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[米国]
米国政府の“盗聴”を裁判所が承認──テロリスト監視プログラムで

(2007年01月18日)

 米国司法省(DOJ)は1月17日、米国の外国諜報活動監視裁判所(FISC)の判事が、国際テロ組織アルカイダなどのメンバーである可能性が高い人物の通話やインターネット通信を、政府が盗聴することを承認したと発表した。

 現在米国では米国国家安全保障局(National Security Agency:NSA)によって「テロリスト監視プログラム」が実施されている。これは、2002年にジョージ・ブッシュ大統領が承認したもので、NSAが裁判所の令状なしに国際テロ組織アルカイダとのつながりが疑われる人物の通話を傍受できることから、適法性を巡って議論が戦わされてきた。

 今回のFISCの決定により、今後はテロリスト監視プログラムがさらに拡大・強化され、さまざまな監視活動が裁判所の許可を得て実施される可能性も出てきた。

 NSAのテロリスト監視プログラムに対しては、2002年当時から国民の反発が大きかった。米国自由人権協会(American Civil Liberties Union:ACLU)や複数のイスラム系団体は、裁判所の令状なしに盗聴できるNSAのプログラムが、合衆国憲法に違反しているとして反対意見書を提出している。

 また、昨年8月にはエレクトロニック・フロンティア財団(EFF)が、NSAの盗聴プログラムに協力したとして、AT&Tなどの通信事業者らを全米17の連邦地裁に提訴。ミシガン州地方裁判所が、このプログラムの違法性を認める判断を下している。

 アルベルト・ゴンザレス司法長官は、米国議会の議員に宛てた1月17日付けの書簡の中で、テロリスト監視プログラムの必要性を強調し、「ブッシュ大統領は合法的な手段を駆使してテロリストの攻撃から米国を守ってきた。テロリスト監視プログラムもその合法的な手段の1つであり、今回FISCから正式な承認が得られたことで、政府はテロリストらの攻撃に、より迅速な対応が可能になる」と説明している。

 DOJ幹部によると、FISCが認めるテロリスト監視プログラムの有効期限は1件当たり90日間であるという。FISCは今後、盗聴活動の承認を求める個々の要請を審査する権限を持つことになるが、具体的な監視プログラムの仕組みやその内容については明らかにされていない。

 ブッシュ政権のある高官は、FISCがテロリスト監視プログラムに政治的、法的な正当性を与えたという見方を否定する。しかし、DOJのある幹部は、FISAの承認を得たことにより、政府がテロリスト監視プログラムを実行しやすくなったとの見解を示している。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)






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