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[世界]
【IT・ゆく年くる年】
2007年は「再編の年」――IT業界の1年を振り返る
IDG News Serviceが選んだ2007年の10大ニュース
(2007年12月25日)
振り返ると、2007年は「再編の年」だった。
例えば、Appleは「iPhone」の投入で携帯電話市場に激震をもたらし、DellとIntelは一度逃した首位の座を奪還した。また、「Android」の登場により携帯電話向けソフトウェア・プラットフォームが統合・集約に向けて動き出し、それを牽引しようとするGoogleは一方でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の台頭に目を光らせている。
以下、われわれIDG News Serviceが選んだ2007年の「IT業界10大ニュース」を紹介する。ただし、紹介順と重要度は関係がないことをお断りしておく。
ソフトウェア業界の整理統合――大手ベンダーはよりビッグに
ここ数年、グローバリゼーションの波がIT業界に押し寄せ、M&Aの活性化をもたらしている。2007年もその例に漏れず、M&Aによってソフトウェア業界の整理統合がまた一歩進んだ年となった。
飽和状態にある市場で、SAPやIBM、Oracleなどの大手ベンダーは次々とライバルやパートナーを買収した。その目的は、BI(ビジネス・インテリジェンス)やSaaS(Software as a Service)といった注目分野の専門知識と技術を手に入れることだ。
とりわけ2007年は、SAPのBusiness Object買収(68億ドル)、IBMのCognos買収(50億ドル)、OracleのHyperion買収(30億ドル)の3件が記憶に残る大型買収となった。
例によって、最も話題を振りまいてくれたのはOracleだった。同社はBEAシステムズに買収提案を行ったが、少なくとも2007年末時点においては拒否され続けている。
2007年も、革新的な起業家たちが新興企業を市場に送り続けた。しかし、中小規模のベンダーにとっては、大手企業からの買収を拒否し難い状況になりつつある。
自己改革に乗り出したDell
| CEOとして復帰したMichael Dell氏 |
熾烈な競争が繰り広げられるPC市場において、比類なき物流管理能力と一貫した直販ビジネス・モデルで世界ナンバーワンのPCベンダーとして君臨してきたDellが、その座をHewlett-Packard(HP)に奪われたのは2006年のことだ。その後も、経理操作に関する調査を米国証券取引委員会(SEC)から受け、四半期決算報告書提出の延期を余儀なくされるなど、Dellの行く手は阻まれたかに見えた。
しかし、2007年1月にCEO職にカムバックした創設者のマイケル・デル(Michael Dell)氏が、そうした苦境からDellを救った。
同氏は、エンタープライズ向け製品の拡充、中小規模企業向けサービスの増強、直販モデルから店舗販売へのシフトなど、数々の改革を実施。世界市場での本格展開にも乗り出している。
こうした改革の成果は早くも数字に反映されつつある。Dellは2008会計年度第3四半期(2007年8月-10月期)決算で、ノートPCの販売好調により増収を達成した。
iPhoneの投入でAppleが再び市場を“再定義”
自己改革を図る企業もあれば、時代の流れを先取りして市場をみずから改革する企業もある。スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏率いるAppleは、もちろん後者に属するベンダーだ。
Appleは、1970年代に「Apple II」でITを再定義し、1980年代には「Mac」でパーソナル・コンピューティングの既成概念を打ち砕いた。かつて同社は、忠誠心は高いものの小規模なユーザー基盤しか構築できなかったが、2001年に発売した「iPod」でそうした流れに終止符を打った。その後、同社がMacにIntelチップを搭載して新風を吹き込んだことは記憶に新しい。
そして2007年6月、Appleは新しいユーザー・インタフェースを搭載したiPhoneを米国で発売し、同社デザインの魔力が今なお有効であることを証明したのである。言うまでもないことだが、Appleの収入と株価はこれまでにない大幅な伸びを見せている。
クールなデザインに電話機能、インターネット接続、マルチメディア機能を搭載したiPhoneの登場により、他の携帯電話メーカーは製品戦略の見直しと機能レベルの引き上げを迫られることになった。
犯罪者向けのSaaS型ボットネットも登場
米国大統領候補のロン・ポール(Ron Paul)氏、Storm Worm、電子招待状、エストニア共和国――この4つに共通するものは何か。答えは「ボットネット」だ。
ボットネットとは、「ボット」と呼ばれるウイルスに感染した数千〜数十万単位のコンピュータ群を指す。犯罪者はこの感染マシン、いわゆるゾンビ・マシンを遠隔操作しながら株価を不正に上昇させたり、男性向け精力剤を売り込んだりする。あるいは2007年4月にエストニア政府サイトを機能停止に陥れたサイバー攻撃のように、ダメージを与えることだけを目的とする行為に及ぶこともある。
ボットネットは年々洗練さを増しつつあり、今では犯罪者向けにSaaS製品として提供されているほどだ。大統領候補のPaul氏を支持する2億通近くのスパム・メッセージが許可なく配信された2007年11月の事件は、まさしくこれを利用したものだった。
つまずいたOLPCプロジェクト
「子ども向けの100ドルPCを2009年までに全世界で1億5,000万台販売する」――米国マサチューセッツ工科大学(MIT)Media Lab前所長の二コラス・ネグロポンテ(Nicholas Negroponte)氏が打ち出したこの壮大な計画は、2007年に限れば、まだ夢物語の段階だと言わざるをえない。
| 実質200ドルに値上げされた「XO」 |
発展途上国の子どもへのPC普及をうたう「One Laptop Per Child(OLPC)」プロジェクトは11月、「XO」と名付けられた廉価ノートPCをリリースした。だが、そのスケジュールは計画よりも遅れている。当初約束された政府との契約も不成立に終わったと報じられた。
100ドルPCと言っても、実質的な価格は200ドル近くに上昇し、2007年の生産台数も30万台程度にとどまった。とはいえ、Negroponte氏の夢がこのままずっと先延ばしになることはないだろう。成熟しきった市場での成長鈍化、そして省電力化と値下げというプレッシャーに苦しむ商用ベンダーが、同じような廉価PCの販売を進めているからだ。
例えば、Intelは200ドルPC「Classmate」をメキシコ、ブラジル、ナイジェリア、パキスタン、リビヤで販売中だ。Everexも11月、x86ベースのLinux PCを300ドル未満で販売すると発表した。
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