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グリーンIT

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グリーン・コンピューティング

会社を挙げて“緑革命”を――MicrosoftのグリーンIT戦略

同社が目指す「地球環境にやさしい」企業の姿とは

(2008年01月22日)

グリーンITというテーマに注力しているIT企業は、何もハードウェア・ベンダーばかりではない。例えばMicrosoftは、従業員、製品、プログラムを挙げて“グリーン革命”に取り組むべく、以前からの活動をさらに本格化している。「環境にやさしい企業とはいかにあるべきか」という基本的な視点に立って、グローバルにグリーン化を推進する同社の活動状況、グリーン化への対応度合い、最終目標といったものを、2007年11月にチーフ環境ストラテジストに就任したロブ・バーナード(Rob Bernard)氏をはじめとする同社のキーマンに聞いた。

John Fontana
Network World米国版

環境問題に本気で取り組む

 世界中に合計7万人の社員を抱えるMicrosoftが、「環境にやさしい企業づくり」に向けて、ついに本腰を入れ始めた。この取り組みは、Microsoftが「コーポレート・シティズン(企業市民)」の役割を担って、ハードウェア、ソフトウェア、データセンターなどのグリーン化を促進しようというもので、Microsoftの従業員、製品、プログラムを挙げて“グリーン革命”を引き起こすことを狙いとしている。

 このプロジェクトに基づいて、2005年からPVC(ポリ塩化ビニル)使用の商品包装を廃止した結果、同社では、環境への影響が懸念されるプラスチック排出量を150万ポンド削減することができたという。また、まもなく米国シカゴ郊外に開設されることになる同社の新しいデータセンターは、最高水準のエネルギー効率を誇る記念碑的な“グリーン・データセンター”になる予定だ(関連記事)。

 Microsoftのグリーン化活動には、ビル・クリントン(Bill Clinton)前米国大統領や、同氏が設立したClinton財団なども参加しており、世界の大都市における二酸化炭素(CO2)および温室効果ガス排出量の抑制方法に関して話し合いが進められている。ちなみに、Microsoftは、エネルギー効率化を追求するIT業界の非営利団体、The Green GridコンソーシアムならびにClimate Saversの一員でもある。

 さらに同社は、グリーン化を巡る学術分野の活性化にも力を尽くしており、2007年7月には、環境にやさしいコンピューティングの研究を進める大学に対して50万ドルの助成金を与えた。また、今年6回目を迎える同社主催の年次技術コンテスト「Imagine Cup」において、ソフトウェア・デザイン部門のテーマに「テクノロジーの活用による環境保護」を掲げたりもしている。

現場のスタッフの発想を転換させる

 もっとも、グリーン化に向けたMicrosoftの取り組みがすべて自発的な利他主義に基づいて行われているのかと言えば、必ずしもそういうわけではない。

 例えば、2007年11月に、Microsoftが自社の電子製品から有毒化学物質を除去する(目標)時期を2011年に定めたことに対しては、さっそく、環境保護団体のGreenpeaceから注文がつけられた。というのも、AppleやDellといった競合ベンダーは、もっと早い時期(2008年と2009年)に除去するという目標を掲げていたからだ。

 一方、一部の環境保護活動家からは、Windows Vistaの消費電力の大きさと同OSにアップグレードするユーザーが古いPCを捨てて新たなPCを購入しなければならない点に対しても、批判の声が上がっている。

 こうした批判に対処し、主体的なグリーン化運動を推進するために、MicrosoftはGreenpeaceから注文がつけられた直後に、ロブ・バーナード(Rob Bernard)氏をチーフ環境ストラテジスト(Chief Environmental Strategist)に任命した。同氏のミッションは、グリーン化のあらゆる面に関して、調査と改善を行うことにある。

 Bernard氏は、早速事態の収拾に努め、自社サイトに掲載していた禁止物質リストを直ちに更新するなど、可能なかぎりの対応を行った。この対応の早さは、Greenpeaceからも高く評価されるところとなった。

 今年から、グリーン化に向けてスタッフの発想転換を促す活動に着手しているBernard氏は、「現場レベルのグリーン化は、数百人単位の社員に、仕事と関連させながら取り組ませることで、初めて可能になる」と、グリーン化を実現するためには全社挙げての取り組みが欠かせないことを強調する。

「グリーン通勤」「グリーン・データセンター」など、すでに成果も

 グリーン化プロジェクトの責任者であるBernard氏によれば、Microsoftでは、早くも同プロジェクトの成果が出ているようだ。

 例えば、ワシントン州レドモンドのMicrosoft本社では、2007年9月から(マイカー通勤する)社員のためにシャトルバス運行サービスを実施しているが、その結果、通勤用車両のエネルギー消費を1日当たり3万マイル分も削減することができた。現在、Microsoft従業員の30%以上がこうした「グリーン通勤プログラム」に参加しているという。

 また、カリフォルニア州マウンテンビューのMicrosoftリサーチ・センターでは、2006年から太陽光発電装置を稼働させている。その最大出力は400キロワットで、現在、それによって同センターの消費電力の約15%がまかなえている計算だ。さらに、ワシントン州クインシーにある同社データセンターでは、水力発電装置を導入しているほか、センター内を走行する運搬車にはバイオ・ディーゼル燃料を使用しているという徹底ぶりである。

 そのほか、中古PC再生業者に中古PCに正規Windowsをインストールして販売する権利(ライセンス)を供与する「Microsoft Authorized Refurbisher(MAR)」プログラム(関連記事)を利用することで、月間5,000台ものペースで、Windowsを搭載した中古PCの再利用が可能になっている。

 加えて、前述したようなグリーン・データセンターの建設も、グローバルに推進されている。現在、アイルランドやロシアのシベリア地方、米国テキサス州サンアントニオなどで新たなデータセンターの建設が計画されており、こうしたグリーン・データセンターに投じられる資金は数十億ドル規模にも達しているという。

 保有するデータセンターの数は「10から100の間」としか明らかにしていない同社だが、データセンターを設置する国や場所を選定するにあたっては、ソフトウェアを使って電力コストや気象など35のファクターを関連づける世界地図を作成し、それに基づいて最適な場所を決定しているという。この地図は、国際情勢やエネルギー価格などの変化を反映する、まさに“生きた地図”となっている。


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