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【インタビュー】
米国シトリックス幹部に聞く――“ゼンソース買収”の意義と展望
「買収の目的は、仮想化によるインフラの俊敏性向上にあり」
(2007年08月27日)
――ゼンソースの買収で、シトリックスの市場での競争力、そして競合の構図はどう変化するのか。
当社は過去4年間、着実な成長を遂げ、売上げの規模も年商10億ドルに迫っている。また、この3年間、M&Aを積極的に推し進め、単一のプロダクトを提供するベンダーから、エンド・ツー・エンドのインフラを提供するベンダーへの大転換も図ってきた。
その結果、IT市場でのシトリックスのプレゼンスは急速に高まり、今や、数多くのユーザー企業から「ITベンダーのトップ10」にリストアップされるようにもなった。
ただし、われわれは、他社との競争で勝利することに注力してきたわけではなく、顧客のITインフラを変革し、ベネフィットを創出することに専念してきた。ゼンソースの買収は、そうした戦略・方針の延長線上にあるとご理解いただきたい。
また、ゼンソースの買収によって、当社とマイクロソフトとの関係が強化されるという点も、強調しておきたい。
ゼンソースでは、自社のハイパーバイザ技術と、来年リリースされる予定のマイクロソフトのハイパーバイザ技術「Viridian(開発コード名)」との互換性を確保している。
しかも、当社は、10年以上も前からマイクロソフトと提携関係にあり、われわれの「Presentation Server」の技術をマイクロソフトの「Windows Terminal Services」に組み込んでいる。
そうしたシトリックスとゼンソース、およびマイクロソフトとのパートナーシップは、今回の買収でいっそう強化されることになる。
むろん、今回の買収で、ヴイエムウェアなどの仮想化ソフトウェア・ベンダーと競合する場面が増えることになるだろう。
ただし、シトリックスとヴイエムウェアはパートナー関係にもあり、その関係は今後も維持していきたい。というのも、われわれのようなITインフラのプロバイダーにとって、さまざまなベンダーとの協業関係を築いておくことが重要であるからだ。
――ここ数年来、シトリックスは、ネットスケーラーをはじめ、オービタルデータ、アーデンス、レフレクテント・ソフトウェア、テロスといった企業を相次いで買収してきた。このM&A戦略によって、最終的に何を目指しているのか。
われわれは現在、自社の製品群を「アプリケーション・デリバリ・インフラ」と定義しているが、ここ数年来の企業買収の目的は、そのインフラを強化・拡充するという一点に集約できる。
例えば、Presentation Serverと旧ネットスケーラーの製品(Netscaler)は、デリバリの対象が、前者はWindowsアプリケーションで、後者はWebアプリケーションといった違いはあるが、どちらもアプリケーション・デリバリのためのインフラであることに変わりはない。そして、ゼンソースの製品・技術は、われわれのアプリケーション・デリバリ・インフラを支える中心的な存在となりうるものなのだ。
――シトリックスが獲得すべき次なるテクノロジーは?
当社では、ユーザーの動向や業界動向、または、技術/アプリケーションの動向に基づいて、製品戦略・技術戦略を立てている。
例えば、ユーザーやアプリケーションの動向を大きくとらえると、モビリティやオフショアリング、アウトソーシング、グローバリゼーション、SaaS(Software as a Service)、SOA(サービス指向アーキテクチャ)、XMLといったキーワードが浮上してくる。その流れを注視することで、当社のビジョンを具現化するのに必要とされる新たな技術要素(インフラの要素)が見えてくるだろう。
――ゼンソースの買収で、シトリックスとオープンソースとの関係に何らかの変化はあるのか。
オープンソースの技術は、非常に魅力的だ。なかでも、オープンソースの仮想環境については、あらゆるものをサポートしていきたい。
しかも、オープンソース・コミュニティにはIBMやHP、インテル、AMDといった強力な後ろ盾がある。そのため、オープンソースの仮想環境をサポートするのに、莫大な投資を行う必要もない。
ちなみに、当社では現在、オープンソース・プロジェクトであるXenプロジェクトの監視機構を、Xenプロジェクトへの貢献度の高いIT企業を含む諮問委員会に移管する取り組みも進めている。この計画はゼンソースが打ち出したもので、Xenプロジェクトへの貢献度が高い企業としては、HPやIBM、AMDなどが挙げられる。
――今回の買収は、アプリケーション・アクセラレーションやWAN最適化といったシトリックスのアプリケーション・ネットワーキング技術にどのような影響を与えるのか。
近年、企業内アプリケーションのWeb化が急ピッチで進んでおり、アプリケーション・ネットワーキングの重要性がますます高まっている。そのため、この分野には、より積極的な投資を行っていくつもりだ。
その中で、ゼンソースの技術と、当社のアプリケーション・ネットワーキング製品をどう融合させていくかの詳細は、まだ明らかにできない。ただし、いずれにせよ、業界最高レベルの仮想化技術を資産として保持し、それをネットワーキング製品に適用できることは、当社の大きな強みとなるだろう。
(デニス・ドゥビー/Network World オンライン米国版)
- 米国シトリックス・システムズ
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