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企業コンピューティング15領域のテクノロジー・トレンド予測[中編]

セキュリティ、ネットワーク、デスクトップ、仮想化、オフショア

(2007年12月20日)

9. 仮想化
仮想化で実現するデスクトップの“ローミング”

今、ホットなのはアプリケーションの仮想化だ。多数のベンダーが取り組むこのテクノロジーは管理負担とコストの軽減に大きく寄与するはずだ。 デビッド・マーシャル/InfoWorld米国版

 一般的に仮想化と言えば、サーバの仮想化のことだ。だが、ヴイエムウェアがIPO(新規株式公開)を行い、ウォール・ストリートに認められたからには、サーバ仮想化がもはや次に来るテクノロジーではなくなってしまった。

 IT業界で久々にホットな話題はアプリケーションの仮想化である。まだ導入数が多いわけではないが、これから飛躍的に普及することはまちがいない。

 このテクノロジーの将来性に賭けたのが、マイクロソフトとシマンテックの2社だ。マイクロソフトはSoftGridを持つソフトリシティ、シマンテックは「SVS」のアルティリスを買収した。加えて、両社のほかにも、この新興市場にはシトリックスやデータシナプス、シンストール、トライジェンスなど、多数のベンダーが参入しており、この分野で一旗揚げようともくろむ新たなベンチャー企業も増えている。

 ベンダーによってアプリケーション仮想化の手法は異なるが、その目的は同じである。それは、アプリケーションを個々のサーバ、OS、クライアントの制約から切り離し、環境に関係なく実行できるようにすることだ。サーバ仮想化がOSをハードウェアから解放したように、アプリケーション仮想化はアプリケーションをOSから解放するのだ。

 アプリケーション仮想化のわかりやすいメリットは、アップグレードとパッチ適用の煩わしさがなくなるということだ。多数のクライアントが存在する場合でも、アプリケーションのインスタンスは1つだけであるため、それに対してアップグレードやパッチ適用を行えば済むようになる。加えて、ライセンス契約を順守するようにアプリケーションの管理を徹底できるという点も大きなメリットだ。

 最もすばらしいのは、アプリケーション仮想化がストリーミング技術と統合されて、エンドユーザーがオフィスにいようが外出先にいようが、アプリケーションと“ローミング・デスクトップ”の両方を瞬時にその場所に移せるようになることだ。アプリケーション仮想化製品は、セキュリティ、ライセンス管理、アプリケーションを初期状態に戻す機能、あるいは集中制御の場所からアプリケーションのオン/オフを切り替える機能をバンドルすると予想される。

 仮想化によるコスト削減というメリットには、目を見張るものがある。IT/IS部門の負担とソフトウェアのコストにこれほど直接的な影響を及ぼすテクノロジーがほかにあっただろうか。

10. オフショア
アウトソーシング先を近くに求める“ニアショア”が急増

オフショアと言えば、インドと中国が発注先の代表だったが、時差や管理上の問題などから近隣諸国に発注する企業が増えてきた。 エフレイム・シュワルツ/InfoWorld米国版

 オフショア・アウトソーシングの驚異的な伸びとその多様性を見てきたアナリストたちは、この領域で次に来るのは“ニアショア”だという見解で一致している。

 「遠すぎる国に移されてしまった業務が、あまりにも多すぎる」と語るガートナーのオフショア担当アナリスト、リンダ・コーヘン氏は、今後はアウトソーシング先を近隣の国にとどめようとする企業が増えるだろうという予測を示す。

 米国から見てインドや中国といったはるか遠くの国にアウトソーシングして労働コストを抑えても、労務監督、品質管理、翻訳などに要する追加作業で相殺されてしまうとコーヘン氏は指摘する。「オフショアにあたっては、現地スタッフとのきめ細かなやり取りが欠かせないのだ」(同氏)

 一方、ニアショアの場合、有能な人材を低コストで雇えるうえ、相手国との大幅な時差に苦慮することもなくなるわけだ。もちろん、アウトソーシング・プロジェクトの契約を交わすために長距離フライトに旅立つことも不要だ。

 米国政府が移民ビザとH-1B(専門職向け短期就労ビザ)の抜け穴をふさごうとしている今日、すでに次の動きを見せている企業もある。例えば、マイクロソフトは7月、カナダに開発センターを設立すると発表した。同社は、本社のあるレドモンドから国境を越えてすぐのバンクーバーに開発センターを開設する理由について、次のような公式声明を発表した。

 「バンクーバー地区は多様な人種の住む国際的なゲートウェイであり、レドモンドのマイクロソフト本社からも近い。米国の移民問題の余波を受けて米国内で働けない高度な熟練労働者を雇用するには格好の場所だ」

 カナダはハイテク技術者の短期就労に関する規制が厳しくないため、その地にマイクロソフトは世界中から一流のソフトウェア・エンジニアを招こうとしているわけだ。

 コーヘン氏によると、現在多くの企業が次のオフショア先として中南米に注目しているとのことだ。コスタリカなどはニアショアと呼べるほど近いわけではないが、遠いといってもインドや中国に比べれば時差は少ないのだ。

※[後編]に続く

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