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[米国]
デルCEO、社内メールでコスト削減を指示――役員数の削減と社員のボーナスカットを明言

(2007年02月06日)

 みずから創業したデルのCEO(最高経営責任者)に復職したマイケル・デル氏は2月2日、コスト削減のために今後数年間は社員のボーナスを廃止し、経営幹部の数も削減するという計画をメールで社員に伝えた。

 デル氏が2日に社員あてに配信したメールには、「これからの数四半期は困難なものになるだろう。長い時間をかけて蓄積されてきた問題は、一朝一夕には解決できない。昨年、われわれは大いに努力したが、結果を出すことはできなかった。むしろ、その結果は容認し難い内容だったと言える」と、厳しい言葉が並んでいた。

 このメールは先週末にマスコミに流出した。デルの広報担当者は5日、同メールはデル氏が社員あてに配信したものだと認めている。この事実が明るみに出た同日、同社の株価は上昇した。

 メールの中でデル氏は、同社が直面している複数の問題点を指摘している。特に、肥大した官僚的な組織体制と、急激に増加した営業経費は早急に解決すべき問題だとしている。

 「デルにはすばらしい人材がいるが、新たな敵も内包してしまった。それは官僚機構である。みずから作り上げ、社員を従属させたこの体制を、今こそ解体しなければならない。各社員は所属する組織を見直し、無駄を省くよう努めてもらいたい」(デル氏のメールより)

 昨今のデルは逆境続きだ。1月31日には、前CEOのケビン・ロリンズ氏が辞職し、デル氏が後を引き継ぐことが発表された。さらに、インテルから受け取ったリベートを隠匿するため、15名の上級幹部が違法な会計操作を行い、巨額の利ざやを稼いでいたとして、一部の株主から提訴されている。

 さらに同社は、ナスダック株式市場から上場廃止の勧告も受けている。

 米国証券取引委員会(SEC)とニューヨーク州南部地区連邦検察局がデルの会計実務に関する調査を開始した昨年8月以来、デルは2四半期続けて収支報告書を提出することができなかった。ナスダック株式市場はこうした事態を受けて、今年3月14日までに決算報告を行わなければデルの上場を廃止すると勧告しているのだ。

 また、デル氏はメールの中で、ロリンズ氏の主導で行われていた「Dell 2.0戦略」の継続も明言している。

 Dell 2.0戦略とは、昨年8月に発生したノートPCのバッテリ回収騒動で受けたダメージを払拭し、同社を再建するというものだ。製品デザインや海外工場の運営強化、インテルに加えAMDのプロセッサの採用によるプラットフォームの多様化などが、その柱となっている。

 デル氏が2月2日に作成したメモには、同戦略に関する新情報が含まれていた。それによると、デルはSMB(小・中規模企業)市場やエンタープライズ・サーバ/ストレージに注力し、新製品の開発サイクルを速め、新興市場での販売を強化し、企業の立て直しを図るという。

 また、デル氏は体制の変更についても言及している。EMEA(欧州、中東、アフリカ)市場の担当者だったポール・ベル氏を新設の米国部門のトップに任命すること、コンピュータ製造や資材調達に重点を置く「海外業務」部門を新設することなどが明らかにされた。

 昨年、デルはヒューレット・パッカード(HP)の猛攻を受け、「世界最大のPCベンダー」という称号を失っている。しかし、デルが今でもIT業界の“巨人”であることは疑う余地がない。

 「1984年に会社を創業したとき、わたしはたった1人だった。だが今日のデルは、すばらしいチームと誇るべき資産に恵まれ、110億ドル以上の売上げを誇る企業にまで成長したのだ」(デル氏のメールより)

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)






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