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[欧州]
欧州委、iTunes楽曲価格の独禁法違反調査を取り下げ

英国iTunes Storeでの価格引き下げを受け、Appleと“和解”

(2008年01月10日)

 欧州連合(EU)の独占禁止法監督機関は1月9日、米国Appleが英国iTunes Storeでの楽曲ダウンロード価格の引き下げを決めたことを受け、欧州委員会によるAppleへの独占禁止法違反調査を取り下げると発表した。

 Appleによると、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ドイツ、フィンランド、フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、スペインを含む欧州各国のiTunes Storeではすでに楽曲ダウンロード価格が統一されており、同社は今後6カ月以内に英国iTunes Storeでの楽曲価格を他国と同レベルになるよう値下げするという。

 英国のiTunes Storeの場合(通貨はポンド)、現在のダウンロード価格は1曲につき79ペンス(1ドル56セント)で、ユーロを使用しているEU加盟国のストアの価格0.99ユーロ(1ドル46セント)よりも高い。デンマークやスウェーデンのストアも自国通貨だが、ユーロとの為替差額が小さい。また、EUに加盟していないスイスでの価格が、現在は最も安い1.5スイスフラン(0.91ユーロ)となっている。

 欧州委員会は、欧州におけるiTunes Storeの楽曲ダウンロード価格を統一するというAppleの方針に歓迎の意を示している。同委員会の競争政策担当委員であるニーリー・クローズ(Neelie Kroes)氏は、「欧州委員会では、楽曲ダウンロード市場を1つに統一することが消費者の利益に通じると考えており、この考えに沿ったAppleの解決策を支持する」と声明の中で語った。

 一方、AppleのCEOであるスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏は、今回の同社の決定について、「汎ヨーロッパ的な音楽市場に向けた重要な一歩だ。大手レコード会社に対しても、欧州で価格を統一する方針をとるよう期待する」と述べている。

 Appleは、英国での楽曲配信に対して欧州各国よりも価格を上乗せしているとして、レコード会社を非難している。「今後半年以内に英国での楽曲の卸売り価格を欧州レベルに引き下げないレコード会社とは、今後の関係を見直す予定だ」とAppleは述べており、値下げに応じないレーベルの楽曲をiTunes Storeから外す可能性を示唆した。

 欧州委員会では、Appleに対する独占禁止法違反調査を通じて、同社とレコード会社が欧州におけるiTunes Storeの運営方針について合意を得ていないことを確認しており、「iTunes Storeの現体制は、Appleが各国独自の著作権問題に対応するための形である」との結論を出している。これにより、英国iTunes Storeにおける価格差が、Appleとレコード会社との談合によって生じたものではないと証明されたようだ。

 さらに委員会は、一部のレコード会社や出版社などはライセンス供与の形をとっており、それゆえiTunes Storeが欧州各国で統一した運営体制をとることが難しい事情も認識していると付け加えた。

 同委員会で競争政策担当広報を務めるジョナサン・トッド(Jonathan Todd)氏は、「一部のレコード会社は欧州統一料金を採用していないが、その理由が著作権の方針ということであれば、独占禁止法違反には該当しない」と述べ、各レコード会社に対する独占禁止法違反の追求は行われないことを明らかにした。

 またTodd氏は、iTunes StoreがAppleの携帯音楽プレーヤー「iPod」のみに対応していることが、欧州委員会による独占禁止法違反調査の対象になるとのうわさを否定した。「委員会が重視する点の1つは相互運用性だ。だが、Appleは市場における独占的な存在ではなく、それゆえ(独占禁止法)違反には当たらない」(同氏)

 英国版iTunes Storeにおける楽曲ダウンロードの価格差については、英国の消費者団体が問題を提起し、それが欧州委員会による独占禁止法違反調査につながったという経緯がある。Todd氏によると、楽曲価格統一の件でKroes氏とJobs氏が直接話し合いを行い、解決に至ったとしている。

(Paul Meller/IDG News Service ブリュッセル支局)






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