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[世界]
Wikipediaで報酬付きの記事修正依頼が発覚――依頼元のマイクロソフトは「不正確な記事」と釈明
(2007年01月25日)
マイクロソフトが一般の開発者に報酬を支払ってWikipediaの記事を書き直させようとしたことが発覚し、物議を醸している。
1月22日、オーストラリア在住のソフトウェア・エンジニアで著述家でもあるリック・ジェリフェ氏は、一個人としてWikipediaの記事に変更を加えてくれれば報酬を支払うという申し出をマイクロソフトから受けたことを、ブログに書き込んだ。現時点では、同氏は申し出を受託していないようだ。
マイクロソフトの広報代理店ウェジナー・エドストロームのキャサリン・ブルッカー氏によると、マイクロソフトはジェリフェ氏に接近する前にWikipediaへ連絡し、一部の記事に対する懸念を伝えようとしたという。「Wikipediaのスタッフから回答が得られなかったため、マイクロソフトは第三者の協力を仰ぎ、不正確な記事を訂正してもらうことを決めた」と、ブルッカー氏は電子メールの中で釈明している。
Wikipediaは、だれでも編集できるインターネット上の百科事典サイトだ。サイトの保守管理はボランティア・スタッフが担当しており、英語版Wikipediaにはおよそ1,000名の管理者がいる。サイトに適用するポリシーについても、各国語版のスタッフが協力して規定している。
Wikipediaの広報担当ボランティアであるデビッド・ジェラルド氏は、「当該記事に関してマイクロソフトから連絡を受けた形跡はない」と話す。同氏はまた、マイクロソフトとジェリフェ氏の間で何らかの取り決めがあったかもしれないことに失望したと述べている。
ボランティアの多くは、仮にそうした取り決めがあったとしても、それを特に問題視していないようだ。ドイツ版Wikipediaの役員を務めるマティアス・シンドラー氏もその1人で、同氏は記事の修正を奨励する電子メールをジェリフェ氏に送っている(この電子メールはマイクロソフトも入手している)。シンドラー氏は同メールの中で、マイクロソフトに関するWikipedia記事の問題をともに話し合いたいと述べている。
ただしシンドラー氏は、マイクロソフトがジェリフェ氏に金銭の支払いを呈示した件については何もコメントしていない。
当のジェリフェ氏は、この件をブログに書き込んで以来、発言を控えている。同氏のブログ記事に対するコメントには、マイクロソフトの申し出にきわめて批判的なものも多かったが、ジェリフェ氏はさほど意に介していないようだ。
「確かに激しい論調のコメントが多数寄せられたが、オープンソースやオープン・スタンダードといった概念は、新たな社会主義として人々の心に強く訴えかけるものだ。支持者の態度が熱狂的になるのも無理はない」(ジェリフェ氏)
問題となったWikipediaの記事は、オープンソース提唱者が支持している電子文書フォーマット「OpenDocument Format(ODF)」と、ODFと競合する「Microsoft Office Open XML」に関するものだった。
Wikipedia広報のジェラルド氏は、マイクロソフトの行為が波紋を呼んだことで、結局は多くの人々が当該記事の編集に参加し、記事の内容が充実するだろうと話している。
なお、1月24日午後2時(米国時間)の時点で、同記事には21件の修正が加えられている。
(ナンシー・ゴーリング/IDG News Service ダブリン支局)
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