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グリーン・コンピューティングに未来はあるか!?

積み上げられた“電子ゴミ”の山が消え去る日はいつ?

(2007年11月08日)

行政府の規制に準拠せよ

 しかしながら、電子ゴミの問題に対する欧州連合、日本、そして米国の一部の州の真剣な取り組み、あるいは市場の強い圧力によって、ベンダーの間にも徐々にポジティブな変化が生まれつつある。

 実際、HPやデル、IBM、サン・マイクロシステムズ、AMD、ゼロックスなど、多くの優良企業は、アル・ゴア元米国副大統領が地球温暖化の危機を訴える以前から、率先して環境問題に取り組んできた。有害物質の含有率が低い素材を使ったり、リサイクルを積極的に推進したりすると同時に、エネルギー効率の向上、温室効果ガスの排出削減といった環境保護活動にも積極的に携わってきたのである。

 HPのテイクバック準拠マネジャーで、主に英国およびアイルランドを担当しているカースティ・マッキンタイヤ氏は、15年もの間、環境問題に取り組んできた。ちなみに、ロンドン郊外のオフィスで、電子ゴミとリサイクルの問題について同氏にインタビューした日、折しも英国では大規模な洪水が発生し、異常気象が大きな話題になっていた。

 マッキンタイヤ氏の仕事は、欧州連合が2003年2月に制定し、2005年8月までに域内各国で実施するよう求めた廃電気電子機器(WEEE)指令に、HPが準拠しているかどうか目を光らせることだ。

 WEEEは、製品の廃棄処分に関するメーカーの責任を明確にするとともに、ゴミそのものを環境に優しいものにするよう求めている。この趣旨に沿って、同指令では、家電製品を含む電子機器に特定の有害物質を用いることを禁止している。

 こうした規制は確かに厳しいものではあるが、一方で電子機器メーカーにある種のメリットをもたらすものでもある。というのも、欧州連合全域を対象にしたWEEEに準拠することで、メーカーは、国ごと(製造拠点ごと)に異なる素材を用いたり、統一性のない標準に従ったりする煩わしさから解放されることになるからだ。

 「HPが、私のようなフルタイムの担当者まで置いてWEEEを順守しようとしているのは、2010年までに、全世界の売上げの75パーセントがWEEE指令や同等の規制を実施する国々からのものになることがわかっているからだ」(マッキンタイヤ氏)というのは、ひとりHPだけでなく他の大手ITベンダーにも言えることなのである。

 しかも、HPにとって(おそらく、環境問題に積極的な他のITベンダーにとっても)、「WEEE互換は決して困難な作業でも、新しい取り組みでもない」(マッキンタイヤ氏)のである。事実、HPでは1987年から、製品の回収、リサイクル、廃棄にまで責任を持つ“テイクバック”プログラムを実践する一方、1992年からは“環境に優しい設計”に取り組み、「製品寿命が尽きたときに、コストをかけずに簡単にリサイクルできる製品の開発」を進めてきた。

 そして、そうした方針に沿って、HPでは、製品に使用するプラスチックのタイプを、それまでの数百種類から5種類にまで減らした。また、トウモロコシ由来のプラスチックを用いたプリンタのプロトタイプも開発した。このプリンタは、古くなったら裏庭の堆肥の中にでも放り込んでおけば、そのまま土に帰る“環境適合品”だ。

 HPではすでに7台のトウモロコシ・プリンタを作成し、世界各地で耐久テストを行っているが、現時点ではまだグローバル・レベルでの実現可能性に問題があるため、商品化には至っていない。その問題とは、「シンガポールでは、暑さでプラスチックが溶けた。この高温に弱いという点を改良する必要がある」(マッキンタイヤ氏)というものだ。


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