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[米国] 【今週のウォール街】
大手IT企業の07決算はおおむね好調も、株価は依然として低迷

その背後には景気後退に伴うIT支出低迷を懸念する投資家の存在が

(2008年02月15日)

 今週は米国Netsuite、米国Comcast、米国Qwestが、それぞれ好調な決算を発表した。その一方で、米国Intelなど多くのIT企業の株価が下落した。景気への懸念が引き続き“足かせ”になっていると見られる。

 昨年12月にIPO(新規株式公開)を行って注目を集めたSaaS(Software as a Service)型ERPベンダーのNetSuiteは、2月14日の株式市場終了後に好調な決算(2007年10月-12月期)を発表した(関連記事)。売上高は前年同期比57%増の3,170万ドルとなり、アナリスト予測(3,050万ドル)を上回った。損益では一時費用を除く1株損失が1セントとなり、アナリスト予測(3セント)よりも小幅な赤字にとどまった。

 NetSuite株は決算発表前に前日比79セント高の23ドル49セントで通常取り引きを終えた。その後、時間外取り引きでも上昇し、決算発表から1時間半後に51セント高の24ドルをつけた。

 今週は通信セクター関連のニュースも、概して明るいものだった。CATV大手のComcastは14日、CATV事業の好調と買収の寄与により、2007年10月-12月期の利益が、前年同期比54%増の6億200万ドルに達したと発表した。売上高は同14%増の80億ドルとなり、アナリスト予測(79億ドル)を上回った。一時費用を除く1株利益もアナリスト予測(17セント)を上回る20セントとなった。

 ただし、同社CEOのブライアン・ロバーツ(Brian Roberts)氏は、2007年度下半期に景気が鈍化した点を指摘し、この傾向が今後も続くとの見通しを示した。

 だが、投資家にとって好材料となるニュースもあった。Comcastの幹部は、今後は多額の費用を要する大型買収を行わないと明言したほか、創業者のラルフ・ロバーツ(Ralph Roberts)氏に対する高額な報酬を削減する方針を示した。また、低迷する同社株価のてこ入れのために、2009年末までに69億ドルを投じて自社株買い戻しを行うことも表明した。

 その一方で、通信アナリストのジェフ・カーガン(Jeff Kagan)氏は、「通信事業者(キャリア)は、電話、TV、インターネット、ワイヤレス接続のサービス・パッケージを販売し始めている。こうしたなかで投資家は、CATV会社が今後、地域キャリアとの激しい競争に直面すると懸念している」と指摘した。

 ともかく、投資家は今回の決算と一連の発表を歓迎したようだ。Comcast株は1ドル43セント上昇して19ドル24セントで引けた。

 データ、音声、画像などのコンテンツをブロードバンドで提供するQwest Communications Internationalも、好決算を受けて株価が上昇した。Qwest株は2月12日、15セント高の5ドル28セントで引けた。2007年10月-12月期決算で、純利益が前年同期の1億9,400万ドルから3億6,600万ドルに増加したことが評価されたようだ。景気が減速するなか、同社はサービス・パッケージの契約者拡大に成功し、加入者当たりの平均収入は増加した。

 このように、今週は好決算を背景に株価が上がるケースが見られた一方、14日にはIntel株が下落するなど、IT株投資家にとって穏やかでないニュースも続いた。Intel株下落のきっかけとなったのは、投資銀行の米国Goldman SachsがIntelを、「コンビクション・バイ」(強い買い推奨)リストから外したことだった。Goldman SachsはIntel株への投資判断として「買い」を維持したものの、「IntelはPC販売の鈍化に直面しており、利幅の維持、拡大が困難になる」との見解を示した。

 その数日前には米国Forrester Researchが、今年の米国IT市場の成長率見通しを2.8%に下方修正していた(関連記事)。またForresterは、PC、サーバ、ストレージ、周辺機器の市場成長率が昨年の12%から4%に落ち込むとの予測も示している。

 なお、Intel株は14日、75セント安の20ドル46セントで取り引きを終えている。

 四半期決算発表はほぼ一巡しつつあり、ほとんどの大手ITベンダーは2007年10月-12月期に順調な販売を記録した。しかし、IT企業の株価は、2006年以降の水準を、おおむね下回っている。投資家が景気後退とそれに伴うIT支出の低迷を懸念しているためだ。

 こうしたなか、投資家はマクロ経済データに敏感に反応している。1月の小売り売上高統計が好もしい数字だったことを受け、ハイテク株の比重が高いナスダック総合指数は13日に2%上昇した。これは、1日の上昇率としては2007年11月以来の高い水準だった。しかし翌14日、米国連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ(Ben Bernanke)議長が上院銀行委員会で証言し、住宅、労働、金融市場の不調を言及した。これを受けて株式市場はまた下落し、ナスダック指数は前日比41.39ポイント(1.74%)安の2332.54ポイントで引けた。

 IT株投資家が今、注視しているのは、米国Hewlett-Packard(HP)が19日に行う決算発表だ。PC販売最大手のHPは、幅広い消費者および企業市場に関係している。同社経営陣の今後数四半期の見通しに関する発言は、注目の的になりそうだ。

(Marc Ferranti/IDG News Service ニューヨーク支局)






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