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グリーン・コンピューティングに未来はあるか!?
積み上げられた“電子ゴミ”の山が消え去る日はいつ?
(2007年11月08日)
いま世界中で“グリーン化”が叫ばれ、“グリーン”をうたった製品や技術が連日のように発表されている。だが、現実には、中国やインド、アフリカ諸国などに持ち込まれた“電子ゴミ”の山は高くなるばかりで、一向に減ろうとしない。また、完璧な“グリーン化”を実施しているベンダーも、まだ存在しない。その理由はどこにあり、この問題を根底から解決するためにはどういった対策をとればよいのか。本稿では、そんなグリーン化の本質を、あらためて考えてみたい。
ナンシー・ウェイル
IDG News Service ボストン支局
発展途上国に“輸出”される“電子ゴミ”
ITベンダーは最近、自社が行っている電子部品のリサイクルや回収のためのプログラムを、競ってアピールするようになってきた。これはつまり、彼らが、製品のライフサイクル全般に責任を持つ姿勢を明確にしつつあることの表れだ。実際、ITベンダーの多くが、電子製品に有害物質やリサイクルが利かない素材をなるべく使わないようにするなど、ここにきて、環境に考慮した“グリーン・コンピューティング”への取り組みを加速している。
彼らをそうした動きに駆り立てているものの1つが、さまざまな環境保護団体や研究機関から相次いで発表されているリポートだ。そうしたリポートでは、グローバルな“電子ゴミ危機”の実情が取り上げられており、なかには、ぞっとするような数字を持ち出したり、事態の深刻さを写真で示したりしているものも少なくない。
例えば、米国で使用された電子製品が“リサイクル”のために中国やインド、アフリカ諸国でゴミの山を築いている様子などが紹介されていたりするのだ。リポートの1つによれば、中国のある村などは、まるで村ごと“電子ゴミの集積所”になってしまったかのような様相を呈しているという。そして、そうした現場では、労働者たちが山積みにされたモニタやPCをハンマーで叩きつぶし、有害物質を空中にまき散らしている。汚染された空気を、自らの肺の中に取り込みながら……。
ここ数十年の間、静かに進行してきた問題の根深さや、電子機器メーカーの“本気度”を考えれば、グリーン・コンピューティングの実効性には疑問が残らないでもない。仮に、メーカーが収益を度外視し、環境問題に本気で取り組んだとしても、PCやモニタ、携帯電話、テレビ等々のエレクトロニクス製品は毎年山のように出荷され、そのすべてがいつかは破棄されてゴミになる。
「われわれがいま本気で考えなければならないのは、グリーン・コンピューティングに対するベンダーの熱意を一時的なものに終わらせないことだ」と語るのは、エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエイツの社長でITアナリストとしても活躍しているロジャー・ケイ氏だ。
同氏はまた、「環境保護プログラムに積極的な企業は、広くメッセージを発信し、その取り組みを喧伝する一方で、楽観的に構えすぎているようにも見える」とも指摘する。実際、そんな企業の経営者たちの多くは、ケイ氏のようなアナリストに、「マーケティング的に有利に立ち回るにはどうすればいいか」といったことばかり聞いてくるというのである。
電子ゴミ問題がこれほどまでに大きくなった背景には、企業側のそういった姿勢が存在するとも言える。
コンピュータのリサイクルを推進する環境保護団体「コンピュータ・テイクバック・キャンペーン」(カリフォルニア州サンノゼ)は、そうした姿勢をただすべく、米環境保護局の数字を引用しなだら、「企業であろうと個人であろうと、製造元から消費者まで、(コンピュータのライフサイクル)過程に携わるすべての人が環境問題に対して責任を負わなければならない」と訴えている。
同団体のWebサイトによると、2005年には、米国だけでも263万トンの電子ゴミが排出されたが、そのうちの87パーセントが最終的に埋め立て、または焼却処分にされたという。リサイクルに回された電子ゴミはわずか33万トンにすぎず、そのうちの50パーセントから80パーセントは米国外に輸送されたもようだ。
同団体では、完全に“グリーン化”を達成したメーカーはまだ存在しないとしているが、企業側の努力も、製品輸送の際の化石燃料の消費を減らすなど、環境保護にそれなりの成果をもたらしてはいる。一方で、何も気にせずに電子ゴミを埋め立てに回し、環境保護などはほかのだれかの問題だと考え、そういった取り組みにまったく関心を示さないような人がいるのも事実だが……。
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