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[米国]
マイクロソフト、広告サービス企業のアクアンティブを60億ドルで買収

「対グーグルで必要に迫られた」との声も

(2007年05月21日)

 米国マイクロソフトは5月18日、オンライン広告/マーケティング・サービス企業のアクアンティブを60億ドルで買収し、インターネット広告ビジネスの拡充を図る方針を明らかにした。

 マイクロソフトによると、2,600名に上るアクアンティブの従業員はマイクロソフトのオンライン・サービス部門に異動し、同社の「MSN」ポータル上での広告ビジネスや「Windows Live」オンライン・サービス、ゲーム・プラットフォーム「Xbox Live」、「Office Live」サービスなどに携わる予定だという。

 マイクロソフトの今回の動きは、グーグルのダブルクリック買収が背景にある。およそ1カ月前にダブルクリックを買収したグーグルに対抗するためには、マイクロソフトは大きな賭けに打って出るほかなかったというのが、業界関係筋のもっぱらの見方だ。

 とはいえ、マイクロソフトにとってアクアンティブの買収は十分に意義がある。マイクロソフトが食指を動かしていたヤフーに比べるとアクアンティブは小規模な企業だが、それでもオンライン広告市場での勝機を完全に失うのは避けなければならなかったからだ。

 もっとも、今回の買収金額はマイクロソフトの時価総額の2%に相当し、同社史上最も高額な買収となる。

 マイクロソフトのCFO(最高財務責任者)であるクリス・リデル氏は、18日に電話会議を開き、ダブルクリックのときと同様、アクアンティブの買収においても熾烈な戦いが繰り広げられたことを認めた。マイクロソフトがアクアンティブの時価総額をはるかに超える価格を同社の株につけたのは、こうした背景があったからだと考えられる。

 株主および規制当局の承認が得られれば、1株当たり66ドル50セントでアクアンティブを買収するという今回の契約は、マイクロソフトの2008会計年度の前半に締結される見込みだ。アクアンティブの株価は17日の終値で35ドル87セントだったので、マイクロソフトは実に1株当たり85.4%もの割り増し価格を提示したことになる。

 リデル氏は、60億ドルという買収額について、同契約の戦略的な重要性を考慮すればさほど割高ではないと主張している。また、買収による増収効果が期待できるのは2008会計年度からだとしながらも、同会計年度における運営コストに大きな影響が及ぶおそれはないと語った。

 一方、マイクロソフトのプラットフォームおよびサービス部門のプレジデント、ケビン・ジョンソン氏は、グーグルによるダブルクリックの買収に関して、マイクロソフトは依然反対の立場をとっていると話した。この件を巡っては、市民団体が反競争性やプライバシー保護への懸念を訴え、グーグルに買収を止めさせるよう規制当局に嘆願書を出している。

 マイクロソフトはアクアンティブの買収により、オンデマンド・ビデオやIPテレビなどをサポートする、新たなデジタル広告ソフトウェアおよびサービスを手に入れることになる。

 例えばアクアンティブの「Avenue A Razorfish」は、各種のオンライン広告パッケージを統合するクライアント向けのサービスだ。同社はそのほかにも、デジタル広告を配置するソフトウェアとサービスを組み合わせた「Atlas」や、販促キャンペーンや広告コンテンツの在庫管理サービスである「DRIVEpm」などを有している。

 ジョンソン氏は、これらのソリューションを活用し、あらゆるWebサイトに広告を表示できるようにしたいと語った。また、広告代理店やWebサイト運営者、個々の広告主といったさまざまな広告流通経路にアクセス可能になる点も、このたびの買収の重要なポイントだという。

 マイクロソフトのねらいは、Windows LiveやOffice Live、「Windows Live Search」など同社が提供するすべてのサービスから広告収入を得られるようにすることだ。同社は2005年11月にオンライン広告サービスの戦略を練り直し、まさにこうした状況を創出するべく努力を重ねてきたが、これまでのところ計画はうまく運んでいなかった。

 ジョンソン氏は、アクアンティブの既存製品とマイクロソフトのオンライン資産および「adCenter」広告プラットフォームを組み合わせる形態には言及せず、両社は協力して統合計画を進めているとだけ述べた。

(エリザベス・モンタルバノ&ジェレミー・カーク/IDG News Service ニューヨーク支局)






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