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[国内] 【デブサミ2008】
「データ品質がビジネスの成否を左右する」

TVJP栗原氏がデータ・アーキテクチャの全体最適化を提言

(2008年02月14日)

テックバイザージェイピーの代表取締役、栗原潔氏

 「企業にとってデータはビジネスそのもの。データを軽視していてはビジネスの成功は到底ありえない。しかしながら、アプリケーションのデータ設計は企業ごとに異なり、社内でデータのセマンティクスの統一がとれていないことも多い。データ管理の世界は教科書どおりにはいかないのが実情だ」――そう指摘するのは、2月13日に東京・目黒で開催された開発者向けイベント「Developers Summit 2008」(2月13日〜14日開催/主催:翔泳社)のセッションに登壇したテックバイザージェイピー代表取締役の栗原潔氏だ。同氏はセッションの中で、企業のデータ設計における諸問題の現実的解決策について提言を行った。

 栗原氏によると、たとえSOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいたシステム環境であっても、個々のサービスがデータ・ソースに好き勝手にアクセスしているようでは、データの品質低下は避けられないという。そこで同氏は、ロジックを提供するサービスと、データを提供するサービスを分けることを提唱している。「すべてのデータをいったんデータ・ウェアハウスに集約してからアクセスするようにすれば、アーキテクチャもかなりすっきりとするはず」(栗原氏)

 確かにすべてのデータをデータ・ウェアハウスに集約するのは理想的だが、アプリケーションごとに多数のデータマートを抱えている企業にとっては、パフォーマンス的に難しい場合もあるだろう。そのような場合には、とりあえずデータ・ウェアハウスに集約してから、必要に応じてデータマートを構築するのがよいと栗原氏はアドバイスする。ただし、「データマートはできるだけ最小化して、アクセスも最低限に抑えるのがポイント」と同氏は付け加えている。

 また栗原氏は、データ・モデリングにおける互換性について、「同じ意味のデータならば、名前が違っていても変更するだけで済む話である。最もやっかいなのはモデリングが違う場合だ。データ・モデリングの非互換を過小評価したばかりに失敗したというプロジェクトは少なくない」と注意を促した。

 データそのものの品質が低いと、いかにシステムがすぐれていても期待どおりの効果は得られない。データの品質はライフサイクルの初期段階──つまりデータ入力の段階で確保することが重要と栗原氏は強調する。「忘れられがちだが、データの粒度はできるだけ細かくし、アプリケーション・ニュートラルなデータ・ウェアハウスを構築することも大切だ」(同氏)

 さらに同氏は、「全社的なデータ・アーキテクチャの構築は、トップダウンとボトムアップの双方のアプローチで取り組むのが望ましい」と語った。

 日本ではこれまで、データ品質やデータ管理そのものがフォーカスされるケースが少なかったが、それらを最適化することはビジネスの根幹にかかわる取り組みとも言える。同セッションで栗原氏が提言したように、価値の高い企業情報システムの構築のためには、ビジネス・ロジックだけでなく、データ・アーキテクチャを十分に考慮した設計戦略が必要となる。ビジネスを加速させるためにも、データ管理の見直しを全社的に行い、システムの土台を堅固なものにしておくことは重要と言えるだろう。

(後藤大地)






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