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[米国]
ID管理プロトコルの一本化を模索するリバティ・アライアンス──「矛を収めた」と新会長
(2007年01月11日)
アイデンティティ(ID)管理コンソーシアムであるリバティ・アライアンスにとって、目下の急務は、競合する2種類のID管理プロトコルを一本化することだ。この実現に向けて、同団体はマイクロソフトとの本格的な協議を行っている。
このほどリバティ・アライアンスの新しい会長に選出された米国オラクルのID管理担当バイスプレジデント、ロジャー・サリバン氏は、「われわれは矛を収め、どうすればプロトコル問題を解決できるのかを(マイクロソフトと)真剣に議論している」と語った。
競合する2種類のプロトコル・セットとは、「Liberty Identity Web Services Framework(ID-WSF)」と「WS-Star」を指している。前者は、リバティ・アライアンスに加わっている米国ヒューレット・パッカード(HP)やサン・マイクロシステムズ、IBMなどが支持を表明しているプロトコルだ。これに対し、マイクロソフトは後者を支持している。
どちらのプロトコルも、インターネット上での安全なID情報交換を目的としている点では同じだ。サリバン氏は、「両者は非常にうまく補完し合えると考えている」と語り、将来的にこの2つは一本化される可能性が高いと見ている。同氏によると、マイクロソフト側も、リバティ・アライアンスとの交渉に対して誠意ある態度を示しているという。
2種類の標準プロトコルが併存していることで、ID管理システムへの投資をすでに行っている企業ではさまざまな問題が生じている。これが解決されなければ、ID管理システムのプロジェクトを先延ばしにする企業が相次ぐことも予想される。
リバティ・アライアンスもこうした現状に危機感を抱いているようだ。「すでにID-WSFを導入しているユーザー企業も多い。われわれとしては、2つの標準スタックを調整し、一本化する際の作業が論理的に進むようにすることで、ユーザー企業を支援していく必要がある」とサリバン氏。さらに、プロトコルの移行が円滑に進むようベンダー各社と連携し、ソフトウェアへの投資が無駄にならないようにすると強調した。
調査会社IDCが昨年12月に発表したリポートによると、ID管理やアクセス管理製品の市場は、競合し合うプロトコルの併存が阻害要因となり、成長が遅れている。しかし、標準プロトコルを巡る問題が解決した場合は、2005年に30億ドルだった同市場の売上高は、2010年には51億ドルまで伸びる見通しだ。
IDCによると、XMLベースのシングル・サインオン仕様「SAML(Security Assertion Markup Language)2.0」が、2005年3月に標準化団体のOASISによって承認されたことも、ID管理プロトコル問題の解決に向けた明るい材料の1つに数えられるという。このSAML 2.0については、リバティ・アライアンスも支持を表明しており、すでにベンダー各社の製品で広く使われている。
もっとも、プロトコルが一本化されたとしても、問題はまだ残っている。例えば、ID管理技術の使用にかかわる法的責任の明確化などだ。この点についてサリバン氏は、「リバティ・アライアンスとしては、成功事例を発表することでユーザー企業を支援していく方針だ」と述べるにとどまった。
なお、ロンドンにいたマイクロソフト幹部にリバティ・アライアンスとの協議について質問してみたが、具体的なコメントは得られなかった。
(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)



