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[国内] 【@warp 1st GiG】リポート
電通大の稲見教授、ITイベントの基調講演で光学迷彩の研究成果を披露

「人と機械をつなぐ“ラスト・ワン・メーター”の可能性」を探る

(2007年07月12日)

 7月12日、東京国際フォーラムで、インフォテリア主催のプライベート・コンファレンス「@warp 1st GiG」が開催された。基調講演には、電気通信大学知能機械工学科の教授を務める稲見昌彦氏が登壇し、同氏が研究している「光学迷彩」の研究成果を披露した。

光学迷彩の研究成果を披露する、電気通信大学知能機械工学科教授の稲見昌彦氏

 稲見氏の講演テーマは情報世界と現実世界を「つなぐ」ためのテクノロジー。「つなぐ」をコンセプトに製品や技術を紹介するという今回のコンファレンスの趣旨に沿うものとなった。ステージに上がった同氏は、「物理(現実)世界と情報世界の界面(インタフェース)をどう設計していくかを研究している」と語り、光学迷彩へとつながる氏の根本的な研究テーマを来場者に紹介。そのうえで、人と機械をつなぐ“ラスト・ワン・メーター”の可能性を示唆した。

 稲見氏は、I/O──入力と出力の非対称性の問題を挙げ、「人もコンピュータも、入力に比べて出力が難しい。例えば、絵を見るという入力は一瞬で済むが、絵を描くという出力は時間がかかる」と語った。そして、出力側を光学的に拡張する方法を研究していった結果、Virtual Reality(VR)に行き着いたという。

 VR技術における稲見氏の著名な研究成果が、米国「TIME」誌に取り上げられた実績もある光学迷彩である。光学迷彩は、物体を光学的にカモフラージュする技術。再帰性反射材(光が入射した方向に反射する素材)でできたコートなどを利用し、迷彩したい物体に背後の映像をプロジェクターで投影する。リアルタイムな背後映像との組み合わせにより、物体を透けたように見せることができる。ただし、光学迷彩の観察位置は、プロジェクターの近くに限定される。

 光学迷彩の用途として稲見氏は、飛行機のコクピットや自動車への応用を例示した。「コクピットの内側に再帰性反射材をつけ、パイロットがプロジェクターを装着することで、光学迷彩によりコクピットを全面ガラス張りのような状態にすることができる」(稲見氏)。このほか、内視鏡手術への応用も研究されているという。

 また、稲見氏は光学迷彩が産業界で利用されている事例も紹介した。米国のベンチャー企業において、光学迷彩技術と赤外線カメラを用い、手の表面に内部の血管をリアルタイム表示する製品「VeinView」の開発が行われているとし、ゼネラル・エレクトリック(GE)も展示会のパフォーマンスの1つとして利用したことがあると紹介された。

再帰性反射材で作られたコートに背後の映像を投影することで、まるで透けたように見える。今回のデモンストレーションは、背後が静止物であるため分かりにくいかもしれないが、道路をバックにすると、道を走る自動車や歩道を歩く人の動きがリアルタイムでコートに映し出され、より透明感が強調される

(山上朝之/Computerworld)






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