュータ化とIT市場の成長の大きな恩恵を受けてきた。

 ナスダックの最大のライバルであるニューヨーク証券取引所(NYSE:NYSEグループが運営)をはじめ、ほとんどの証券取引所が何らかの電子取引システムを採用している。だが、各取引所はそれぞれ異なる特徴を持ち、独自の強みを打ち出している。例えば、Linuxベンダーのレッドハットが12月12日に上場市場をナスダックからNYSEに変更するのもそうした特徴を生かすためだ。

 レッドハットのIR担当マネジャー、リンダ・ブルートン氏は、「ニューヨーク証券取引所は世界的な認知度がはるかに高く、グローバルなブランド・イメージの構築を目指すわれわれの方針と合致している」と強調する。また同氏は、NYSEは電子取引を採用しているが、取り引きには専門業者の手が介在しており、株価の激しい変動が抑えられるとも説明する。

 300年の歴史を持つLSEは、買収提示額が低すぎるとしてナスダックの提案を拒否している。ロンドン市長のケン・リビングストン氏も先週、英国の公正取引庁にナスダックの提案に対する調査を求めるとともに、買収によって、米国の証券取引市場が国際的な上場市場の地位を独占してしまう可能があるとの懸念を表明している。

 またリビングストン氏は、米国の証券取引所が欧州の証券取引所と合併すれば、米国の厳しい規制が、拡大を続けている欧州の市場競争力に悪影響を与えるという、欧州の多くの関係者の意見をあらためて明らかにした。こうした懸念は、ニューヨーク証券取引所とユーロネクスト証券取引所との合併の障害にもなっている。

 ナスダックは今年、LSEの株式の29%を取得しており、株主に買収の支持を呼びかけている。ナスダックのCEO、ロバート・グレイフィールド氏は、競争上、合併が不可欠と考えているようだ。

 証券取引所の合併や、増加しているIT企業の買収合併は、一連の現象の一部だと、投資会社イノベーション・アドバイザーズのマネージング・ディレクター、エリック・ゲバイド氏は説明する。「こうした動きは金融市場がグローバル化している表れの1つだ。それはIT企業のさらなるグローバル化の前触れでもある」

 欧州やアジアの企業が米国企業と同様の資金調達手段を持てば、米国企業はより激しい競争にさらされることになる。だが、米国企業も資本市場での新たな手段を利用できるようになる。例えば、資金の効率利用を目指す米国企業は、海外事業のために現地で容易に資金を調達できる。さらに、新しいグローバル市場では、企業は海外の事業会社を上場させることも可能になるとゲバイド氏は指摘する。

 ナスダックの買収計画の方向性が決まるのは2007年に入ってからと見られている。株主への提案は60日まで延長でき、ナスダックはLSEの株式を公開市場で買い取ることもできる。買収提案がどのような結末を迎えるにしても、資本市場の国際化が世界経済に大きな影響を与え続けるのは確かなようだ。

(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)






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