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[米国]
アドビのチゼン氏、今月末にCEOを退任――新CEOは現COOのナラヤン氏に決定

業績好調のアドビ、「退任はチゼン氏の意思」と同社幹部

(2007年11月13日)

今月末でCEO退任の意向を明らかにしているブルース・チゼン氏

 米国アドビ システムズは11月12日、同社のCEOであるブルース・チゼン氏が今月末に退任し、12月1日から現COOのシャンタヌ・ナラヤン氏がCEOに就任することを明らかにした。

 アドビによると、チゼン氏は2008年第2四半期まで同社役員として務め、2008会計年度末(2008年末)まで戦略アドバイザーとして職務を遂行するという。

 1994年にアドビに入社したチゼン氏がCEOに就任したのは2000年だった。同氏がCEOを務めていた2005年、アドビは米国マクロメディアを買収し、リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)の開発を手がける筆頭ベンダーとして、RIA市場を牽引する立場に立った。

 また台頭するWebベース・アプリケーションのインフラストラクチャを提供する同社の技術力は、マイクロソフトなどの大手ソフトウェア・ベンダーからも注目されるようになった。

 今回アドビが発表した声明によると、同社の取締役会はチゼン氏を「一介の設計ツール・ベンダーとしか認知されていなかったアドビを、世界屈指の規模と多様性を誇るソフトウェア・ベンダーに進化させた功績は大きい」と評価しているという。

 また同取締役会は新CEOとなるナラヤン氏について、「国際業務や長期的な市場戦略を含め、すべてを統括してきた人物」と評価し、「チゼン氏からの権限移譲もスムーズに行われるだろう」と述べている。

 ナラヤン氏は1998年、エンジニアリング技術グループのゼネラル・マネジャー兼副社長としてアドビに入社した。1999年1月には世界製品担当上級副社長、2001年5月には世界製品マーケティングおよび開発担当取締役副社長、そして2005年1月より現在のポジションであるCOOに就任している。

 今回の人事は、企業のトップとしてアドビの発展に貢献してきたチゼン氏が、順調に昇進してきた有能な部下にバトンを渡すという、ごく自然な人事異動のように見える。

 実際アドビの業績は順調だ。取締役会が人事異動を強行せざるをえない財政的な事情は見当たらない。同社は今回の発表と同時に、2007年第4四半期の売上高が目標範囲の上限(8億9,000万ドル)に達する見込みであることを明らかにしたほどである。

 今回の人事はチゼン氏の意思が大きく働いているようだ。同氏は最近、「CEOの座に飽き飽きしている」という趣旨の発言を何度か行っている。

 例えば今年10月にシカゴで開催された同社のコンファレンス「ADOBE MAX 2007 North America」の基調講演において同氏は、「CEOは世間で言われるほどよくはない。(中略)財界とつきあうのは麻酔を打たずに歯を治療されることに似ており、(CEOであるがゆえに)自分の生活が第三者に筒抜けである状態は“異常”で“不快”だ。だれもがわたしの年収を知っており、さらにはその金額を多すぎると考えている」と発言している。

 11月12日に行われた電話会議において同社の幹部は、チゼン氏の退任は財政上/業務上の都合によるものではなく、チゼン氏の意思であることを明らかにした。

 チゼン氏自身は辞任の理由について、「一線を退き、余生の過ごし方を考える時期がきた」と説明、ナラヤン氏に指揮を引き継ぐという決断は「人生で最も難しい決断だった」としたうえで、「ナラヤン氏の卓越したリーダーシップの下、アドビは今後も発展していくと確信している」と述べている。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)






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